ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 分類でさがす > 村政情報 > 村長室 > 村長室 > 阿智村定例議会(令和元年12月6日)村長あいさつ
村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和元年12月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月6日更新

はじめに

 いよいよ今年もあと1ヶ月となり、師走の大変寒く忙しい時期となりました。
9月から11月にかけ、当村では毎週のように行事やイベントがありました。多くの村民の皆さんに楽しんで頂いた阿智祭、第51回阿智村駅伝大会、村政功労者表彰式、プレミアム商品券発売、ライトダウン村民デー、湯ったりーな昼神300万人達成イベント、ふくまるくんカード更新イベント、熊谷元一写真コンクール表彰式、伝統の清内路花火、村民運動会、敬老会など、皆さんがそれぞれの会場でお会いすると、元気で活躍する姿は大変うれしく思いました。

 今年は、なんといっても10月12日、台風19号による長野県を含む広範囲で起きた大雨による災害のことが悲しい出来事でした。飯田下伊那地域では軽微なものでしたが、千曲川流域をはじめ東日本を中心に広く災害が発生しました。犠牲となられた皆さんに謹んで哀悼の意を表すとともに、被災された皆さんの一日も早い復興を願う次第でございます。被災地へは当村から職員4名の応援派遣やブルーシートなどの応援物資の届け、募金活動、社協さんも職員派遣や応援ボランティアバスツアーの企画など行って参ったわけですが、こうした災害の現状を見るにつけ、大規模災害に対しては、やはり広域的な対応が必要であることを改めて痛感した次第です。当村も住民の皆さんの安心安全な暮らしを守るため、12月に全戸にハザードマップを配り、各家庭地域で活用頂きながら、防災対策の推進に努めると共に、必要な警戒を怠らぬようにして参りたいと考えています。

(村の状況)
 さて、阿智村ではこの3か月の間に様々な出来事がありました。
 主なものをいくつか述べさせて頂きます。

 代表的なものとして、11月18日に、老朽化に伴い、地域の要望でありました清内路振興室を旧清内路中学の一角に移転することができました。昭和 42年に清内路村役場として開設以来、実に52年間、地域の皆さんに親しまれてきた建物でした。特に清内路地区の皆さんに振興協議会等を通じて、旧清内路中学校をどうするかという長い議論の中で、様々な紆余曲折がありましたが、約10年間空いてしまっていた中学校に、昨年のデイサービスに続き、ようやく灯をともすことができました。元職員室であった一室を改修し、玄関を自動ドアにし、入りやすい空間となりました。又、昨年実施した、ぬかるんでいたグラウンドの舗装により、会議、イベントなど駐車場に利用することができるようになりました。建物の名称を「清中プラザ」として福祉の充実、住民の皆さんの集う場として整備し、さらに地域振興に発展していってもらいたいと願います。

 全国、長野県でも騒がれました豚コレラ(Csf)についても、当村ではここにきて、野生いのししに5件の陽性反応が出てしまいました。県の指導を頂きながら、猟友会の皆さんのご協力も頂き、いのししの処分、経口ワクチンの実施、役場等の入り口に消毒の設置、休日の対応など行って参りました。南信州地域でも広がっており、しばらくは終息が見込めそうにもありません。村では11月15日からの狩猟期でも、いのししに限って捕獲報償費を支払うよう補正を組ませて頂きましたので、よろしくお願いいたします。

 又、村では11月に8か所の地区懇談会を開催し、5年前に策定した人口ビジョンの検証と、実際の人口データを見て、それぞれの地区から、特に定住についてご意見を頂きました。どの地区においても、右肩下がりではありますが、空家の事や遊休農地のことも話題に出て、譲って頂くには近所の地域の皆さんの協力も必要であり、清内路地区で自主的に行っている空家の会の取り組みも大いに参考になりました。又、山の手入れの事、里山整備についても意見が出ました。時代が大きく変わり、建物の構造やエネルギーの変化から木が売れない昨今や、全国的に今まで森林政策に力を注いで来なかった事も原因であります。分科会方式でテーマ毎に論議した自治会もあって、活発な意見も多く出されました。

 さて、教育関係では、中学の放課後の部活動のあり方について、検討を進めています。具体的には部活動の延長としての阿智中クラブを廃止して、チャレンジゆうAchiの講座に位置付けるものです。12月2日にチャレンジゆうAchiのNPO法人設立総会が開かれ、来年4月発足に向けた準備が着実に進められております。現在、阿智中クラブ保護者会との調整、話し合いを行っており、来年度スムーズにチャレンジゆうAchiの講座に移行できるよう努めて参ります。

