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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和3年6月4日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年6月9日更新

はじめに

6月議会定例会開会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。

阿智村ではまだ梅雨入り宣言されていませんが、梅雨空のような日が続いたり初夏のような暑さもある毎日です。
村の各地では田植えが終わり、野菜の苗も定植し、農業従事者の皆さんにとってはこれから忙しく、又楽しみな季節となりました。
山々が鮮やかな緑に映え、5月3日にはコロナ禍で2度に渡って延期された成人式を開催する事ができ、そして、例年より10日程早くはなももが満開となり、ゴールデンウィーク後半は花の見頃は終了しましたが、コロナ感染対策をとった「花桃マーケット」では、全国で観光地が大苦戦の中、多くの方に阿智を訪れて頂きました。

村の状況

​コロナ関連

今、全国ニュースで毎日のように取り上げられているワクチン接種については、4月30日に80歳以上の皆さんに第1回目の案内を送付しました。一週間ごと年齢の高い順に5歳単位で送付した効果もあり、5回線のコールセンター対応で、予約については大きなトラブルもなく受付が出来ています。
飯田病院阿智診療所、伍和診療所を会場とする集団接種は、飯田病院さんや村の診療所の羽生先生のご協力を経て5月17日から1日50人前後の接種を開始し、橋上医院疋田先生には、平日の個別接種と併せ22日から土日を中心に高齢者施設を回ってご協力頂いています。現在まで集団接種約690名、高齢者施設235名、合計で925名の方が村内で接種頂きました。スタッフの動きも綿密に計画し、その都度反省会も行い安心安全に接種できるよう体制を整えています。今のところ順調に進んでいますのは、多くの村民の方、医療スタッフの皆様のお蔭ですので、感謝の意をお伝えしたいと思います。今後65歳以上の皆さんは7月末には終了予定となっています。
民生課ケーブルテレビにより、コロナ感染対策そして、ワクチン接種までの予約の仕方、当日の注意すべき点や行動など詳しく説明しています。これから案内が届きましたらよく読んで頂き、ご不明な点はお気軽にお問合せ頂きたいと存じます。
又、コロナ禍で収入等に影響してしまった方、住民税非課税世帯に、臨時福祉給付金として8月上旬に1名あたり10,000円の商品券をお渡し致します。経済対策としては商工会と協力して、10,000円で5,000円のプレミアム付き商品券を、8月から販売開始の予定です。全村民が買う事のできるように6,250セットを用意してあります。コロナ禍で厳しい状況の商工業の皆様が活気づくよう、村民の皆さんには地元消費にご協力を頂きたいと思います。
6月3日には緊急経済対策会議を開催し、コロナ禍における各業界の状況をお聞きしました。4月以降、小売店は例年並みの売上げをキープしていますが、今後コロナ禍でのマインド低下が消費に影響するだろうとの事。飲食店はテイクアウトを始め工夫していますが、特に観光客相手の店は厳しい状況が続いているそうです。農業関係は、コロナでの大きな被害は報告頂いていませんが、米など仕入れ等取引のある飲食店が落ち込めば今後影響が予想されます。観光業は、4月の売り上げはいつもの年の5割位、大型連休明けは愛知県の緊急事態宣言の影響は大きく、長期休みを取っている旅館も多くあります。6月からの県民割引キャンペーンも只今延期しており、厳しい状況にありますが、コロナが落ち着けば、国のGotoトラベルと併せ今後期待したいところです。
ウィズコロナを意識した新事業の展開では、昼神旧ガイドセンター内にワーケーションの拠点施設を作ります。国の地方創生テレワーク交付金を活用し、夏終わりには改装完了予定です。コロナ禍の新たなビジネス展開として首都圏や中京圏、県内、南信州地域の企業がこの緑豊かな阿智村に第2第3オフィスを置き、観光と仕事の新たな事業ができることを望みたいと思います。
冒頭にも述べましたが、昨年5月に開催予定だった成人式を1年遅れで開催する事ができました。コロナ禍で2度にわたる延期を経て、実行委員の皆さんの涙ぐましい苦労や多くの方の協力の中で、5月3日当日は、式典のみ、Pcr検査等の万全の対策を取り、80名中35名の方に出席頂きました。午後には後輩達の従来の成人式を開催し、久しぶりに会った旧友達が思い出話に花を咲かせていました。コロナ禍での成人式の経験は、彼ら彼女らにとって人生の貴重な体験となり、きっと一回りも二回りも大きく成長してくれる事でしょう。無事開催できてよかったというのが本音であります。

