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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
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阿智村定例議会(令和5年3月7日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年3月29日更新

はじめに

今年の冬も大変寒い毎日が続きましたが、3月になり、駒場や昼神温泉を中心にひなまつり街道事業も始まり、卒業のシーズン、春の足音が一歩ずつ近づく季節となりました。
新型コロナウィルスですが、国の方針により5月連休明けより5類に移行し、感染者の外出自粛や医療機関への受診などこれまでと対策が大きく変わり、例えばマスクの着用も個人の判断に委ね、緩和する方針が発表されました。
まだ予断を許さない状況ですが、約3年の長い辛いコロナ禍の生活にやっと明るい兆しが見えてきました。地域の行事、まつりも徐々に復活してきており、これから春の観光シーズン、農業も始まり、人の移動が始まり、産業が活性化する事に期待したいと思います。

第6次基本構想後期計画について

第6次の基本構想後期計画を約1年間かけ内部で検討し、その後、各地域、団体、計画審議会等で意見を聞いて参りました。
前述しましたように世界で猛威をふるった新型コロナウィルスにより、この数年の計画がほぼ見直される事態となり、我々の生活様式、考え方までもが変わり、計画変更を余儀なくされました。同時に、ロシアのウクライナ侵攻による世界平和への願い、物価高騰、少子化の加速など、思いがけない事が起きた前期の5年間でした。
将来像「阿智家族」の想いの中で、第6次基本構想の横断的な施策大綱を確認しますと「定住人口の確保、維持」「人づくり、健康づくり、地域力」「阿智ブランドの確立」「まちづくり計画」の4本の柱で、基本目標、大綱それぞれの仕事の中で、後期も、どれにも共通する横断的な事業を展開して参ります。
特にコロナ禍の影響から、健康意識の高さ、地方の時代、田園回帰の流れ、少子化、環境、防災などがキーワードとして、例えば「定住人口の確保」では少子化対策や定住補助金等の思い切った政策の展開、保育園や小学校の将来に向けた検討、そして「健康づくり」では体制の強化や、安心して医療が受けることのできる交通を含めた体制の記述もしてあります。
「阿智ブランド」では星空、花桃の日本一、温泉を軸に、産業界が確実に連携して数年後に花が咲くような種を蒔いていく計画にしてあります。そして「まちづくり」では、リニアや三遠南信自動車道開通の新時代に向けた将来の村の姿や、計画的な道路などのインフラ整備を計画し、そしてリニア中央新幹線の工事については5年前とは状況が変わってきていますので、安心安全に工事が進むよう、住民の皆さんに寄り添い計画していきます。
3月議会では、この後期計画と、アクションプログラムにより、令和5年度の予算の骨格を、地区懇談会、各団体の懇談会、計画審議会等を昨秋から開催させて頂き、まとまりましたので上程させて頂きたいと思います。

令和5年度重点施策について

その中で令和5年度は特に、日本中でも、そして当村でも大変深刻な状況になっている少子化対策として、さらなる戦略で定住に力を入れること。
そして昨年秋に平谷、根羽との西部3村で、力を入れていくコンセプト「南信州フォレストパーク」を宣言した展開から、環境に力をいれること。
そしてリニア、三遠南信自動車道が開通する数年後を見据え、まちづくり計画に力をいれることを中心に進めて参ります。
人口は残念ながら年平均70~80人の減少であり、今までの交流人口増加による戦略や定住プロモーションでは即効性がない状況から、例えば「ふるさと奨学金返還支援事業」として、奨学金を利用している学生が地元に就職すれば返還の一部を村で負担する、県下でもあまり例のない制度や、寄付頂いた空き家を村で改修し、賃貸で住んでもらう事業、そして、子育て支援に力を入れている阿智村の施策をもっと全面的に打ち出し、ウェブサイトをもっと工夫しPRしていきたいと思っています。
全ての政策が人口増または維持につながるよう村民一丸となって取り組んでいきたいと考えます。

