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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和4年3月4日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月4日更新

はじめに

今年の冬は雪が多く寒い日々が続き、3月になったのに春はまだ遠く感じます。加えて、コロナ禍の状況が依然として厳しく、3月6日まで長野県もまん延防止等重点措置が出されています。

世界に目を向けますとロシアのウクライナへの侵攻により連日痛ましい映像が流れてきています。欧米国の対応、それに関する日本の対応、そして世界各国の立場など様々な思惑の中で、なんとか話し合いで解決できないかと思うところです。私たちは当たり前に平和に暮らしている尊さを改めて実感し、1日でも早く平和な世の中が来るのを願います。
さて、この度の任期満了に伴う阿智村長選挙におきまして、3期目の重責を担わせて頂くことになりました。就任後初めての議会ですので、この場をお借りして、これまで8年間私を支え導いて下さいました村民の皆さんに心より感謝申し上げますと共に、次の4年間もこれまで同様のご理解ご協力をお願い申し上げます。初心を忘れることなく、阿智村の発展のために尽くして参りたいと存じます。
行政の最大の使命は、住民の皆様の幸せな暮らしを実現することにあります。そのために何ができるか、愛する阿智村のために、そして未来の子供たちのために何を残してあげられるかを常に念頭に置いて、誠心誠意職務に励んで参る覚悟であります。
3期目に入っても、住民の目線に立った村政を心がけたいと思っています。子供からお年寄りの目線で、様々な立場から意見を聞き、皆で助け合い、励ましあい、誰一人孤独にしない将来像「阿智家族」の想いで、心温まる、清々しい村づくりを進めて参りたいと思っています。
私が選挙公約で村民の皆さんに訴えてきた事について、令和4年度事業計画に早速反映させて頂いていますが、まずは大切な命、安心なくらし、経済を守るため、コロナ対策に全力をあげて取組みます。3回目のワクチン接種は既に順次ご案内させて頂いていますし、事業所への経済対策など、今後具体的に村として対応して参りますので、村全体でお互いに情報共有し、格段のご協力を頂きますようお願い申し上げます。又、安心した訪問医療体制も確立し、福祉や、社会保障制度をさらに充実して参ります。
そして、少子高齢化、人口減少は我が村にとっても大きな悩みの一つです。自立し輝き続ける阿智村であるために、人を育てる、人財育成に力を入れて参ります。子供を産み、育てやすい環境の整備に注力して参りたいと思っていますし、村の皆さん全員で子供がいい事をしたら褒めて挙げて、悪いことをしたら注意し、将来この地域を支えてくれるような大人になるよう、育てて頂きたいと思っています。コロナの中でのIct教育、歴史や地域資源を大事にするふるさと教育や、キャリア教育など、成長し、若者達が活躍できる場、それらが幅広い世代への波及効果となるよう期待したいものです。
そして、産業の活性化、日本一の星空、花桃、昼神温泉の阿智ブランドにさらに磨きをかけるために、農林業を基盤に、観光を機軸に、農商工観林全てが連携して、産業創出、雇用の確保に努めて参りたいと思います。商工会、阿智昼神観光局、産業振興公社、JA、森林組合と実動の組織がありますし、特に林業では住民の手でなんとかしたいという動きも活発になってきており、NPO法人が立ち上がり新たな光も見え始めています。
主な重点施策のみ述べましたがその中で、これから将来、リニア中央新幹線や三遠南信自動車道開通を見据え、阿智村が全国的にも誇れるような環境の素晴らしい美しい村を目指し、各地域のまちづくりにも具体的に取り組み、定住に繋がる人も地域も星も輝く村をめざして参りたいと思っています。

これからの時代はまさに伊那谷や阿智村にとって激動の時。過去の慣例、手法にとらわれていては前に進めません。村を取り巻く変革の風を的確に読み取り、高速交通網時代を迎える新しい地域づくり、そして行政、議会、住民の英知を結集した阿智村実現のために、全身全霊頑張って参ります。

村民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、まずは3期目就任のごあいさつをさせて頂きました。改めてよろしくお願い申し上げます。

令和4年度重点施策について 

第6次基本構想の横断的な施策大綱を確認しますと「定住人口の確保、維持」「人づくり、健康づくり、地域力」「阿智ブランドの確立」「まちづくり計画」の4本の柱で、基本目標、大綱それぞれの仕事の中で、どれにも共通する横断的な事業を展開して参ります。