教育

今年度の事業計画の中で、村独自の新・放課後子供総合プランを掲げ、放課後を安全に過ごし多様な体験、活動を行うことができるよう、今までにアンケートや検討会を進めて、5月31日には第1回の運営協議会を開催いたしました。今後、放課後の活動を「遊び」「学習」「スポーツ」「体験」の4つのカテゴリーに分け6月にプレ開催、7月から本格的に活動を始めて参ります。又、Gigaスクール構想に沿ったIct機器の整備については、小学校5、6年生と中学生にデジタル教科書を導入し、家庭での学習用インターネット環境整備も順調に進んでいます。7月13日には、阿智第2小で、Ict機器を活用した外国語活動授業を公開予定であります。児童生徒の学力向上対策では、この5月に若駒アカデミー中学1年生講座を開講し、小学校高学年から中学3年生までの5年間に亘る、学習教室体系が構築された放課後に、意欲的に学習に向かう姿が見られています。
次に、自治会ごとに地域振興協議会が設置できるよう、今回提案致します。今までに設置されていた清内路、浪合、智里西に加え、全自治会単位に設置できるようにし、村の諮問機関としてお願いするものです。委員の選考については、各自治会などとも相談し、各種団体や知識経験者の他、若い世代や、女性の方にも入って頂けるよう工夫をして参ります。定住人口の減少に歯止めがかからない中、集落の維持は重要な行政課題です。人口ビジョンのデータを参考に、まずは人口維持についての方策、考え方などを提案してもらいたいと考えています。

防災

今後、村内において発生した自然災害により、住宅に著しい被害を負った世帯のうち、国の被災者生活再建支援法の適用の対象にならない世帯への補助金を交付することと致します。又、要配慮避難者が村の指定する宿泊施設を避難所として利用するために要する経費に対し、補助金を交付する要綱を定めましたのでよろしくお願いいたします。近年の災害はゲリラ豪雨など予想のつかない事例も多くあります。制度の整理により被災された方の不安を少しでも取り除ければと思っています。
さて、6月1日に国民健康保険運営協議会が開かれ、令和3年度の国保税率改定等について協議されました。国保は県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営に中心的な役割を担って、制度を安定化させる取り組みが始まっています。村は住民との身近な関係の中で資格管理ときめ細かな保健事業を担っています。その保険税率の決定にあたっては県が示す標準的な保険料率を参考に市町村が決定することになっていますが、国は将来的に同一都道府県内においては保険料水準を統一することを目指しています。現在本村ではこの水準に達する税率ではなく、数年をかけてそこに近づけて行く方針を以前から運協で確認いただいています。
ただ、今回は昨年に引き続きコロナ禍で皆さんの生活の安定の事もあり、本年は税率を据え置く答申を頂きましたので、ご報告致します。

農業

村の基盤産業として位置づけしています。5月28日に第12回産業振興公社の定期総会を開催し、販売額は、1億1,013万円であり、目標でありました1億円を突破しました。コロナ禍や天候不順などで影響もありましたが昨年より約13.8%の増でした。多くの生産者の皆さんの努力と、バイオマスボイラーを利用したアグロフォレストリー事業が始まった事、新規に始めた阿智家族マルシェでの販売や、ふるさとに帰れない学生支援の米や野菜セットの送付によるものが原因であります。そして、さらなる村の農業振興に向けて、本年度の事業計画が発表されました。
令和3年度の大きな事業は、農業人口を増やし若手農業者の育成のため、何年も経験してきた専門農家の方を先生に、県の普及指導員やJAさんと協力して技術指導に入るシステムを構築します。又、特に昼神温泉の旅館に米や野菜をさらに利用してもらえるようなしくみの展開を心がけ、地産地消、自給率の高い村としての目標を掲げます。阿智ブランドにさらに磨きをかけるため、付加価値型農業の研究、特にぶどう、りんごなど果樹の振興、自社圃場の売り上げも1,000万円を超え伸びてきていることで、さらに発展させていきたいと思っています。

リニア

現在、清内路の斜坑から排出される残土の処理や、中心となって取り組んで頂いている1-20号線村道改良計画については対応を検討していますが、リニア対策委員会の皆様にお願いしているところでございます。この程2年間の任期満了につきこの5月28日より新たな体制がスタートしました。会長に、引き続き浪合の稲垣孝光さんが再任されました。村の将来に関する重要なポストを担って頂き感謝申し上げたいと思います。工事も現実的なものになってきましたが、引き続きJR東海には丁寧な説明と対応を求めていきます。
まちづくり計画の事業においては、4月26日に昼神温泉リニア新時代構想の今年度第1回目の検討委員会を開催させて頂きました。事業計画予算の折にも説明させて頂きました通り、リニア中央新幹線が開業する将来のためのまちづくり計画です。各団体、地域の代表、関係機関皆様34名の皆様から、昼神温泉に対する想いを、以前行ったパブリックコメントを参考にまずは述べてもらいました。2年後には出湯50年を迎える昼神温泉を、歩いて楽しめ、農商工全ての地域経済が潤い、地域の誇りとして、さらに発展するよう熱い意見交換ができました。その後、5月10日、6月10日には10名の幹事会を開催し、素案を作り意見をまとめていきます。