環境では、環境関係条例を整備し、地球温暖化対策実行計画やCo2削減のため、Ev車の充電設備や光害対策防犯灯設置など力を入れて参ります。
又、まちづくではリニア新時代を迎えるにあたり、以前より検討委員会で協議し、パブリックコメント等を実施してきた「昼神温泉リニア新時代構想」等を、さらに議論を深め、村の他の施設計画と合わせスケジュール感をもって検討して参ります。
そして、既にプレイベントが始まっていますが昼神温泉出湯50周年の記念すべき年となります。11月26日いい風呂の日には、村全体でお祝いし、昼神温泉の歴史を学び、地域の誇りとしてさらに愛する温泉郷として、皆さんで楽しんで頂きたいと思っています。
このイベントも含め、本年は阿智の夏祭りや、運動会、地域のお祭り、文化祭などコロナ前の賑やかな行事イベントができることを願い、総予算58億7千9百万円を計上させて頂きました。

「くらし・いきがい・協働」

定住関係では、これまでに作成してきた阿智家族チャンネルでの定住プロモーション動画を継続などインターネットを通じた情報の発信、南信州広域連合やふるさと回帰センターなどと協力して首都圏、中京圏への広報活動、住宅新増改築等支援金の活用など、定住施策に前向きに取り組みます。
又、民間会社や個人の方が、賃貸住宅を建設した場合の建設費用に補助金を支援する事業も行っています。空家の利活用も積極的に行い、地域で活動する皆さんへの補助制度を新規で立ち上げますし、集落維持のために草刈り機の貸し出し事業など行います。
マイナンバーカードの申請率は現在73%ですがさらに力を入れ、改めて申しますと、くらしの中でさらに便利になる点としては、住民票、印鑑証明等の発行が全国のコンビニエンスストアで対応できます。飯田勤めの方や、ふるさとを離れて暮らす方にとっては便利になりますので、よろしくお願い致します。
又、男女共同参画の取り組みを推進し、庁舎内の横の連携と、企業や様々な団体にも働きかけて参ります。
そして地域おこし協力隊を積極的に登用し外から見た阿智村のよさを引き出し、地域に活力を与えてくれる事を期待します。ふるさと納税事業も工夫したサイトと返礼品で事業拡大します。

主な事業と予算  

・定住促進情報発信事業           392万円
・定住促進のための住宅新増改築等支援金  1,500万円
・空き家を活用した住宅整備        1,610万円
・ふるさと奨学金返還支援補助金       270万円 
・地域おこし協力隊事業          4,261万円
・自治会活動支援金            2,140万円
・CATV運営事業              6,994万円

「教育・文化・地域愛」

子供達が阿智村を愛し、進学や就職で離れることがあっても、いつかはふるさとに帰って来てくれる為、なんといっても教育は大切であります。
5年度は子育て世帯を包括的に支援する国の方針により「こども家庭センター」設置に向けて準備していきます。
保育園では保護者の皆さんとの子どもの連絡を効率よくネットでできる保育園システムを導入し、又、今まで家に持ち帰っていた紙おむつを、園で回収する事業を始めます。
小中学校では、給食の食材の値上がりの影響がありますが、牛乳代の半額を村で負担する事で、家庭に負担が及ばないように致します。
そして、LEDやエアコンなど充実した教育環境の整備を行い、算数・数学検定補助や対策講座の開設を行います。
又、引き続き子育て世代包括支援センターや児童家庭相談員の配置による、きめ細やかな相談業務を行います。
今年度も引き続き、キャリア教育やふるさと学習をカリキュラム化して地域を愛し、自然や歴史、地域資源を体験する教育を目指します。

主な事業と予算

・地域子育て支援拠点事業         2,970万円
・放課後児童健全育成事業         3,180万円
・牛乳代補助による学校給食支援         902万円
・保育園システム導入事業            793万円
・おむつ回収事業                81万円
・わたしたちの阿智村自然編編纂事業       256万円

