先輩隊員インタビュー 田村沙織さん
『みんなが忙しくてできないことを実現していくのが協力隊の役目』 田村 沙織さん
出身:富山県
任期:2015年~2018年
浪合地区担当
Q.阿智村の協力隊員になった経過は?
阿智村に来る前は、埼玉県で教員をしていました。3週間の夏休みを使ってボランティア活動をしようと調べていたところ、偶然、阿智村の「なみあい育遊会」を見つけました。なみあい育遊会とは、山村留学や短期キャンプ等を行っている団体です。
なみあい育遊会のキャンプボランティアを3年程やりました。スタッフとも仲良くなり、こういう田舎もいいなと思いだした頃、センター長から軽いノリで「住めばいいじゃん!」と声をかけられ、阿智村に来るきっかけとなりました。
教員をやめることについては、リーマンショック後ということもあって「公務員やめちゃうの?」と周りから言われました。
でも「今しかできないことがたくさんある」という気持ちから協力隊に応募することを決断しました。
Q.着任してみてどうでしたか?
はじめは何をしてよいかもわからず、ふらっとしてました。まずは地元の人達と交流を深めて仲良くなろうと考えました。前任から引き継いだ畑のおかげで、たくさんの人と交流できて、少しずつ地域に馴染むことができました。3年目には、鳥獣害の対策をしてほしいという依頼から鳥獣害対策委員会を設置したり、空き家対策の会の事務局を務めたり、少しずつ貢献できたかな。
「給料をもらってるのに、こんなにふらっとしてて良いのかな。地域の為に何かしなきゃ!」とか「自分は何も期待されていないんじゃないか」と思い悩む時もありましたが、今思えばそこまで背負わなくても良かったかなと思っています。
仕事が決まっていれば楽だとは思うけど、協力隊ってそういうものではないと思います。わたしは「みんなが忙しくてできないこと・思っていることを実現していく、お手伝いをする」ことが協力隊としての役目だと思って活動してました。
Q.任期終了後はどんな活動をされていますか?
任期中に結婚し、夫が就農することになりました。「農業なら、阿智村でなくても良いよね」と両親に言われ、地元に戻ることも検討していました。そんな時に、お世話になっていた浪合の住民団体に相談したところ、色々な人へアポを取り素早く対応してくれました。「阿智村には自分の為に一生懸命になってくれる人がたくさんいるんだ」と嬉しく思い、阿智村に暮らすことを決めました。
今は「農園民泊はらっぱ」を運営しています。農業だけでは生活が厳しいなと思っていたところ、仲良くしていた農家さんから「農家民泊とかどう?収入になるし、やってみれば!」と誘っていただきました。
隊員として活動している頃から、「人が集まる拠点がないな」と思っていたこともあり、起業補助金を使って家を改築し民泊を始めました。現在は、コロナの影響もあり細々とやっています。