第16回「家族」
第16回(平成25年):[家族]
内山 善登
(長野県岡谷市)
「絆」
撮影場所: 長野県岡谷市
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講評
第16回 審査員長 増田今雄(長野県写真連盟)
応募点数は、過去3番目を記録した前回よりやや減りましたが、全国から845点の力作が寄せられました。
被写体として身近な家族を、七五三やお節句、お誕生日、還暦、結婚式などの祝い事、農作業、お祭りと日常生活の中で捉えた作品が多数を占めました。親子、お年寄りと孫、子ども同士、夫婦、一家などさまざまな関係の家族のショットがあり楽しく審査させていただきました。
上位には、家族が持つ絆や愛情が感じ取れる作品が選ばれました。高齢化する現代社会の中で、介護者を抱えながらも元気に暮らす一家を捉えた社会時評的な視点の作品。また、被写体の肖像権やプライバシーが問題視される昨今、他人では踏み込めない場所でシャッターを押した「家族」ならではの作品も審査員の目を引きました。
村内を撮影した「阿智村内撮影部門」は、残雪の山岳作品が新鮮でしたが、全体にややマンネリ化傾向と感じました。中でも、華やかなハナモモを題材にした作品がどっと寄せられましたが、ほとんど類似。何年来、多くの人が狙ってきた被写体だけに、1歩抜き出る工夫が必要です。同時に、もっと村内のほかの素材にも目を向けてほしいと思います。特に、四季折々の中に生きる村民の暮らしや行事、表情を記録した元一先生が残された写真のように“人くさい”作品がもっと多く出てくることを切望します。