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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和4年9月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年9月6日更新

はじめに

9月議会定例会開会にあたり一言ごあいさつを申し上げます。

9月になり暑い夏も終わり、特に朝夕は涼しい季節を迎えました。
今年の夏は、昨年のお盆期間中に豪雨災害があり雨天が続いた事に比べれば、過ごしやすかったと思いますが、8月になり第7波のコロナ感染者が多く、県も行動制限なしのレベル6を発出し、その影響もあり、お盆の行事が中止になるなど、今年も少し寂しいお盆でした。
これから長雨や台風の時期で農作物への影響も心配されますが、田んぼも色づき始めると一気に秋だと感じます。

8月28日には防災の日数日前に、震度5弱の災害が起きたと想定して、村内一斉に防災訓練を実施致し、コロナ禍で3年ぶりの開催とあって、安否確認を中心に各地区でコロナ対策の面で工夫して実施して頂きました。
近年はゲリラ豪雨や地震、噴火などいつ災害が起きるかわかりません。
行政が万が一機能しなくなった時の自主防災組織のあり方や、具体的な動きなど是非、各自治会でも体制を整えて頂きたいと思っています。

この夏は当村にとってうれしいニュースがありました。
この度、長野県交通安全運動推進本部から、死亡事故がない連続日数2,000日。
当村としては最長記録を達成し、表彰状を頂きました。観光客が多い地域としてのこの記録は大変名誉な事であり、村民の皆さんや特に安協の皆さんの活動のおかげと感謝致します。

もうひとつは、6年前の村制60周年記念事業として行った、全国ラジオ体操以来、毎日広報無線で放送を事業所やご家庭に流し、健康作りに取り組んでいる姿が認められ、かんぽ生命他2者から表彰状を頂きました。引き続き健康のため、取り組んでいければと思っています。

世界ではまだ続くロシアのウクライナへの侵攻、国内ではコロナ禍の事、安倍元首相の襲撃から浮上した旧統一教会の問題など、安定しない日々が続いています。早く平和な、安心した世の中を期待するばかりです。

(村の状況)

この9月議会では令和3年度の決算がまとまりましたので、議会中に報告させて頂くことになっています。
昨年は、コロナワクチンの本格的接種が始まり、その対応の費用や経済対策の各給付金の対応により、歳出の中の民生費を大きく計上し、インフラとしては、防災行政無線操作卓改修、分譲住宅造成工事、第二幸寿苑改修工事、阿智第1小学校体育館屋根の整備などさせて頂きました。
他に放課後子供教室の開設、マイナンバーカード交付強化、あち健康プラン21の策定、50%のプレミアム商品券のを売、そして村内の森林整備にNPO法人あち森が立ち上がり、その他にも里山を整備する団体の活動もさかんになり、村が徐々にきれいになっていく事がうれしく思います。

基金は令和2年度末が69億1,663万円、3年度末が70億2,584万円、借金を表す村債が令和2年度末が30億5,724万円、3年度末が30億5,968万円であり、財政のも全化を見る指標については、経常収支比率は75.7%、実質公債比率は、0.1%となり、債務よりも年々基金が多くなってきていることで、今のところ健全な体制が維持できています。

しかし地方交付税は年々減少、少子高齢化により税収の減、社会保障費の増など全国共通の悩みをかかえていますので、将来を見据え安定した村政が運営できるよう精進して参るつもりです。

さて、今年の夏はコロナの影響で長野県内はレベル6に引き上げられたものの、規制緩和のないお盆で、帰省客も多く観光客も来て頂きました。
しかし、例年の恒例行事、阿智の夏まつりの中止、お盆中の各地区での行事、祭りも中止され寂しい夏でありました。

昼神温泉を中心とする観光業は、7、8月はコロナ禍第7波で心配されましたが、行動制限がなくなった事で満館とはいかないまでも昨年比1・5倍と好調で、阿智昼神観光局によると、星空ツアーの影響はやはり大きく、完全予約制にした効果で、安定したお客様の確保ができました。
5周年を迎えた「浪合パーク」との相乗効果で、ヘブンスに入れなかった方や、アカデミックに見たい方、団体の皆様の学習にと効果が出ています。
ただコロナ前と比べると7割程度ですが、村内のキャンプ場や登山は今年も大盛況で、やはりアウトドアブームの効果は大きく、星空日本一の村としての定着を感じさせられた夏でした。
民間参入ではありますが、グランピング施設も2か所でオープンされ、いずれも好調のようです。

