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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和3年9月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年9月6日更新

はじめに

9月議会定例会開会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。

8月末は残暑、9月からは秋雨前線による雨で気候が安定しない毎日です。
今年の夏は盆前から前線が停滞し、長雨により全国的に災害が相次ぎ、過去にあまり例を見ないお盆でした。阿智村でも智里西では454mmの総雨量を記録し、13日から15日にかけて村内全域で自主避難の案内を行い、計35名の方が各公民館に避難しました。岡谷市では3名の親子が土石流に飲み込まれ、命を落とすという痛ましい出来事がありました。被災された皆様にお見舞い申し上げますと共に、一刻も早い復旧を祈念致します。最近は県内の至るところで大雨警報や土砂災害警戒情報が頻繁に発表されるなど、短時間集中的な大雨による水害や、地盤の緩みなどによる土砂災害が日常的に心配されているところです。
夏の行事はコロナ感染者拡大の影響と、雨天が続いた事もあり、各地区のお祭りやイベントに、そして観光業、野菜の収穫など大きな影響を与えました。農業関係は、雨や日照不足により、きゅうりを始めとする野菜全般が病気になり、収穫量が落ち、一時市場では野菜の値段が約3倍になったそうです。浪合名産のとうもろこしも倒れてしまい、影響がありました。なしなどの果実や米については、今のところ影響がないとのことですが、これから台風も心配され、今後の天候の状況を注視したいと思います。
昼神温泉を中心とする観光業は、お盆期間中の状況のアンケートを集計した結果、旅館によって異なりますが、好調なところで一昨年の数字の30%減、厳しいところで70%減とのことでした。特に中央道や国道256号線がストップしてしまった事が大きな痛手でした。その後、コロナ感染者増による緊急事態宣言区域の拡大や南信州地域が感染警戒レベル5になった影響で、現在は予約がなかなか入らないとの事。初秋に入っていた修学旅行もキャンセルが相次ぎ、晩秋から初冬にかけて仕切り直しとの情報です。
8月20日から長野県全体がコロナ感染レベル5になり、このような状況を受けまして、8月27日に今年度第3回目の緊急経済対策会議を開きました。農業、観光業の他に商工業の特に飲食店は、国の自粛要請により客足が遠のき、予約されていたお客様のキャンセルが相次ぎ苦しい状況です。製造業やスーパーなどの物販店は今のところ大きな影響はないとの事です。そんな中、県の方針で8月28日から9月1日まで酒類の提供を行う飲食店等に対し、休業・営業時間短縮要請を行うことになり、当村では約10軒がご協力を頂く事となりました。信州の安心なお店認証店を条件に、午後8時までの営業時間に短縮して下されば、県から協力金が支給される事になっています。

村の状況

阿智村ではこの6~8月にかけ様々な出来事、事業がありました。

​コロナワクチン接種

 9月4日の段階で1回目終了の方が3,939(71.7%)、2回終了の方が2,659名(48.4%)です。4月23日に最初の案内を80歳以上の方に出させて頂いて以来、金曜日を除く平日の接種により、計画的に進めて参りました。ご協力頂いている飯田病院、橋上医院、診療所の先生、スタッフを始め、多くの関係者に感謝致します。8月21日からは土曜日も可能とさせて頂き、21日には150名、28日には200名の集団接種を行いました。8月末には12歳以上の全員の方に案内を送らせて頂きました。コロナ感染拡大防止の為、多くの方に早めに接種頂けるよう、ご協力をお願いいたします。

男女共同参画基本計画

 男女共同参画基本計画の策定に向け、検討を進めています。7月14日に第1回目の検討委員会を開催し、この計画に対する想いを聞き、計画策定のスケジュールの確認をしました。8月10日には、全村民18歳以上から抽出した1,000人の方へのアンケートを発送し、今のところ441人の方から回答があり、回収率は44.1%です。今後、アンケートの集計と、団体や企業へのヒアリング、役場職員の研修会も開き、阿智村の現状、課題等の整理、取りまとめをしていきたいと思っています。集計やヒアリングが終われば、村の皆さんがどう感じているかなど、データが出ていますので、しっかり分析し、まずは素案を作り、11月の各地区懇談会などで住民の皆さんから意見を頂戴していく段取りとなっています。

