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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和2年9月4日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年9月4日更新

はじめに

  9月になりましたが、まだまだ残暑厳しい毎日が続いています。今年の夏は、7月の豪雨そして長い梅雨がやっと明けたと思うと、8月は高温の真夏日が続き、飯田市南信濃では県内最高気温の39.5度を記録するなど大変な猛暑でありました。昨年完了した教育施設等へのクーラー設置は、コロナ禍で短くなった夏休み前後の学校生活に対応できました。今後、涼しくなると思いますが、これからは台風の時期で農作物への影響も心配されます。世界中が異常気象の中ではありますが、田んぼが色づき始めると一気に秋だと感じます。

さて、さらに深刻化する新型コロナの影響は、収束する事はなく、日本でも現在6万9,650人、長野県でも268人となっています。当村では確認されていませんが、県内では東北信を中心に感染者が増えており、大変心配な毎日であります。この夏は、ほぼすべての行事、祭りも中止、ふるさとに帰省できないお盆など、いつもと違った淋しい夏でありました。その後の状況は、後程説明させて頂きますのでよろしくお願い致します。

(村の状況)
この9月議会では令和元年度の決算がまとまりましたので、報告させて頂きます。昨年は、大きなインフラ整備と致しましては、旧清内路中学校、清中プラザの一室を改修しての清内路振興室の移転、小中学校に空調設備完備、コンビニ交付収納システム導入、治部坂ログハウス改修工事、アグロフォレストリー事業、中央公民館ホール改修工事、宮崎邸跡地の整備などさせて頂きました。他に昼神温泉郷やわいわい運動公園の方向性を住民から意見を聞き、計画作りなど力を注いで参りました。
一般会計の基金は平成30年度末が69億6,817万円、令和元年度末が69億2,967万円、借金を表す村債が平成30年度末が28億437万円、令和元年度末が28億9,807万円であり、財政の健全化を見る指標については、経常収支比率は80.1%、実質公債比率は、-0.1%となっています。今のところ健全な体制が維持できています。
しかし地方交付税は年々減少、コロナ禍や人口減少により税収の減、社会保障費の増など全国共通の悩みをかかえていますので、将来を見据え安定した村政が運営できるよう精進して参るつもりです。

続いて、7月の豪雨による災害についての状況報告です。6月中旬から梅雨入りした日本列島は、各地に多くの災害をもたらしました。特に7月上旬には、ほぼ毎日雨が降り、7月11日(土曜日)の晩には、1時間に最大降雨量35.5mmを計測し、道路、農地、河川関係他、計約160か所が被害に遭いました。南信州地域の他の市町村も多大な災害があり、国県関係の皆さんもすぐに視察に入って頂き、国県の補助金対象の手続きも現在進めています。又、避難所の開設も行い、6日~13日の間、計17か所218人の方が自主避難されました。
コロナ禍での、災害対応でしたので、対応に苦労しましたが、村民の皆さんへの情報提供の仕方、対策本部の設置タイミング、被災地への今後の対応、福祉施設や観光施設の避難など、検証を基に今後しっかり対応して参りたいと思います。

次に新型コロナに関する村の動きです。まだ収束の見えないコロナウィルスですが、現在は県の方針に沿った新しい生活様式により、住民の皆さんに生活頂いています。手洗い、マスク、三密を避ける行動、特にこれから秋の楽しみにしていた行事、敬老会や地区のお祭り、文化祭、運動会も各自治会や公民館の判断により中止せざるを得ない状況にあり、ご協力を頂いています。

学校関係では、短い夏休み、マスクの着用、運動会の縮小、そして学校生活の大きな想い出となる修学旅行も、県外には行けないため、長野県内での対応となります。子供達にとって、これほど辛い学校生活を過ごす事は今までないと思いますが、村としても学力、生活に支障のないよう、対策をとって参りたいと思います。現在、村内の全小中学校とすべての児童生徒がオンラインにより、リモート学習できる環境を整えようと準備を進めています。長期休みや、これからのコロナの拡大にも備える事が目的ですが、新しい時代に向けた、学びを保障する社会インフラの一環として取り組んで参りたいと思います。ネット環境がないご家庭に対しての補助制度など、補正予算で上程させて頂きます。

又、文化財を学習する番組を公民館主導で制作し、今までに清内路のミズナラ、安布知神社、浪合関所跡などケーブルテレビでシリーズ放映し、多くの村民の方にご覧頂いています。映像で解説しますので、わかりやすく大変好評であります。