福祉・健康・医療

健康で小さい子供からお年寄りが生きがいを持ち、幸せに暮らすことが何よりも大切です。当村ではあち健康プラン21に沿って、年代別の健康増進、トリプルAサポート事業、特定健診の充実により、村民の健康づくりに邁進しています。
医療体制の充実として、新年度から定額料金でタクシーを使い、村内の医療機関で受診できる体制を取ります。
又、浪合、清内路、伍和の診療所に片道100円で利用できるサービスも始め、往診体制と併せ特に高齢者の皆さんの医療に力を入れて参ります。
そして、がん治療やその副作用で外見の変容が生じている方へ経済的支援「アピアランスケア助成」や、出産子育て応援支援に力を入れ、昨年好評であった健康フェスティバルを開催し、健康の意識向上に努めます。健康福祉施設あり方を検討する保健福祉審議会の中間答申がまとまり、引き続き具体策の検討を進めていきます。

主な事業と予算

・診療所の運営              4,980万円
・地域包括支援センター事業        5,800万円
・高齢者等交通サービス事業           210万円  
・福祉施設等の整備            6,811万円
・各種健診事業等の実施          1,637万円
・予防接種事業              2,455万円
・母子保健事業              1,743万円

産業振興・雇用創出

観光を基軸とした産業振興をめざすため、多くの観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。
阿智昼神観光局の目的の一つに、観光と商工業と農業をつなぐ連携した事業展開ですので、それぞれがうまくかみ合い相乗効果で経済の発展につなげていきたいと考えます。
そのきっかけとしたいのが、本年で昼神温泉出湯50周年記念関連事業です。前述しましたが、特に住民の皆さんが誇りと愛する事を再確認し、子ども達や農商工の皆さんとの企画を考えていますので是非、様々な場面でご参加をお願い致します。
農業では、阿智ブランド、阿智の特色を生かした振興策として、以前から研究してきました「ぶどう」の栽培に取り組みます。
数軒の農家の皆さんが作り始めていますが、産業振興公社が中心となり、生食用、ワイン用を約1ヘクタールをこの春から植え始めます。
数年後に観光産業として阿智のブランドをめざしていきたいと思っています。
そして、12月に中学3年生との懇談の中から提案して頂いた「農業機械・農機具バンク」のしくみを検討します。
使われていない農機具を有効利用するためにも前向きに取り組んでいくつもりです。
又、南信州フォレストパークの事業の一環で、西部地区の若手農業者がまとまり、6次産業商品の開発や、とうもろこしまつりを夏に計画していますので、期待したいと思います。
里山の風景を残す森林事業にはさらに積極的に取り組みます。
森林環境譲与税を活用し、美しい阿智村の里山に力を入れていきます。
里山整備に活動して頂いている皆さんのお陰で、村内の里山が整備されていく実感を思う最近ですが、その皆さんに補助制度の新設や、林道の路網整備や支障木伐採事業を行います。竹や木の粉砕機も購入し、パウダー状態にし土壌改良材等、様々な可能性も探りたいと思います。

主な事業と予算

・観光事業の補助金            11,450万円
・昼神温泉出湯50周年記念事業        3,000万円
・花桃まつり・花桃管理事業          1,350万円
・産業振興公社助成金             3,510万円
・販売を目的とした農産物生産への支援     2,032万円
・森林整備事業                6,390万円
・有害鳥獣対策事業              1,732万円
・商工会事業補助               1,240万円               

環境・防災・安心

環境では、前述の施策に加え、プラスチック製品回収やスマホに情報が入るごみ分別アプリの導入によりごみの適正分別と排出者の利用性向上の促進を図ります。
水道下水道では子供のみでなく大人も自分の飲む水がどこから来るか、どこへ流れるか、しくみなど学習する事で、安心した水のありがたさを感じてもらう事業を行います。又、上下水道共、コンビニ収納の導入を計画します。
道路等の整備では、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから緊急性、重要性等により整備して参ります。特に、老朽化した中央道の上にかかっている伏谷橋撤去の工事を大きく予算計上させて頂いています。
消防団活動では、団員減少の傾向から、待遇等改善によって加入促進を図って参りたいと思います。
団員報酬、出動手当の見直し、訓練内容の改善も消防団と相談しながら検討していきます。
リニア中央新幹線対応では、環境調査委託料を拡充します。新型コロナウィルス関連は、国の助成はなくなりましたが、村費で検査費用助成事業を継続します。

主な事業と予算

・プラスチック製品回収             389万円
・ごみ分別アプリ導入                15万円
・充電インフラ整備                1,982万円
・村道林道の整備               4,779万円
・伏谷橋撤去工事               14,764万円
・新型コロナウィルス検査費用助成事業      335万円
・村内巡回、乗り合いタクシーの運行      3,566万円