保健保健医療審議会

 8月2日に第1回目の阿智村保健医療審議会を開催し、今後の診療所のあり方について、話し合いの場が持たれました。医療関係者、国保被保険者、自治会長など、15名で構成する審議会では、まずは診療所の状況と、村全体の医療体制や訪問看護ステーションの動き、一人一人の医療体制に関する思いなど、話し合いを行いました。今後月1回のペースで会議を進めて参ります。

教育

 放課後子供教室が村内全ての小学校区において、10月から正式に始まります。計画準備委員会や保護者や地域に向けの説明会等を経て、一学期には放課後子供教室プレ開催をしました。この時の課題や反響をふまえながら、今後「遊び」「学習」「体験」「スポーツの4つのカテゴリーのプログラムを展開していきます。家庭や地域の実情で、放課後帰宅後は友達と遊ぶことができない、児童や家庭のニーズに応えるべく、全市町村での設置努力義務を掲げる文科省の方針を受け、地域、学校と密に連携し阿智村らしさ、遊びの楽しさを充分に感じられる、放課後子供教室にしたいと思います。

阿智中学校女子バレーボール部

 盆明けの8月19日から全国中学校体育大会が開催され、阿智中学校女子バレーボール部が3年ぶり2回目の出場を果たしました。6月から中体連地区大会が始まり、順調に勝ち進み、7月中旬に行われた県大会では見事準優勝を果たし、8月上旬の北信越大会では3位で通過し、全国切符を勝ち取りました。全国では予選リーグを1勝1敗で通過し、決勝リーグ1回戦で、強豪東京都の八王子実践中学にフルセットの末敗れてしまいました。しかし全国でのベスト27という位置付けは、ほとんどが私立中学の中で、純粋に阿智の子供達だけで編成されたチームの頑張りは、大変価値のある成績です。コロナで思うような練習ができない中、水上監督の指導の元、粘り強く拾って繋げる阿智中のバレースタイルは、村中に感動と勇気を与えてくれました。

農業

7月28日には、村の農業アドバイザー就任式を行いました。きゅうりやトマト、有機農法、果物等の専業で従事されている皆さん6名に村から委嘱をさせて頂き、これから農業を始める方や、兼業農家の皆さんが気軽に、野菜の病気の事や、農薬の事など聞けるように、しくみを作らせて頂きました。8月下旬の段階で、きゅうりが2名、トマト2名、果樹2有機農業1の登録者は7名です。農業のプロの方が先生となり、阿智全体の農業の下支えをして頂き、その技術が次の世代に繋がっていくことを期待しています。

商工観光

 7月からコロナ経済対策として、プレミアム商品券の予約が始まりました。10,000円で5,000円のプレミアム付き商品券を、8月から販売開始され、全村民が買う事ができるようにした6,250セットのうち、54.9%の3,430セットが売れました。8月17日から1名3セットまで買うことができる第2次販売の予約を開始し、8月末で終了し、販売予定数を超える予約を頂きました。今後調整し、販売致します。コロナ禍で厳しい状況の商工業の皆様が活気づくよう、村民の皆さんには地元消費にご協力を頂きたいと思います。

臨時福祉給付金

 世帯全員が令和3年度の住民税が非課税世帯の皆様を対象に、阿智村臨時福祉給付事業として、1人につき、1万円のふくまるくん商品券をお渡ししています。申請期間は10月31日までとなっていますので、ご確認頂き、不明の方はお気軽に民生課にお聞き頂きたいと思います。

