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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和2年3月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年3月11日更新

はじめに

  日本中が、そして世界中の大問題となっている新型コロナウィルスですが、長野県でも2名が発症し、国からの小中高校の春休みまでの休校要請により、当村でも県のイベント行事自粛の要請にならって、50人以上の行事、集まりはなるべく自粛、実施日の変更が困難なものについてはマスク、消毒液など、しかるべき対応をとって頂き、日頃の手洗いなど村民に情報を流させて頂いています。又、教育関係では今月3日から小中学校を春休みまで休校とし、休み中の社会体育施設の使用禁止、図書館の小中学生利用禁止などの対応を取らせて頂いています。今後、高校受験、卒業式、学童保育の受け入れなどございますが、教職員、保護者、村民が一丸となって、ご理解頂き、この難局を乗り切りたいと思います。

   又、今回の感染拡大は、村内経済にも大きな打撃が見込まれます。とりわけ観光業では昨年の10月の台風災害、暖冬による雪不足などの影響が続く中での追い討ちをかける事態であり、すでに3月から4月の予約の多くにキャンセルが相次ぎ、深刻な状況となっています。現時点で収束が見込めないことから、農業、商工業への影響の拡大も懸念されます。これらの状況を踏まえ、3月2日に村内経済団体の関係者が参集する緊急経済対策本部を立ち上げました。今後、速やかに村内事業者を支援するため、緊急融資に係る利子補給制度や、温泉使用料の一定期間の減免措置、終息局面における特別誘客対策を実施する他、状況に応じた追加の経済支援策も検討して参ります。一日でも早く、新薬が開発され、事態が収束していくように期待したいところです。

  さて、第6次の基本構想も3年目を迎え、将来像「阿智家族」の想いの中で、中期計画、単年度計画のアクションプログラムにより、令和2年度の予算の骨格を、地区懇談会、各団体の懇談会、計画審議会等を昨秋から開催させて頂き、まとまりましたので上程させて頂きたいと思います。

(令和2年度重点施策について)

  第6次基本構想の横断的な施策大綱を確認しますと「定住人口の確保、維持」「人づくり、健康づくり、地域力」「阿智ブランドの確立」「まちづくり計画」の4本の柱で、基本目標、大綱それぞれの仕事の中で、どれにも共通する横断的な事業を展開して参ります。

 その中で令和2年度は特に、5年前に策定した人口ビジョンの2期目に入りさらなる戦略で定住に力を入れること、そして昨年の台風19号で特に北信地域が被害にあった教訓を受け、防災対策に力をいれること、そして長野県リニア、三遠南信自動車道が開通する7年後を見据え、まちづくり計画に力をいれることの3点を中心に進めて参ります。人口は残念ながら5年前の1月1日時点で6,789人、今年の同時期で6,359人であり、430人の減であります。毎年平均で85人程が減少しており目標値に達していません。全ての政策が人口増または維持につながるよう村民一丸となって取り組んでいきたいと考えます。

  防災もハザードマップを活用した地域での取り組み、避難所に太陽光発電、蓄電池の設置、LED化など安心安全の村づくりをさらに進めます。

  又、今年新設した「まちづくり企画係」を中心に、リニア中央新幹線開業後の昼神温泉の姿を描く「昼神温泉将来構想2027(仮称)」の素案を村民の皆様にお示しし、パブリックコメントを実施しました。一昨年の検討委員会の答申や、昨年実施したシンポジウムでの議論を踏まえ、リニア駅、或いは周辺観光地や村内各地とのアクセスの確保、歩いて楽しめる賑わいや魅力の創出、環境や防災の配慮など、世界に誇れる温泉地を想像し、観光客はもとより、村民の皆様にも広く親しんで頂ける環境を整えていく内容となっています。

  多くの方からの意見等を反映の上で決定し、これをたたき台として、今後、更に関係者による推進組織を立ち上げ、具体的計画を詰めてまいる所存です。

 又、教育ではGIGAスクール構想の実現に向け、校内LAN整備事業や外国語教育の充実、保育園の主食の無償提供など行い、福祉関係も要支援者の防災対策事業、あち健康プラン21の次期策定など、社会保障、教育の充実は引き続き万全の体制を整えて参ります。