令和4年度は特に3つの点について力を入れて参ります。
1つ目が「コロナ禍の命、生活、経済を守る」です。
村民の皆さんの命を守るために、3回目のワクチン接種の対応を確実にさせて頂きます。又、水際対策のためにコロナ感染簡易キットの全村民無料配布や、マスク等コロナ感染対策備品を購入頂くために、1人5,000円の商品券を配布させて頂く予定です。
経済面では、昨年に引き続き、プレミアム率50%の商品券事業、制度資金の利子補給、コロナ禍の中でも新ビジネスを展開してもらうよう、新スタイル事業補助金を実施します。他にも、Pcr検査等の全額補助、ケーブルテレビ等のメディアを利用し、コロナ対策の健康や村の歴史等の番組を製作して参ります。

2つ目が「人財育成・定住人口の確保」です。
まず若者に故郷へ帰ってきてこの地域を担ってもらえるきっかけ作りとして、南信州の事業所に勤めて阿智村に定住した場合に、奨学金の返済を一部村で負担する制度を創設します。
又、ハザードマップの指定などにより、住宅建設が困難な場所では、空き家を無料で提供頂き、村で改修し村営住宅として活用するというシステムを検討しています。
阿智家族チャンネルの動画シリーズも20本となり、再生回数は10万回を超え、多くの方に阿智村のPRをさせて頂いています。若者が村の様々な事に参加する機会を作りながら、計画的な住宅計画、充実した補助制度も多く揃えてありますので、しっかり取り組んで参ります。

3つ目が「後期5ヵ年計画・まちづくり」です。
本年は10年間の第6次総合計画前期の最終年であり、1年間かけて後期5ヵ年の計画作りを行って参ります。コロナで計画変更を余儀なくされた前期を修正し、そして多くの村民の方に村の将来を考えて頂くきっかけになるよう取組んで参ります。
そして、リニア中央新幹線開業後の昼神温泉の姿を描く「昼神温泉リニア新時代構想」の具体的計画を引き続き進めて参ります。多くの方からの意見を踏まえ、たたき台ではリニア駅、或いは周辺観光地や村内各地とのアクセスの確保、歩いて楽しめる賑わいや魅力の創出、環境や防災の配慮など、世界に誇れる温泉地を想像し、観光客はもとより、村民の皆様にも広く親しんで頂ける環境を整えていく内容となっていますので、今後詳細を詰めて参る所存です。

又、わいわい公園周辺整備計画では、検討委員会で意見を頂き、令和3年度に基本設計を行いましたので、4年度は詳細設計に入る予定です。特に利用される若い皆さんの意見をお聞きしたく3月末に説明会も開催予定ですのでよろしくお願いいたします。
この後、各項目につきまして部門別に想いと具体的事業、新規事業を中心に説明いたします。

「くらし・いきがい・協働」

定住関係では、定住プローモーション動画をさらに活かし、南信州広域連合と協力して首都圏、中京圏への広報活動、伍和に村営住宅を計画準備、中関の宅地造成が終わり分譲を行って参ります。HPの充実、住宅新増改築等支援金などさらに阿智村は定住に前向きに取り組みます。
集落維持支援補助事業では、集会所等の机や椅子等の備品整備補助制度を新設します。ふるさと交流事業では、若者の交流出会いの場となるように3学年合同の世代間同窓会を企画したいと考えています。

男女共同参画計画も策定し令和4年度が活動していく大切な年となります。
全村博物館構想、熊谷元一写真コンクールなど、地域の魅力を伝える事業を本年も取組んで参ります。          
又、地域の魅力発信と財政の安定のため、ふるさと納税制度にも力を入れ、アクセスサイトを増やしたり、魅力ある返礼品の工夫も行なって参ります。

主な事業と予算は
 集落維持支援補助事業               200万円
 集落支援員事業(定住支援 他)      1,667万円
 定住促進のための住宅新増改築等支援金   1,500万円
 自治会活動支援金             2,161万円
 CATV工事請負費              6,220万円
 ふるさと納税制度の活用              1,603万円

「教育・文化・地域愛」

子供達に住み続けてもらい、将来Uターンで定住してもらう為、そして子供達がふるさとに帰って来てくれる為、なんといっても教育は大切であります。未満児の対応や、全小中学校に村費特別支援教育支援員配置、放課後学習などきめ細やかな教育を展開します。
普段の学業にプラス、ふるさと学習をカリキュラム化して地域を愛し、自然や歴史、地域資源を体験する教育を目指します。