昼神温泉

 先のオープン予定ではありますが、国の地方創生テレワーク交付金、約1,000万円の補助を受け、総事業費2,225万円で昼神温泉郷内旧ガイドセンターを改装し、ワーケーション施設を開設のため、工事に入っています。コロナが落ち着くのが前提ですが、全国から旅行を兼ねて仕事をする方、又は落ち着いた温泉郷の自然の中、第2オフィスとして仕事をされる方のために期待が持てます。星の繋がりでスタービレッジ推進協議会ではビジネスパートナーが多く登録されていますので、現在お声掛けをさせて頂いています。又、信南交通さんの発券所を設置する準備も入っており、多くの方の村民や観光客の利用に期待が持てます。

まちづくり

 昼神温泉リニア新時代戦略等推進委員会幹事会を月に1回のペースで5月から5回開催し、9月1日、委員会を開催しました。今までに行ってきた村民の皆さんからのパブリックコメントを基に、歩いて楽しめる昼神温泉郷をめざして、幹事会で提案したいくつかの案について検討しました。今後、会議を重ねて、スケジュール、予算の事も考えながら詰めて参りたいと思います。

リニア

 七久里の洞の埋め立てについて、以前に地権者の代表からリニアの残土を使って埋め立ててもらえないかという要望があり、昨年末に地元自治会の皆さんにはJRが調査に入ってよいか確認をし、この度JRから埋め立て可能との連絡を頂き、8月4日に地権者への説明会を開催させて頂きました。今後、地権者の意向を確認しながら、埋め立て地の道路や農地等活用について、法的な面もクリアしながら、まずは地元の皆さんとの協議を進めて参りたいと思います。

 本来ならば、国や県に対して、7、8月は南信州広域連合や道路の期成同盟会として様々な要望活動も行って参る予定でした。しかしコロナ感染拡大により、ほぼ中止か延期、書面決議となってしまいました。ただ、飯田南バイパス等の早期実現運動は熱を帯びており、国道153、256号線、県道の改良工事や治水対策など、設備ができて経年劣化してメンテナンスの重要性もあり、私たちの生活の安全のために、今後も引き続き要望をして参りたいと思います。

上程議案

本議会においてご審議頂く案件は、条例案件3件、事件案件1件、決算案件7件、予算案件5件であります。

・条例案件3件
 議案第26号「阿智村税条例の一部を改正する条例」は、過疎地域の持続的発展支援に関する特別措置法等が4月1日から施行されたことに伴い改正を行うものです。
 議案第27号「阿智村手数料条例の一部を改正する条例」は、情報システムの改正に伴い、通知カードが廃止されるなど手数料については村が取り扱われなくなったためです。
 議案第28号「阿智村温泉事業条例の一部を改正する条例」は、新型コロナウィルス蔓延による緊急経済対策のため、温泉使用料及び管理料を令和4年3月分まで納付を免除するものです。

・事件案件1件
 議案第29号「阿智村過疎地域持続的発展計画の策定について」は、令和3年度から7年度の策定についてお願いするものです。

・決算案件7件
 決算案件は、令和2年度阿智村一般会計及び各特別会計決算の承認を得るものであります。
 一般会計決算は、歳入合計7,195,309,890円、歳出合計6,827,871,086円、歳入歳出差引額367,438,804円、翌年度への繰り越し財源129,612,000円を差し引いた実質残額は、237,826,804円。

・歳入
 村税736,345千円、地方交付税2,706,549千円、国庫支出金1,617,563千円、村債526,200千円であり、総額では前年度より1,115,010千円の増。
・歳出
 前年度より1,198,778千円の増となり、この要因は新型コロナウィルス感染症対策事業が主なものであります。
・特別会計
 上程の都度詳しく説明させて頂きます。