  そして、この他国の地方創生推進交付金等を利用させて頂き、星空の観光事業、農業と林業を連携させたアグロフォレスト事業展開など、総予算59億3千万円を計上させて頂きました。

「くらし・いきがい・協働」

 定住関係では、これまでに作成してきた阿智家族チャンネルからの定住プローモーション動画を継続し、南信州広域連合やふるさと回帰センターなどと協力して首都圏、中京圏への広報活動、YouTubeなどのSNSとインターネットを通じた情報の広範囲への発信、住宅新増改築等支援金をさらなる活用など、定住施策に前向きに取り組みます。

  又、新規事業で民間会社や個人の方が、賃貸住宅を建設した場合、建設費用に補助金を支援する事業を新設致します。空家の利活用も積極的に行い、情報共有や有効活用に役立てます。

  くらしの中でさらに便利になる点としては、1月から始まった住民票、印鑑証明等のコンビニ交付に加え、4月から納税も可能となります。全国のコンビニエンスストアで対応できるようになります。飯田勤めの方や、ふるさとを離れて暮らす方にとっては便利になりますので、よろしくお願い致します。

 又、今年は熊谷元一先生の生誕110年を迎え、11月14日にシンポジウムを予定し、先生に残して頂いた農村記録写真の功績を、事前に行う学習会など通じて、村民の皆様にも再認識して頂けるよう取り組みます。又、災害時のみならず、情報提供手段を拡張するため、ラジオの難聴地域解消支援事業にも着手していく予定です。

  主な事業と予算は  

 ・定住促進広告宣伝事業               192万円

 ・定住促進のための住宅新増改築等支援金 1,500万円

 ・賃貸住宅建設支援事業               500万円

  ・自治会活動支援金                2,175万円

 ・CATV運営事業                  7,205万円

 ・浪合フォーラム改修                4,234万円

 ・役場駐車場整備事業               3,960万円

「教育・文化・地域愛」

 子供達が阿智村を愛し、進学や就職で離れることがあっても、いつかはふるさとに帰って来てくれる為、なんといっても教育は大切であります。

 充実した教育環境の整備、特に校内LAN整備事業や、保育園から取り組む外国語教育の充実、昨年10月より保育園料が無償化となったことから併せて全園、主食の無償提供に踏み切り、阿智産のごはんを子供達がたくさん食べて、健康に成長してもらうことを願います。

  又、引き続き子育て世代包括支援センターや児童家庭相談員の配置による、きめ細やかな相談業務を行います。産後のケ アも重要と考え、産後1年までの母子を対象に、一定期間医療機関や助産所に宿泊して、保健指導を受ける制度を導入します。そして、インフルエンザワクチン接種補助も、村外の医療機関でも補助対象と致します。今年度も引き続き、ふるさと学習をカリキュラム化して地域を愛し、自然や歴史、地域資源を体験する教育を目指します。

主な事業と予算は

 ・産後ケア事業の支援強化              95万円

 ・高校生世代までの医療費支援       2,070万円

 ・子どもの予防接種の拡充            1,291万円

 ・校内LAN整備事業                  5,500万円 

 ・外国語教育の充実                 825万円

 ・全園主食の無償提供               132万円

 ・社会体育館ユニバーサルトイレ工事    1,747万円 

「福祉・健康・医療」

 健康で小さい子供からお年寄りが生きがいを持ち、幸せに暮らすことが何よりも大切です。当村ではあち健康プラン21に沿って、年代別の健康増進、トリプルAサポート事業、特定健診の充実により、村民の健康づくりに邁進しています。又、認知症対策に力を入れており、サポーターの養成講座や、見守りネットワークの構築、認知症カフェの支援など行っています。新規では、要支援者の防災対策事業として自家発電機購入補助金制度の新設、あち健康プラン21が来年度で最後の年となるため、その評価と新計画の作成をして参ります。