保健医療関係では、特に高齢者の皆さん、一人暮らしの方などの訪問を、保健師や民生委員の皆さんにこまめに行ってもらい、健康状態の状況把握を行っています。又、あち健康テレビを2週間に一度更新し、コロナ対策や、熱中症対策、夏バテしない食事のとり方など、職員が構想を練り番組制作、放映しています。診療所の体制も、特に熱がある患者さんの対応を徹底して行っています。

経済関係では、7月から予約申し込み頂き、8月から発売させて頂いた、10,000円で5,000円がプレミアムとなる「阿智家族支えましょう品券」は、全村民が購入可能の6,300冊のうち3,791冊(60%)が販売され、今後2次販売として、9月11日から一人3冊を上限に発売予約が始まります。村内事業者の支援を目的としており、村内に大きな経済効果をもたらすプレミアム商品券となりますので、是非第2次も多くの方にお買い求め頂きたいと思います。

又、お盆中の観光関係は、各施設においてコロナ対策に万全の態勢を頂く中で、概ね好調でありました。阿智昼神観光局によると、7月の長雨の影響もありましたが、密にならない 涼しさを求めてか星空ツアーの入込は好調で、併せて昼神温泉は、客室の人数を制限しているため、来客数は例年の7、8割にとどまりましたが、お盆期間中はほぼ満館で、浪合パークも、ヘブンスに入れなかった方や、アカデミックに見たい方に加え、今後は修学旅行の子供達の学習の予約も好調で、今のところこれまでの取組の効果が出ているものと考えています。村内のキャンプ場も8月は盛況でありました。

農業関係は、今回の長雨により、梨の裂果被害や、とうもろこしの糖度の低下もあり、おおよそ300万円の被害の報告がありました。コロナ禍での補正でお認め頂いた、肥育業者を救う牛肉キャンペーンは好調で、昼神温泉やゴルフ場、精肉店での扱いの他、ふるさと納税にもメニューを加え、多くの方にご協力頂いています。
そうは言いましても、新型コロナの感染は、まだまだ世界中を揺るがしています。もうしばらくは耐える時だと思いますので、村民の方のご理解をお願いいたします。村では、補正予算の中で、新型コロナウィルス感染症対策のため、機器等を導入する事業者の皆さんを支援することで、コロナ禍においてもお店を訪れた方など安心できる環境づくりを進めて参りたいと考えています。補正予算については後程説明させて頂きます。

続いて清内路水力発電所、リニア中央新幹線でありますが、水力発電所工事については、現在発電所本体や導水路の掘削、小黒川えん堤の建設、残土処理等工事が行われているところですが、今後さらに送電線の建設が進められる予定になっております。既に取り交わされた確認書の履行はもとより、新たに問題となる送電線についても住民生活への影響を最小化すべく対応して参ります。

しばらくコロナの影響によりストップしていたリニア工事についても、8月17日にリニア対策委員会を開催。28日には清内路地区でJR東海等による工事説明会が開催されました。住民生活等への影響軽減のため、自治会を中心とした清内路地区の皆さんや村の対策委員会等で、協議を頂く中で、今後工事の工程や、村道1-20号線の道路改良案が示され、現在、工事にあたっての確認書締結の最終調整を行っているところです。安心安全に工事が進むよう、さらなる丁寧な説明や協議を事業者に求めていきます。

公共交通につきましては、9月1日より、伍和地区の一部地域を対象にデマンドタクシーの運行を始め、巡回バスの東、伍和地区の路線見直しを行いました。バス停までの距離が遠い事、伍和線のバスの乗車時間が長かった意見から、運行させて頂くものです。村としてはこの方式は初めて導入させて頂くわけですが、いずれもバスと同じ100円で利用できますので、該当地域の方は仕組みを理解して頂き、有効に利用頂きたいと思います。

さて、現在、役場庁舎東側の駐車場の拡幅工事を行っています。今まで田畑だったわけでありますが、完成しますと、計120台の駐車スペースとなり、今までご不便をおかけしていた阿智祭や駅伝大会、イベント等の駐車場不足に対応できます。それまでの間、住民の皆さんにはご不便をおかけしますがどうぞよろしくお願い致します。

阿智村、下条村、松川町、3町村による合同人財育成事業のお知らせです。これからの地域を担う若い世代の育成のために、地域を知り、コロナの中でどう生きていくか、将来に向けての地域づくりを学習する場としたいと思います。村民の20~50代までの若い方、職員向けも企画しながら、他町村の若者との連携も大きな目的です。詳細は、これから無線等でお知らせしますので、ご希望の方は積極的にお申し込み頂きたいと思います。