観光

大変厳しい情勢ですが星の事業を始めて10年目の節目の年となります。阿智昼神観光局が中心となりコロナ感染対策を徹底しながら、今後JAFやビクセン、ショートフィルムなどの企画とコラボレーションして、村民や観光客の皆さんに楽しんでもらい、アフターコロナの折には阿智村に多くの方に来てもらうような「しかけ」をして参りたいと思います。
又、村民の皆さんが楽しみにしていました阿智の夏まつりは、コロナ禍により残念ながら本年も中止とさせて頂きました。ワクチン接種は始まっているものの、全国的な感染者数は増え続けており、収束の気配がない中、住民の安全を第一に、企業の皆さん、住民の皆さんへの寄付の影響も考え、実行委員会で決定させて頂きました。来年は是非、3年分の盛大な阿智の夏まつりができるよう期待したいと思います。

上程議案

今議会でご審議いただく案件は、承認案件2件、条例案件2件、契約案件2件、予算案件1件、報告案件2件であります。
承認案件は、阿智村税条例等の一部を改正する条例の制定は、国の地方税法、地方税法施行令、地方税法施行規則の改正を受け、固定資産税の負担調整措置や軽自動車税の税率区分の見直し、又個人住民税の税額控除等見直しについて、令和3年3月31日付けで専決させて頂いたものであります。

令和2年度阿智村一般会計の専決補正予算の内容は主に財源の確定による補正であります。
条例案件は阿智村振興協議会設置条例の制定については、先ほどあいさつでも述べましたように全地区で振興協議会が設置できるようにするもの、介護保険法に基づく指定地域密着型サービス事業の人員、設備等に関する基準条例の一部改正であります。
契約案件は、第5分団の消防ポンプ付積載車と浪合除雪車の売買契約の締結についてです。
予算案件ですが、令和3年度阿智村一般会計補正予算第1号は、既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ21,623千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,306,623千円とするものであります。

歳出の主なもの

新型コロナ感染症による影響で、低所得の子育て世帯に対し児童一人あたり一律5万円を支給する給付金として7,050千円や、県の元気づくり支援金を利用し、東山道プロジェクト事業に754千円、防災マニュアル作成等に3,750千円、などをお願いするものであります。
報告案件につきましては、令和2年度より令和3年度へ繰り越した事業に係る明細を報告するものです。
又、追加日程として、有機農産物輸送用トラック購入事業売買契約の締結について予定しているものでございます。
以上、本議会においてご審議いただく案件について説明いたしましたが、詳細は上程のつど詳しくご説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

おわりに   

今年は、昨年コロナの影響でできなかった「きれいな信州環境美化運動」ごみゼロ運動を5月30日に行いました。久々に行う村内一斉の行事として、村内の美化はもちろん、住民のつながりとしても大切な行事でした。中止や延期せざるを得ない行事もありますが、自治会活動、公民館、各団体も徐々に様々な活動をして頂いています。新しい役員さんのもと、この時期には草刈り作業、美しいふるさとづくり事業で花など植えて頂いている姿を目にしました。コロナ感染対策の上での各地域が元気な活動に、大変うれしく感謝したいと思います。
最後に、広域連合や西部3村の動きを報告致します。広域連合ではこれからのリニア時代に向けた地域づくり、ビジョンをブロック別に検討し、そのイメージ図や具体的な事業を描いていくという取り組みを始めました。阿智、平谷、根羽の三村は、国道153号線や中央道の交通インフラが整っている中、中京圏からの入り口としてのポテンシャルがあり、それぞれ特徴ある産業の推進に力を入れています。リニア中津川駅にも近く、飯田南バイパスが開通すれば飯田まで時間短縮というメリットも生かしていく事も重要です。

西部地区では今までにも、阿智高校の神坂学習塾の運営、西部コミュニティバスの運営、ピアの中にあるふらっとホットのアンテナショップ、発熱した方の為のコロナ対策専用タクシーの運営など行っています。商工会では、そば街道、ひなまつり街道事業など連携しています。喫緊の事業としては、7月末から県の元気づくり支援金を利用して、各村の巨木をめぐりながら近くの店を利用するとカードがもらえるという「木になるカード事業」を展開します。当村の代表的な巨木は、清内路のミズナラ、中関の大杉、神坂神社の日本杉、伍和洞の阿智の大栗がエントリーされています。是非、多くの皆さんに西部地区の巨木を尋ねて頂きたいと思います。

それではワクチン接種が無事予定通り終わり、今後の村の事業、地域の行事が遂行できるよう期待して、6月議会定例会の私からのあいさつとさせて頂きます。