主な事業と予算は
 Ict機器の整備によるオンライン授業    1,282万円
 特別支援教育支援員増配           1,685万円
 地域食材の日拡充事業             605万円
 智里東保育園未満児棟増築工事他       3,499万円
 阿智中学校体育館駐車場舗装工事        600万円 

「福祉・健康・医療」

健康で小さい子供からお年寄りが生きがいを持ち、幸せに暮らすことが何よりも大切です。当村では第2期あち健康プラン21に沿って、年代別の健康増進、トリプルAサポート事業、各種健診や介護予防事業の充実により、村民の健康づくりに邁進しています。
コロナ対応の他に新規では、診療所の訪問診療、往診体制の充実を図ります。又、村の福祉施設のあり方の検討委員会を立ち上げ、将来の方向性について意見を頂きます。湯ったりーな昼神での健康フェスティバルや、補聴器購入費、新生児聴覚検査補助事業など行います。

主な事業と予算は
 村営診療所運営事業             5,820万円
 福祉施設等の整備              2,022万円
 コロナ対策臨時福祉給付事業         3,200万円
 障がい者、高齢者補聴器購入補助        30万円
 家族健康フェスティバル            100万円
 新生児聴覚検査補助              42万円

「産業振興・雇用創出」

観光を機軸とした産業振興をめざすため、年間130万人が訪れる観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。
本年は昼神温泉出湯50周年であり、歴史を振り返り、村に昼神温泉が果たしてきた役割、住民の憩いの場、そして健康福祉の場として改めて考えるきっかけとしたいと思います。
農林業は村の基盤産業として位置づけしています。これ以上遊休農地が増えないように、農地有効利用相談員を配置し、利用してくれる人へのコーディネートなどに取り組んでいます。振興策として農業機械を購入した際に補助金を出す事業を新設し、又、米を中心に地産地消のため、保管倉庫の増設を行います。ふるさと納税に対応するよう阿智野菜の定期便も考えて参ります。
林業では森林整備にさらに力を入れて参ります。住民の団体やNPO法人あち森の皆さんの活動もあり、美しい里山作りのため、森林造成推進事業を行います。商工業も商工会としっかり連携し、商工会への補助金や地元業者が潤う住宅リフォーム事業など支援して参ります。

主な事業と予算は
 観光事業の補助金             1億1,450万円
 昼神温泉出湯50周年記念事業           100万円
 運動公園周辺整備計画            1,231万円
 産業振興公社助成金             2,657万円
 農業機械購入補助               200万円
   森林整備事業                4,081万円
   森林資源利活用推進事業            700万円
   商工業者経営支援、振興事業         1,240万円

「環境・防災・安心」

私達が安心して暮らすために、大変重要な位置づけであり、まずは美しい景観の保全の創出として、子供からお年寄りまで地域一丸となって環境保全の取組を一緒に考え支援して参ります。
昨年12月に行われた中学3年生との語る会で提案された、光害対策ソーラー外灯の設置を試作機ではありますが設置し、星が見える外路灯として注目されると考えます。
そして、道路等の整備では、中央道にかかる伏谷橋の撤去など、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから整備して参りたいと思っています。又、消防団員の確保のため団員報酬の増額や、災害時出場手当の創設も行いたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。

主な事業と予算は 
   家庭ごみ等収集処理              1億2,745万円
   光害対策ソーラー外灯設置                   60万円
   村道林道の整備                 9,940万円
   伏谷橋撤去工事委託            1億9,400万円
   消防団員の待遇等改善の取り組み       3,223万円
   村内巡回、西部コミュニティバスの運行      3,717万円
   リニア環境調査委託料             564万円

以上、令和4年度の主な事業です。第6次総合計画の前期最終年となります。コロナ禍の厳しい中で、新たな新規事業も多く組み入れさせて頂きました。
昨年度は事業を見直し先送りさせて頂いた中で、例年並みの予算規模として将来を見据えた予算となります。よろしくお願い申し上げます。

(議会審議)

本議会でご審議いただく案件は、報告案件3件、人事案件3件、条例案件7件、予算案件6件、その他議会の議決を要する案件2件であります。
報告案件は、専決第3号、令和3年度阿智村一般会計補正予算第8号について承認をお願いするものです。既定の歳入歳出予算総額に46,050千円を追加し、歳入歳出予算総額を6,236,837千円としたもので、コロナ関連の臨時福祉給付事業、緊急経済対策事業及び除雪業務に関する道路維持経費を執行したものであります。