5年間の傾向や、村民の生活や健康状態にマッチした健康プランを住民の皆さんと共に作って参ります。

主な事業と予算は

  ・診療所の運営                        6,110万円

  ・地域包括支援センター事業             5,929万円

  ・要支援者の防災対策事業              4,719万円      

  ・あち健康プラン21の事業と新計画の作成  2,582万円

  ・各種健診事業等の実施                  1,577万円

 ・予防接種事業                             1,914万円

 ・地域で展開する健康づくり                  262万円

「産業振興・雇用創出」

 観光を基軸とした産業振興をめざすため、年間130万人が訪れる観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。阿智昼神観光局の目的の一つに、観光と商工業と農業をつなぐ連携した事業展開を期待していますので、それぞれがうまくかみ合い相乗効果で経済の発展につなげていきたいと考えます。この2月にトマト、きゅうりを定植して始まった冬場のビニールハウスにバイオマスエネルギーを利用した、アグロフォレストリー事業は、4月早々には収穫を迎え、冬場の事業展開として農業を活性化させたいと考えています。又、農業研修生専用の住宅も村で空家を購入し、将来定住につながる試みを進めます。そしてぶどう等の新しい果物が観光産業につながるよう研究も進めて参ります。

  森林事業にも積極的に、路網整備や支障木伐採を始めます。そして観光では、昼神温泉将来構想の具体化に向けたまちづくりの基本設計の実施や、空き店舗を活用した飲食兼情報発信拠点の運営の他、治部坂高原の旧トヨタ健保保養施設を活用した宿泊事業の立ち上げを行います。又、既に阿智村の貴重な観光資源である花桃まつりとその管理について、村の事業として位置づけ、将来に渡って安定的に運営できる体制を整えて参ります

  商工会との連携では、住宅リフォームやプレミアム商品券などの消費活性化事業に加え、新たに従業員に対する健康診断経費の補助等を実施して参ります。

主な事業と予算は                   

 ・観光事業の補助金            12,250万円

 ・スタービレッジ事業             3,250万円

 ・昼神温泉将来構想基本計画設計    2,000万円

 ・花桃まつり・花桃管理事業         1,300万円

 ・運動公園周辺整備計画          1,325万円 

 ・産業振興公社助成金              2,955万円

 ・農業研修生専用住宅設備事業       1,000万円

 ・森林整備事業                 5,322万円

 ・有害鳥獣対策事業              1,778万円

 ・商工業者経営支援、振興事業       1,240万円

 ・プレミアム商品券事業              630万円  

「環境・防災・安心」

 私達が安心して暮らすために、大変重要な位置づけであり、近年頻繁に起こっている災害に対する自助共助の防災の意識を高めます。昨年、村のハザードマップを全戸に配布させて頂きましたので、各地域での学習を含め自主防災の意識付け、近年の相次ぐ停電の反省から、非常用発電設備の設置や、孤立地区へ向けた防災倉庫の整備を行います。又環境面では美しい景観の保全の創出として、一緒に考え支援して参ります。燃やすごみの削減や観光地にふさわしい美しい村づくりの意識付けをして参りたいと思います。

そして、道路等の整備では、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから整備して参りたいと思っています。公共交通では愛称を「スターライトバス・乗合タクシーあちっこ号」とし、伍和地区の一部を乗り合いタクシー形式にして、利便性の向上につとめます。

主な事業と予算は  

 ・西部衛生施設(含改修負担金)          15,224万円

 ・園原浄水施設改修                  3,000万円

 ・星くずの紙事業                       50万円

 ・村道林道の整備                    5,200万円

 ・伏谷橋撤去工事                         10,000万円

 ・避難所太陽光発電、蓄電池、低酸素化強化  33,033万円            

 ・孤立地区への防災倉庫整備                  174万円

 ・村内巡回、乗り合いタクシーの運行            4,035万円

 ・非常用発電機                             3,461万円

 以上、令和2年度の主な事業です。新たな夢に向かった新規事業も多く組み入れさせて頂いている中で、繰り返しになりますが、定住に向けた事業、防災対策事業、まちづくり事業等に、重きを置いた予算となっています。新型ウィルス等で世界中が危機の中で、「阿智家族」の精神で、住民が助け合い協力し合って乗り越え、阿智村も新たな輝きを刻んでいきたいと願っています。