村の財務状況

 貯金である基金残高は、一般会計で昨年度より13,034千円減の6,916,638千円、特別会計では7,125千円増の453,053千円となり、合計では7,369,731千円となりました。借金である地方債の現在高は、一般会計で昨年より159,164千円増の3,057,242 千円、特別会計で106,268千円減の1,543,908千円となりました。合計では4,601,150千円であります。
 財政の健全化を見る指標については、経常収支比率は80.9%、実質公債費比率は、-0.1%となっています。
 各種会計での未収金については滞納整理を進め、7月31日現在で9,594千円の徴収を行いましたが各会計合計で83,726千円の未収金となっています。
 滞納が増えることは全てに悪影響を及ぼすことになります。滞納額の減少のため庁内を挙げて努力してまいります。

予算

一般、特別会計補正予算第2号
 既定の歳入歳出予算に歳入歳出それぞれ258,866千円を追加し歳入歳出総額5,565,489千円とするものであります。

歳出の主なもの
 庁舎外部の給水工事費 
 コミュニティ館感染症対策工事費
 定住住宅新増改築等支援金
 ワクチン接種者タクシー送迎業務委託
 大豆選別機、そば粗選機等購入費
 森林資源利活用推進事業委託料
 ニホンシカ、イノシシ等の捕獲報償費
 テレワーク施設整備工事
 村道維持補修工事
 村営住宅修繕等
 被災者生活再建支援制度補助金
 農業災害復旧工事費
 公共土木施設災害復旧工事費
 前年度繰越金の2分の1を財政調整基金に積立 

特別会計、水道事業会計についてはそれぞれ必要な補正を行います。

この他、コロナ対策の補正については、追加日程でご審議いただく予定です。
詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

おわりに   

 9月3日に阿智村の名誉村民であり、村の医師として永年、住民の命を守ってきて下さいました橋上好郎先生が95歳でお亡くなりになりました。先生は昭和31年に橋上医院を開業され、阿智村が発足したのと同じ歴史と共に、村の医療を支えて下さいました。多くの村民に愛され、村の人を見れば誰かをすぐにわかり、先生の口癖は「村の人すべてが家族」とおっしゃっていました。医療だけでなく、少年野球にソフトボール、花桃植樹など地域貢献の事業にもご尽力下さいました。晩年は村の診療所医師を務め、平成31年3月には毎年日本で5名しか選ばれない地域医療の功績者として、日本医師会主催「赤ひげ大賞」を受賞されました。心から感謝を申し上げ、謹んでご冥福をお祈り致します。

 最後になりますが、私事ですが来年2月に任期満了となる村長選挙につきまして、お話しさせて頂きます。私は平成26年2月に就任して以来、2期8年間、村の舵取りを担って参りました。
 1期目は行政という組織の中での初めての経験ではありましたが、無我夢中の毎日であったような気がいたします。村民にわかりやすい行政情報の伝え方、明るく親切な対応を掲げ、「星ふるさと」や「阿智家族」といった言葉で伝えて参りました。天皇皇后両陛下ご来村の対応、阿智昼神観光局の立ち上げ、星の事業、定住施策促進など事業を展開して参りました。
 2期目は第6次総合計画の策定が主な事業で、広く村民の方からアンケートや意見を聞きながら進め、住民が思っている事や村の課題がわかり、10年間の計画が策定され、智里西保育園やデイサービスひだまり、西部衛生施設改修等のインフラ整備も行ってきました。しかし、この1年半はコロナウィルス感染の猛威があり、その対応がほとんどの毎日でした。これから、第6次総合計画の後期に向かい、そしてリニアが来るまちづくりの総仕上げに入ります。2期では、まだ夢半ばであり、これから解決しなければならない課題もあります。何よりコロナ感染の対策により、住民の命を守り、冷え切った経済政策を打ち出していかなくてはなりません。そのような状況の中で、次期村長選に挑戦させて頂きたく思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。みなさんと共に住みたい地域、夢のある地域に向かって、いい村作りにまい進していきますようご尽力をお願いして9月議会定例会のあいさつと致します。