人事案件は、阿智村副村長の選任に関する同意をお願いするものであります。又、任期の満了に伴う人権擁護委員候補者の推薦についてであります。
条例案件のうち、阿智村下水道事業の設置と特別会計条例の一部を改正する条例の制定については下水道事業の公営企業会計移行に伴うものです。
職員の育児休暇休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定については非常勤職員の育児休業、介護休暇等の取得要件の緩和及び育児休暇を取得しやすい勤務環境の整備を行うものです。
阿智村特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、消防団員確保のための一施策として、団員待遇の改善のための年報酬を増額するものです。
阿智村ふるさとづくり寄付金条例の一部を改正する条例の制定は、条文の見直しにより改正するものです。
阿智村温泉事業条例の一部を改正する条例の制定は、新型コロナウィルス蔓延による緊急経済対策のため温泉使用料等の免除を延期するものです。
阿智村水道事業給水条例の一部を改正する条例の制定は、民法改正により、遅延損害金の法定利率が改正されたため合わせるものです。

予算案件は、令和4年度阿智村一般会計及び各特別会計予算及び、公営企業会計予算の議決をいただくものです。
令和4年度阿智村一般会計予算は、歳入歳出予算総額57億7千万円と昨年度当初予算52億8千500万円と比較し、4億8千500万円の増であります。
歳入については、村税で前年度より68,527千円増の660,262千円、地方交付税は前年度より100,000千円増の2,600,000千円。
村債は、道路改良修繕事業、橋梁修繕事業、清内路振興室サブヘッドエンド移設等に236,300千円、臨時財政対策債は前年度と同額の60,000千円、合計で前年度より6,800千円減の296,300千円となります。
基金繰り入れは、巡回バス購入や産業振興公社倉庫建設等に、ふるさとづくり基金から59,050千円、智里東保育園未満児室増築や第二幸寿苑駐車場舗装等に公共施設整備基金から125,500千円などとなります。
歳出については、先ほど主な事業について申し上げましたので、内容については「事業等計画書」を参考にして頂きたいと思います。

次に特別会計ですが、
阿智村国民健康保険事業特別会計は、事業勘定で歳入歳出総額503,800千円
直営診療所勘定で歳入歳出総額58,200千円
阿智村介護保険特別会計予算は、 歳入歳出予算総額885,800千円
阿智村後期高齢者医療特別会計は、歳入歳出予算総額 79,500千円
阿智村水道事業会計は、歳入(事業収益、資本的収入) 予算総額293,854千円
阿智村下水道事業会計は、歳入(事業収益、資本的収入)予算総額556,884千円

この他、職員や特別職の給与に関する条例、令和3年度各会計の補正予算等について追加日程でご審議いただくことになります。
以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

(おわりに)
審議頂く人事案件の中で副村長の案件がございました。
平成30年2月より1期4年間お勤めいただいた、牛山明彦副村長が2月17日、任期満了をもって退任となりました。役場職員時代から含めて、阿智村の発展のために多大なるご功績を賜りましたことに、深く感謝いたします。ありがとうございました。
さて、今から5年前、第6次総合計画を1年間かけ、多くの皆様からご意見を聞く中で策定して参りました。その時の資料を紐解きますと、住民の皆様へのアンケートの中で「重要度は高いが満足していない項目」の中で、「公共交通の利便性」「医療体制の充実」「働く場所がない」「遊休農地対策」など、阿智村の弱みが露呈されました。もちろん当村の強みもあり「自然環境の豊かさ」「観光資源豊富」「健康指導や健診の充実」「上下水道の整備」など多くありますが、冒頭にも述べましたように、これから第6次総合計画後期計画を練って参ります。特に、強みを伸ばし、弱みの対策がこの5年間でできたかどうかを重点に視点を置きたいと考えます。
この5年の間に、交通弱者の対応のため乗合タクシーの事業、それと医療体制の充実は、浪合、清内路、伍和の診療所の医師の確保、そして4月からは往診体制も充実して下さる予定になっています。今後は安定した体制構築の必要性が求められます。遊休農地対策は、5年前全農地面積の約20%だったのが、そのまま今も同じ割合で食い止めており、専門の支援員を置きコーディネートした結果です。他にも数字的には人口は6,756人から6,274人、高齢化率は32.1%から34.0%、人口減少は常に課題であります。
時代は常に動いています。地方創生による人口や地域活力の問題、少子高齢化、地方との格差などこれから取り組むべき問題も多くあります。そんな時、我が村が、輝く自治体として一人ひとりが元気と知恵を出して、皆で助け合い「阿智家族」の将来像の元、素晴らしい阿智村をめざしたいと思っています。

以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。