(議会審議)

 本議会でご審議いただく案件は、人事案件2件、条例案件9件、予算案件7件他であります。

 承認第1号は、専決第2号、令和元年度阿智村一般会計補正予算第6号について承認をお願いするものです。既定の歳入歳出予算総額に13,200千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,905,288千円とするもので、中関の村道改良工事等による補正であります。         

 人事案件は人権擁護委員の任期満了によるものです。

 条例案件他につきましては、上程の都度説明させて頂きます。

 予算案件は、令和2年度阿智村一般会計及び各特別会計予算の議決をいただくものです。一般会計予算は、歳入歳出予算総額59億3千万円と昨年度当初予算52億8千5百万円と比較し、6億4千5百万円の増であります。

 歳入については、村税で前年度より15,236千円減の723,954千円、地方交付税は前年度より3,000千円減の2,347,000千円となります。

 基金繰り入れは、村道整備等に財政調整基金から459,000千円、防災倉庫やスポーツトラクター購入に、ふるさとづくり基金から、6,650千円、役場周辺駐車場整備等に、公共施設整備基金から87,600千円など、前年度より180,543千円の増となり、繰り入れ総額は594,318千円となります。歳出については、先ほど主な事業について申し上げましたので、内容については「事業等計画書」を参考にしていただきたいと思います。

 

次に特別会計ですが、

    阿智村国民健康保険事業特別会計は、事業勘定で歳入歳出総額655,300千円、直営診療所勘定で歳入歳出総額

57,400千円、

 阿智村下水道事業特別会計は、           歳入歳出総額307,000千円

 阿智村介護保険特別会計予算は、        歳入歳出総額859,000千円

 阿智村農業集落排水事業特別会計は、 歳入歳出総額 68,500千円

  阿智村後期高齢者医療特別会計は、     歳入歳出総額 78,000千円

  阿智村水道事業特別会計は、               歳入歳出総額 308,437千円です。

  この他、令和元年度各会計の補正予算等について追加日程でご審議いただくことになります。               

以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

(おわりに)

 皆さんご承知の通り、南信州ではリニア中央新幹線の動きが一歩ずつではありますが進んでいます。村内では、清内路地区において本線のトンネル掘削工事が予定されていますが、これに先立ち、資機材の運搬経路として利用される村道1-20号線の改良計画が概ねまとまり、去る2月27日にJR東海より関係者への説明が行われました。今後リニア対策委員会や清内路地区への説明を経た上で、地権者との協議が行われることとなります。来年度には、道路改良工事が開始されるタイミングとなって参りますので、これらに着実に対応すると共に、地域住民の生活への影響を極力排除できるよう、引き続き取り組んで参ります。

 又、南信州広域連合の伝統文化継承事業の中で、清内路の手作り花火がモデルとなり、平成29年から3年間にわたり映像に収めて頂きました。約290年続くこの伝統文化を次世代に残していくために、大変な貴重な資料として完成いたしました。3月7日に阿智村でのお披露目予定でしたが、新型コロナウィルスにより延期となりました。次の機会に期待したいと思います。 

   そんな中で、歴史を振り返り、リニアや三遠南信自動車道開通の明るい未来に期待を込めつつ、一方で地方創生による人口や地域活力の問題、少子高齢化などこれから取り組むべき課題も多くあります。我が村が、輝く自治体として一人ひとりが元気と知恵を出して、素晴らしい阿智村をめざすために、多くの村民の方のご意見を頂きながら、令和2年度もどうぞよろしくお願いいたします。 

以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。よろしくお願いいたします。