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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和3年12月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年12月8日更新

はじめに

12月議会定例会に際しまして一言ごあいさつ申し上げます。

いよいよ今年もあと1ヶ月となり、師走の大変寒く忙しい時期となりました。
コロナ感染者も10月以降は全国的に減少傾向にあり、県内においても感染者ゼロの状況が続き、当村でも11月6日を最後に、コロナワクチン集団接種を終了させて頂き、約9割の方が2回目のワクチン接種を終えました。
徐々に、行事やイベントも行えるようになり、11月13、14日には村民の皆さんの作品の展示やステージ発表で楽しんで頂いた阿智祭、密を避ける新しい方式の第52回阿智村駅伝大会、村政功労表彰式、熊谷元一写真賞コンクール表彰式、伝統の清内路花火、駒場マルシェなど、久しぶりに地域のコミュニティの場が復活し、皆さんがそれぞれの会場で元気で活躍する姿を見て大変うれしく思いました。

さて、国政においては、衆議院議員総選挙が10月31日に行われ、国民の審判が下されました。自公連立が定数の過半数を超え、引き続き政権を担うことになりましたが、岸田内閣の「コロナ感染症から命と暮らしを守る政策」「新しい経済のかたちを生み出す成長と分配を柱とした政策」「子育てへの不安に応える抜本的な政策」など争点はいくつかあり各政党論議が及びました。当村の投票率は70.24%であり、南信州の中でも比較的高く、4年前の前回とほぼ同率でした。今後も引き続き、私共が住んでいる阿智村や各市町村がしっかり主張し、地方の声に耳を傾けて頂き「地方が元気になることが日本が元気になる」という信念に基づいた政策が行われることに期待いたすところであります。

村の状況

さて、阿智村ではこの3か月の間に様々な出来事がありました。

村では11月に8か所の地区懇談会を開催し、「くらし」「教育・健康福祉」「産業」の3分科会に分かれて、それぞれの地区からご意見を頂きました。どの地区においても共通の課題は、人口減少や災害対策、森林整備、空家の事や遊休農地のことなど活発に意見が出されました。コロナ禍で2月と議会主催の5月に開催できなかった為、1年ぶりに住民の皆さんの生の声を聞く事ができました。令和4年度の事業計画、予算に向けて有意義な懇談会にすることができました。

教育

11月18日に初めての企画、中学2年生対象にキャリアメッセを開催しました。商工会や地元企業の協力の元、体育館にブースを設け、それぞれに仕事の内容や働くことの意味を説明しました。生徒達は自分の希望するブースを回り、阿智村にどんな企業があるか、大人になった時どんな仕事に就きたいかなど、勉強になったと思います。中学生のうちから地元の企業を学び、将来地域を支える人材になってくれる事を期待するキャリア教育には、今後もさらに力を入れていきたいと考えています。

公民館

11月28日に開催された第52回阿智村駅伝大会では、26チームが参加し、好天のもと気温も高めで賑やかに開催できました。コロナ禍で昨年できなかった想いと、ランナーがバスでの移動やスタッフの人数が多かった事から、密にならないよう工夫し、役場と中学を周回するコースに変更させて頂きました。又、村内チームに限定させて頂きました。南信州地域の中でも52回という伝統は、天龍村の梅花駅伝と共に歴史があり、走る人、支えるスタッフ、応援する人が一体となった、今や阿智村の最大のイベントとなりました。多くの皆様に支えて頂いているリニューアルしたこの駅伝大会が長く続いて、さらなる絆が深まるよう期待したいと思います。

農業関係

11月9日から3日間、地域活性化で様々な支援を行っている地域総合整備財団「ふるさと財団」による農業の視察、コンサルタントから阿智村の農業についてアドバイスを頂きました。2年前に派遣を申請していましたが、コロナの影響で延期されていたものです。外部から見た当村の農業の印象は、作っているものが本格的であることを伝えきれていない、売り方の工夫、第6次産業等の加工品の工夫が必要ではないかとの指摘を頂きました。高付加価値の商品作りにより、特に観光客が多く来てくれている利点をいかし、相乗効果をさらに生む農業形態をめざすようアドバイスを受けました。