(上程議案について)

本議会において ご審議頂く案件は、承認案件1件、人事案件1件、決算案件7件、予算案件5件、報告案件1件であります。

承認案件1件
7月の豪雨による、道路や農地、林道、河川等の災害復旧工事に関する専決補正予算で、9月末には国県の査定が予定され、その後工事開始となります。

人事案件1件
阿智村教育委員1名の方について、任期満了に伴う任命に関する同意をお願いしたい件になります。

決算案件7件
決算案件は、令和元年度阿智村一般会計及び各特別会計決算の承認を得るものであります。
一般会計決算は、歳入合計6,080,299,689円、歳出合計5,629,093,347円、歳入歳出差引額451,206,342円、翌年度への繰り越し財源129,357,000円を差し引いた実質残額は、321,849,342円となりました。
歳入についてみてみますと、村税748,014千円であり昨年より1月3日%の減、地方交付税は2,593,126千円と昨年より1月8日%の減でありました。

歳出については、冒頭で述べた通りです。
特別会計の詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくお願いいたします。

予算案件5件
予算案件は、一般、特別ともに補正予算についてであります。
一般会計補正予算第6号は、既定の歳入歳出予算に歳入歳出それぞれ359,162千円を追加し歳入歳出総額7,385,548千円とするものであります。

歳出の主なものは、

・新型コロナ感染症機器等導入補助金 10,000千円

・新型コロナ感染症対策用品購入         5,862千円

・村議会議員選挙費                           1,992千円

・公共交通事業負担金            1,730千円

・飯伊包括医療協議会負担金              1,753千円

・緊急自然災害防止工事                   36,000千円

・オンライン学習環境整備                  39,735千円

・中小企業振興資金保証料                27,500千円

・鳥獣対策報償費                             11,760千円

特に新型コロナウィルス感染症対策につきましては、先にも述べました通り、まずは庁舎内や避難所の対策用品購入、そして事業所の皆さんの感染対策、具体的にはアクリル板や体温感知器等の設備機器導入にあたり、4月に遡り、その購入費の3分の2、10万円を限度に助成致します。阿智村では村全体で、コロナ感染の対策を徹底しながら経済を回していく方向ですので、是非多くの事業所の皆さんにご活用頂きたいと思います。その他、コロナ禍での教育関係のオンライン学習環境整備や、南信州広域全体での取り組み、公共交通バス関係の補助、包括医療の補助を予算計上させて頂きます。

特別会計についてはそれぞれ必要な補正を行います。

以上、ご審議いただく案件についてご説明いたしました。詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

(おわりに)
この9月定例会が、現議員の皆さんにとっては、任期内最後の定例議会となります。特に昔から継続されてきた制度や業務の見直し等について、多く論議させて頂いた事や、第6次基本構想の計画策定、人口ビジョン第2期の計画策定、リニア中央新幹線工事等の対応、智里西保育園建設や清内路振興室、デイサービスセンターひだまりの移転、これからのまちづくりに伴う昼神温泉将来構想計画など大変お世話になりました。
村の発展のため、村民の幸せのためご尽力頂きましたことに深く感謝申し上げます。

秋は、本来ならば、各地域で多くの皆さんが集い、協力して楽しんで頂く機会が多いはずでした。特に敬老会ができず、多くの高齢者の皆さんと話ができる事ができませんでした。しかし、9月21日の敬老の日を中心に、百歳、米寿の方などにお祝いの訪問をさせて頂く事になっています。コロナ禍での訪問は、例年にはない募る話もあろうかと思います。今年は百歳の方が5名、米寿の方が65名と本当にこの村を支えてきて頂いた先輩の皆さんに敬意を表したいと思います。最高齢は104歳です。皆さんいつまでもお元気で、村の歴史や伝統、素晴らしさをしっかり私達に伝えていってもらいたいと願います。ちょうど今年は、熊谷元一さんの生誕110年を記念して、学習会を開いて多くの皆さんに参加頂いています。当時の村民の皆さんの生活や風習の記録を私たちも学ぶことで、村の発展につなげていきたいと思います。

最後に、本年は5年に1度の国勢調査の年となります。9月中旬から調査員が全家庭に調査のお願いに参りますので、村民の皆さんにはご協力をよろしくお願い申し上げます。

以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。みなさんと共に住みたい地域、夢のある地域に向かって、コロナに負けない、いい村作りにまい進していきますようご尽力をお願いして9月定例議会のあいさつと致します。