9月から昼神温泉出湯50周年の記念事業第1弾として、村民の皆様全員に温泉施設10か所をめぐる事ができる無料入浴券をお配りし、日頃の感謝と、昼神温泉の施設や温泉効能のよさを改めて知ってもらい、歴史を振り返り、村にとって昼神温泉が果たす役割を感じて頂きたいと思っています。
先日、50周年記念実行委員会を作り、1年間かけ事業などを行っていく予定です。

8月5日に第7波のコロナ禍等での緊急経済対策会議を開き、それぞれの業界の皆さんから状況をお聞きし、ロシアのウクライナ侵攻による原油高騰の影響により、相変わらず資材、飼料等の高騰により、建築関係等の値段や納期に影響がでて、特に農業の皆さんにとっては影響が大きく、厳しい経営を余儀なくされていることから、村では今回の補正予算に畜産農家や農業者への飼料、肥料補助金を計上させて頂きました。後ほど詳しくお話させて頂きます。

8月23日には製造業の皆さんと懇談させて頂き、仕事は順調にあるものの原油高騰により、元請け会社の都合により予定通り仕事が組めない状況との事。又、人材不足はどの会社も深刻で、ハローワーク以外の村内の情報網を使って求人を心掛けたり、将来の子供たちの地元就職に向けて、今年も引き続き中学生のキャリア教育の充実をお願いしたいとの旨でした。
コロナ感染者の対応に苦慮している企業も多く、商工会さんと協力して検討して参ります。

全村民の皆さんへのコロナ感染対策や、物価高騰の対策として、8月上旬には一人に15,000円の阿智家族商品券の配布を完了させて頂きました。
期限は来年1月31日となっています。プレミアム商品券と共に、家計の支援と合わせて村の経済活性化にご協力頂き、使い切って頂くようご利用ください。

この程、今年度の事業計画にもありました「阿智村ふるさと奨学金返還支援事業」の要綱が固まり、今後就職を予定される学生や、既に就職している皆さん約750名に、案内はがきを送らせて頂きました。
令和5年度から、若者の移住定住の促進及び地域産業の担い手となる人材の確保を図るため、奨学金返還を支援するものです。奨学金を利用して大学等に行き、地元に帰ってきて就職すれば、対象経費の2分の1以内、年度内に18万円を限度に補助するものです。
是非、この制度を利用して多くの若者にUターンして地域を支えていってもらいたいと願います。  

9月3日には男女共同参画基本計画が策定されて、初めてのキックオフ学習会が開催されました。
この計画の概要を確認するとともに、専門家から男女共同参画に取り組む必要性や、今回策定した計画の特徴について話を聞きました。
このような学習会や議論を重ねていく中で、阿智村らしい男女共同参画のあり方を探っていきたいと思います。

診療所関係では、9月より外出が困難な身体状況の方を対象に、医師が定期的に訪問し、診療する「訪問診療」が始まりました。
診療所の羽生医師と看護師により、火曜日と木曜日の午後、全村を対象に訪問致します。ご家族との事前面談により治療内容や日程の調整をさせて頂きます。
以前より住民からの要望として出ていた事から、長い計画段階からの実現に大変うれしく思っています。村民の方の命と健康を守るため、診療所の訪問医療体制が整いました。

その他、今回の国保特別会計直営診療所会計補正予算に、浪合、清内路地区に限り、タクシーを利用した浪合、清内路診療所への移動手段として、100円で利用できるモデル事業を計上させて頂きました。詳しくは後程説明致します。

8月24日には、村の親善大使のサンリオキャラクター、キキララのデザインの婚姻届と出生届の完成発表をおこない、5年前に星のデザインの婚姻届を発表し、村内外多くの方にご利用頂きましたが、今回はデザインをリニューアルし、プラス出生届も作成させて頂きました。
恋人の聖地でもある阿智村は、星空の下でプロポーズされた方の事例もあり、多くの若者の定住、人口増に繋がればと願います。

リニア中央新幹線工事については、住民生活等への影響軽減のため、地権者や自治会を中心とした清内路地区の皆さんや村の対策委員会等で、協議を頂いてきた中で、この7月に清内路地区住民へのクララ沢発生土置き場の説明や、村道1-20号線の道路改良案が具体的に示されました。
村としては、専門家の意見を聞く中で、村独自のご意見を聞く会を開かせて頂きましたが、安心安全に工事が進むよう、さらなる丁寧な話し合いや、意見を頂く場を設け、場合よっては説明を事業者に求めていきます。その為、リニア対策室の体制を早急に整えるつもりです。

国や県に対して、7月は南信州広域連合や道路の期成同盟会として様々な要望活動も行って参りました。
飯田南バイパスの要望も熱が入って参りましたし、国道153、256号線、県道の改良工事や治水対策など、設備ができて経年劣化しており、メンテナンスの重要性もあり、私たちの生活の安全のために、今後も引き続き要望をして参りたいと思います。