コロナ

現在のコロナ禍や原油高騰における経済情況は、緊急経済対策本部会議を、12月1日に開催させて頂き、意見を集約しました。製造業者の皆さんからは、コロナ禍ではあるが海外にシフトできなかった面もあり、国内での仕事が厚く好調で忙しいが、人手が足りず大変困っているとの事。小売業、飲食業はプレミアム商品券や子育て世代への給付の効果もあり、3ヶ月前よりは売上げ微増との事。ただ、原油高騰により、重油等で機械を動かす製造業者や加温の為ハウスで使う農業者、ボイラーを使う温泉関係者等の打撃は大きく、厳しい状態が続いているとのことです。

観光業

紅葉のトップシーズンという事もあり、信州割の効果、又村の3,000円の補助もあり、2,3ヶ月前に比べれば好調の声を頂きました。しかし、2年前の同時期に比べれば6割程であり、依然として厳しく、今後隣県割引などの策を県に要望しました。農業は、生産量、売上げは横ばいとの報告ですが、先ほどの原油の高騰により、国の政策発表の状況を見ながら当村も対応したいと考えています。ハローワークの求人倍率は現在、1月5日倍です。地域全体では好調な状況ですので、人手不足の解消に、知恵と工夫で企業側の対応も重要であります。

森林整備

11月26日には、自民党本部において、森林整備、治山事業促進議連緊急決起大会が開かれ、全国で2箇所の自治体、私ども阿智村と、長崎県南島原市が選ばれ、現場の実情報告と、森林整備等の令和4年度の予算確保のためのお願いをして参りました。当村をはじめ長野県は森林崩壊や土砂災害が多く、安心安全な生活基盤整備のためにも、切実に訴えて参りましたことを報告させて頂きます。

熊谷元一写真コンクール

 今年は第23回の熊谷元一写真賞コンクールの表彰式を中央公民館で開催しました。テーマは「ふれあい」で、今年も全国から747点の応募がありました。コロナ禍での「ふれあい」のテーマは、人とのコミュニケーションが取れなくなってしまった今、大変深いテーマであり、今年も力作が勢ぞろい致しました。全国規模の大きなコンクールとなりましたので、年々レベルが上がり、力作が揃い、大賞に東京都の多和裕二さんの作品が選ばれました。元一先生の写真は歴史を振り返るうえで大変参考になり、大変懐かしく、これからの私たちの生き方、日本の進むべき道を考えさせられる事を感じ、記録写真を残していく事の重要性を改めて感じました。来年のテーマもコロナ禍により「ふれあい」です。是非とも来年も多くの方に応募頂きたいと思っています。

リニア中央新幹線工事

進捗状況についてですが、11月中に中津川市のトンネル工事で、表面が崩れる事故がおこり、一人が死亡という悲しい知らせがありました。数日後続いて豊丘村のトンネル工事でも同等の事故があり、軽症ではありましたが、マスコミを通じて行政に伝わるという点から、JR東海への管理体制等、広域連合から遺憾の意を伝えさせて頂きました。工法は違うと言えども熱海の土砂災害以降、不安視する住民の方も多く、きちんとした安全管理体制、対策、丁寧な説明をJR東海に強く求めて参りたいと思います。

議会案件について

本定例会においてご審議頂く案件について申し上げます。

案件は、人事案件2件、条例案件4件、事件案件3件、契約案件1件、予算案件3件であります。

・人事案件
 識見を有する者のうちから選任する監査委員の任期満了に伴い選任について同意を求めるものであります。又、固定資産評価審査委員の内1名が任期満了になりますので、選任について同意を求めるものであります。

・条例案件
 「阿智村全村博物館構想推進条例」の制定については、この構想は、第5次総合計画を策定した時、平成18年に村の方向性として、住民が歴史、文化、自然、人などの地域資源を大切に想い、保全し、活用する仕組みと住民活動として取り組みが始まりました。その間、推進するガイド組織として「夢先案内人」などの住民活動が行われ始め、村では企画委員会を置き、「認定地域資源」や「案内看板」などを設置するなど、地道な活動を続けて参りました。村としましても、この機により一層、村ぐるみでの取り組みとして、活動が活性化することを期待して、村の指針である条例として、住民一人ひとりが地域資源を大切に、誇りを持って保全し活用して頂く願いのもと、提案させて頂きました。
「国民健康保険税条例の一部改正する条例」の制定については、子どもに係る国民健康保険料等の均等割額の減額措置の導入により条例で定めるものです。
「国民健康保険条例の一部改正する条例」の制定については、産科医療保障制度が見直されること等を踏まえ、出産育児一時金等の支給額を見直すものです。
「昼神温泉物産館設置条例を廃止する条例」の制定については、今後使用について用途の変更があるため、お願いするものです。