以上、令和5年度の主な事業です。
新たな夢に向かった新規事業も多く組み入れさせて頂いている中で、繰り返しになりますが、定住に向けた事業、環境、まちづくり事業等に、重きを置いた予算となっています。
新型コロナウィルスの新たな共存社会の中で、「阿智家族」の精神で、住民が助け合い協力し合って乗り越え、阿智村も新たな輝きを刻んでいきたいと思っています。

議会審議

本議会でご審議いただく案件は、条例案件6件、議会の議決が必要な案件8件、予算案件6件であります。
条例案件につきましては、特別職の職員で消防団員の報酬等に関する条例の一部改正について他5件、上程の都度説明させて頂きます。

予算案件

令和5年度阿智村一般会計及び各特別会計予算の議決をいただくものです。

〈一般会計予算〉

歳入歳出予算総額58億7千9百万円と昨年度当初予算57億7千万円と比較し、1億9百万円の増であります。
歳入については、村税で前年度より44,041千円増の704,303千円、地方交付税は前年度より60,000千円増の2,660,000千円となります。
基金繰り入れは、村道整備等に財政調整基金から487,000千円、えんばなや各小学校の改修工事等に、公共施設整備基金から83,900千円など、前年度より103,331千円の増となり、繰り入れ総額は703,714千円となります。
 歳出については、先ほど主な事業について申し上げましたので、内容については「事業等計画書」を参考にしていただきたいと思います。

〈特別会計〉

阿智村国民健康保険事業特別会計は、事業勘定で歳入歳出総額465,900千円、直営診療所勘定で歳入歳出総額49,800千円
阿智村介護保険特別会計は、  歳入歳出総額863,800千円
阿智村後期高齢者医療特別会計は、歳入歳出総額78,900千円
阿智村水道事業会計は、収入(収益的収入、資本的収入)予算総額311,640千円
阿智村下水道事業会計は、収入(収益的収入、資本的収入)予算総額571,374千円

以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

 (おわりに)

南信州では昨年12月22日、リニア長野県駅の起工式が行われ、リニア中央新幹線工事の動きが一歩ずつではありますが進んでいます。村内では、清内路地区において斜坑及び本線のトンネル掘削工事が計画されていますが、これに先立ち、資機材の運搬経路として利用される村道1-20号線の改良工事が進んでいます。
また、JRからは、昨年5月に発生土置き場の候補地として、斜坑近くのクララ沢を提示されたわけですが、地形、地質、工事方法、安全性についてリニア対策委員会の皆様を中心に専門家や、県などと慎重な論議を重ねてきました。
3月2日には実際に現地調査にも入って頂いた岐阜大学の地盤工学専門教授の沢田和秀先生をお迎えして、学習会と懇談会を行いました。それらの経過を経て、15日には村主催の住民説明会を開催する予定です。
村としては、今まで通り住民の皆さんに寄り添い、リニア対策委員会の皆さんの意見を聞きながら、これらに着実に対応すると共に、地域住民の生活への影響を極力排除することと、何より将来的な安全性が担保できるように引き続き取り組んで参ります。
そんな中で、県議会議員選挙も約1か月後に迫り、飯田下伊那地区の各陣営も活発化してきており、今後4年間の県政を占う大切な選挙となります。当村として前回よりも投票率アップをめざし、広報して参りたいと思います。
最後に、今まで要望活動を積極的に行ってきた「飯田南道路」が事業化になる見込みの情報を頂いており、一気に工事が進んでいく事になりそうです。阿智村にとっては、飯田方面への通勤通学の渋滞緩和、リニア駅へのアクセス道路として永年の悲願でありました。この事を含め、南信州全体がリニアや三遠南信自動車道開通や大学誘致の明るい未来に期待を込めつつ、我が村が、輝く自治体として一人ひとりが元気と知恵を出して、素晴らしい阿智村をめざすために、多くの村民の方のご意見を頂きながら、令和5年度もどうぞよろしくお願いいたします。

以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。よろしくお願いいたします。