(上程議案)

本議会においてご審議頂く案件は、人事案件3件、事件案件1件、決算案件7件、予算案件4件、報告事項1件。

人事案件3件

阿智村教育長と委員2名の方について、任期満了に伴う任命に関する同意。

決算案件7件

決算案件

令和3年度阿智村一般会計及び各特別会計決算の承認。

一般会計決算

歳入合計6,245,500,723円、歳出合計5,792,100,639円、歳入歳出差引額453,400,084円、翌年度への繰り越し財源173,782,000円を差し引いた実質残額は、279,618,084円。

「歳入」村税675,672千円 昨年より8月2日%減、地方交付税は2,929,441千円と昨年より8月2日%増

「歳出」冒頭で述べた通り。

特別会計決算

詳細については上程の都度詳しく説明。

予算案件 一般、特別ともに補正予算

一般会計補正予算第2号は、既定の歳入歳出予算に歳入歳出それぞれ423,336千円を追加し歳入歳出総額6,301,441千円。

歳出の主なもの

「一般会計」

 ・マイナポイント窓口支援委託料               

 ・ふるさと納税中間事業者委託料         

 ・浪合駐車場工事増工分            

 ・高齢者生きがいセンター駐車場工事        

 ・あふち、智里東保育園改修工事                

 ・肥料価格高騰緊急支援事業補助金         

 ・畜産経営緊急対策事業補助金           

 ・林道維持修繕工事            

 ・村道維持補修工事         

 ・伏谷橋撤去に伴う代替道路整備                

 ・伏谷橋撤去工事委託料                  

 ・前年度繰越金の2分の1を財政調整基金に積立   

 ・固定資産税返還金       

「国保健康保険特別会計」

 ・診療所タクシー送迎委託料
 特に、今回のコロナ第7波や原油高騰などにより、緊急経済対策として、農業者や畜産業者が特に厳しい状況の中から、肥料価格高騰緊急支援事業補助金及び畜産経営緊急対策事業補助金  
 の補正予算をお願いするものであります。
 農業者へは肥料の高騰により、7月から12月末までに納品された肥料代の4分の1を10万円、認定農業者は20万円を限度に補助させて頂く予定です。
 畜産農家には、家畜飼料の高騰により、牛1頭あたり5,000円を補助させて頂きます。これにより、なんとかこの厳しい状況を乗り切って頂きたいと願います。

固定資産税返還金

過去に課税誤りがあった為、返還するものです。以後、このようなミスのないよう徹底して参りたいと思います。申し訳ございませんでした。

特別会計の国保健康保険特別会計

浪合、清内路診療所に通う交通弱者の方を対象として、タクシーを貸し切る費用を計上しました。
自宅から診療所の往復を支援するため、片道を100円の料金設定で利用できるようにする事業として、まずは月1回モデルとして実施してみたいと思いますので、よろしくお願い致します。

以上、ご審議いただく案件についてご説明いたしました。詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

(おわりに)

甘くて人気のある今やブランドの浪合のトウモロコシですが、毎年猿の被害で大きな損失があり問題となっていました。
浪合の地域おこし協力隊員の発案と、自治会が一緒になって、猿を追い払うパトロールと、スマホのアプリを使った目撃情報により猿の位置を共有し追い払う事で、今年見事に猿の被害が減り、防護柵の設置も行ったことで画期的にトウモロコシの出荷量が増え、大変大きな成果を得ました。

自治会長さんの話によると、地域をあげて猿を追い払う意識が高まり、それが地域の結束につながり、農家の皆さんからも感謝され、いい関係が結ばれたようであります。この取り組みは、鳥獣対策のモデルとして各方面から注目されています。

9月3日には、南信州広域連合の伝統芸能継承事業、清内路の花火のシンポジウムが開催されました。
平成29年度から約3年間、清内路花火の歴史を振り返り、映像や資料として記録を残すことで、後世にしっかり伝えていく事業が行われてきた中で、一昨年発表会をする予定でしたがコロナで延期され、2年遅れの開催でした。最新技術の映像により、準備から始まり当日の迫力ある花火の様子が放映され、上清内路煙火同志会、下清内路煙火有志会の責任者の発表、いかに後世に伝えていくか、花火を中心とした地域の魅力を感じさせて頂きました。
今後、ケーブルテレビ放映を行いますので、是非多くの方にご覧頂きたいと思います。今年の花火は上清内路が10月6日、下清内路が10月15日の予定です。

以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。
みなさんと共に住みたい地域、夢のある地域に向かって、いい村作りにまい進していきますようご尽力をお願いして9月定例議会のあいさつと致します。