先輩隊員インタビュー 本柳寛人さん
『好きでやってるだけじゃない ここで暮らしているからやってる』 本柳 寛人さん
出身:神奈川県
任期:2011年~2014年
清内路地区担当
Q.阿智村の協力隊員になった経過は?
留学に行った時、「神道と仏教どう違うの?」「日本の伝統料理は?」など日本について様々な質問をされましたが、全然答えられませんでした。それを知るなら田舎だと思いました。
そんな時、インターネットで地域おこし協力隊を知りました。
お金も出るし、田舎にも行けるしピッタリなの見つけたと思いました。インターン先の人が協力隊に応募しようとしていて、その人が「阿智村で協力隊を募集しているから一緒にどう?」と誘ってくれたので、受験することにしました。
阿智村の募集要項に環境問題のキーワードでもある“持続可能”が入っていて、村として持続可能を明言しているのは良いなあと思いました。
Q.着任してみてどうでしたか?
最初は興味ある団体に全部入りました。「家庭料理を味わう会」で伝統料理を覚え、「清内路かぼちゃ保存会」で農業や種のことを学び、できる限りの自給自足の大事さを知り、そして伝統文化としての煙火を体験しました。
清内路地区には「なるべく自分たちで頑張ろう」という雰囲気があって、自分の性格に合っている地区だなと思いました。
活動中印象的だったことがあります。地域の方に「俺はもう畑やらんで、寛人やれや」と言われました。その時、その方のお母さんが「お前の畑じゃない。ご先祖様たちからのものだ」と息子に言ったんです。この「お前の畑じゃない」っていう発想、「好きでやっているだけじゃなくて、ここで暮らしているからやっているんだ」っていう感じや生き方が自分の理想とすごい合っていて、とても気に入っていました。
Q.任期終了後はどんな活動をされていますか?
3年終わったらどうしようと思っていたら林業に誘ってくれる人がいました。地域のやりたいことと両立できる条件だったのでプラスになると思ってやりました。愛知県の森林組合の下請けのアルバイトです。間伐と搬出をしていました。ここで技術と体力と精神力を得ました。
木を切るのって、結構頭使うんですよ。そういうのも気に入ってるところですかね。
2021年に、「NPOあち森」を設立し、代表となりました。目的は、手の入っていない山に手を入れて「次の世代につないでいくこと」「自分の地域でエネルギーをつくること」です。活動拠点を阿智村に移し、森林に関わるおじさんたちと一緒に仕事をしています。