 事件案件、契約案件については、後程説明致します。

・予算案件
 令和3年度阿智村一般会計補正予算第6号は、既定の歳入歳出予算総額から、それぞれ94,657千円を増額して歳入歳出予算総額をそれぞれ5,971,418千円とするものです。

歳出の主なもの
  村例規集加除代                  2,500千円
  情報関連システム構築委託料            1,430千円
  定住住宅新造改築等支援金             6,000千円
  特殊浴槽入浴装置購入費              12,320千円
  児童発達支援事業負担金              1,766千円
  健康管理システム更新委託料            2,402千円
  コロナワクチン接種時間外、休日対応加算      8,000千円
  林道改良工事費                  5,000千円
  共有林維持管理等補助金                 600千円
  阿智開発公社補助金                10,000千円
  橋梁改良工事                   19,000千円
  中関下分譲地工事費                1,300千円

特に、共有林維持管理等補助金では、地球環境保全や災害対策、鳥獣被害を食い止めるため、森林を整備しなければならないという住民意識が近年高まってきており、共有山組合や部落又は財産区等が所有する共有林の維持管理等活動に要する経費、例えばチェンソーや刈り払い機の借上料や燃料費等、事業費の2分の1以内の補助を、森林環境譲与税の基金を財源として要綱を作り、住民の皆さんが協力して、山林整備をしていく事になります。住民の皆さんと共に、山の整備や将来について考えて参りたいと思います。

この他、3回目のコロナワクチン接種、原油高騰対策等の補正については、追加日程でご審議いただく予定です。
以上がご審議いただく案件であります。上程の都度詳しく説明致しますのでよろしくご審議を頂きますようお願い致します。 

今現在、世界では又、オミクロン株等コロナ感染が広がっている地域もあります。日本ではコロナワクチン3回目の接種について、ガイドラインが出始め、当村では来年3月から接種を開始する予定です。今回も飯田病院さん、橋上医院さんにご協力頂き、安心安全な接種体制が組めるように努力します。しかし、これから年末年始にかけ、人と接する機会が増え、第6波の感染が起きる可能性もあります。国や県のガイドラインに沿って、マスクの着用、手指消毒の徹底等、感染予防対策には念には念を入れて、村民の皆さんにはコロナ感染対策に心がけて頂くことをお願いいたします。
さて、広域連合の取り組みについてですが、信州大学の情報系の学部を南信州に誘致したいという気運が高まり、これから官民全体で運動を展開して行こうという事になりました。当村としても各方面と連携し、運動していきたいと思っていますので、是非ご協力をお願い致します。
来年1月には、今まで準備をしていましたワーケーション施設を昼神温泉物産館に開設いたします。観光を楽しみながら仕事をする、又は都会で仕事をしなくても、リモートで地方で仕事ができるという形態に、コロナ禍で世の中変わってきつつあります。国の補助金を頂き工事を進めています。旅行商品として観光客へのPR、スタービレッジの連携企業への宣伝で、有効に活用され、現地には信南交通のバス発券所もあり、賑やかになる事を期待します。        

最後に、私個人的な事になりますが、今議会が2期目の最後の定例議会となりました。後半2年間はほとんどがコロナ禍の対応で、いかに村民の命を守るか、ワクチン接種のスムーズな対応、村内の経済をどう回して行くか、住民のコミュニティをどう維持していくかなど、悩みが尽きない毎日でした。又、全国的にも豪雨災害が多発し、当村でも被災にあわれた方も多く、当たり前に日常を安心したくらしで過ごせる事が、そんな世の中を作ることが、政治の役目だと感じました。村民の方が安心したくらしを感じてくれているか自問自答の日々ですが、教育、福祉、防災、産業、建設水道など、前を向いた新しい取り組みも行ってきたつもりです。まずは、村民の皆様や議員の皆様には、お世話になった御礼と感謝を申し上げる所存です。ありがとうございました。

以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。安心で夢のある地域に向かって一緒になっていい村作りにまい進していきますようご協力をお願いしてあいさつとさせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。