 又、公民館事業では、阿智村出身でふるさとを離れて暮らし活躍している皆さんに、シリーズで「ふるさと阿智村への提言」と題して、離れてみて感じたこと、故郷へのアドバイスを頂く講演会を行いました。10月29日と、11月29日にそれぞれ二人ずつ、スポーツや美容界、再生エネルギーや人材など多岐にわたって貴重な話を頂きました。森林の中のジョギングできるコースは都会の人のあこがれであり、是非作ってみたらどうか。温泉を使ったエネルギーの可能性や、コワーキングスペースを作って新しい仕事の可能性が広がる挑戦をしたらどうか。阿智は村民が思うより外では注目されている事実をもっと知り、誇りに思うべき。など大変参考になりました。

 11月24日に開催された第51回阿智村駅伝大会では、50チームが参加し、好天のもと賑やかに開催できました。南信州地域の中でも51回という伝統は、天龍村の梅花駅伝と共に歴史があり、走る人、支えるスタッフ、応援する人が一体となった、今や阿智村の最大のイベントとなりました。多くの皆さんに支えて頂いているこの駅伝大会が長く続いて、さらなる絆が深まるよう期待したいと思います。

 まちづくりの面では、12月5日にわいわい公園周辺整備検討委員会主催により住民からの意見を聞く会が開催されました。これまでも住民懇談会などで、駐車場が足りない、子供の遊び場が駐車場に近く危険だ、トイレが古い、ランニングコースが欲しいなど、様々な意見が出されていたところですが、委員会として半年間の検討結果をたたき台として示し、自由なご意見を頂きました。 今後更に、幅広い世代の意見を集約、反映し、委員会として今後答申を頂く予定です。
又、昼神温泉につきましては、昨年11月の昼神温泉将来構想検討委員会による答申、今年9月の将来構想シンポジウムでの議論等を踏まえ、現在、村及び阿智昼神観光局の立場から、具体的な構想の策定作業を進めております。
2027年のリニア中央新幹線の開通を見据え、昼神温泉に備えるべき機能や必要な取組についての具体的方針を、今年度中を目途にお示して参りたいと存じます。この中で、中心部に位置する湯ったりーな昼神、鶴巻荘、熊谷元一写真童画館などの村有施設の機能や今後の方向性についても検討し、明確にして参りたいと考えております。

 リニア中央新幹線の工事進みぐあいについてでありますが、JR東海では11月7日に「中央アルプストンネル(萩の平)工事における環境保全報告書」及び「阿智村における水資源に係る具体的な調査計画書」を公表しました。その後長野県環境部では、11月12日に報告書及び計画書に対する環境保全の見地からの意見募集を行っており、村でも10月17日の工事説明会で出された意見や、関係機関から意見を聞く中で、意見書を提出する予定となっております。今後長野県からJR東海に対し、事業の実施に伴う環境への影響が、最大限回避、低減されるように助言が行われますが、JR東海には環境保全への措置については、一律的な基準ではなく、この地域で生活する住民の皆さんを第一に考えて対応して頂くよう要望して参ります。

 民生関係では、11月25日に認知症に伴う高齢者の免許返納、公共交通についてシンポジウムを開催し、飯田病院のドクターや、飯田警察署交通課の方など説明を頂きました。認知症に心配のある高齢者の方が、今の公共交通のしくみで本当に家まで帰ってこれるのか、免許返納の対策としてタクシーチケットやシニアカーの補助など意見も出されました。高齢ドライバーの事故は社会
問題となっており、今後しっかりとした対応をとって参りたいと考えます。
ちょうど11月21日には、交通死亡事故ゼロの連続1000日達成の表彰を長野県より頂くことができました。国道が走り、これだけの観光客が来ている村としてのこの表彰は、大変価値あるものだそうです。安協の皆さんの日頃の啓蒙活動と、南信州一長い人波作戦の効果かと思います。

  今年は第22回の熊谷元一写真コンクールの表彰式を熊谷元一写真童画館で開催しました。テーマは「食べる」で、今年全国から206人529点の応募がありました。全国規模の大きなコンクールとなりましたので、年々レベルが上がり、力作が揃い、大賞に岩手県の山口元広さんの作品が選ばれました。
元一先生が残された記録写真は歴史を振り返るうえで大変参考になり、懐かしさだけでなく、見るたびに、これからの私たちの生き方、日本の進むべき道を考えさせてくれます。先生の功績を語り継いでいく事とともに、記録写真を残していく事の重要性を改めて感じました。


 (議会案件)

 本定例会においてご審議頂く案件について申し上げます。
案件は、人事案件1件、条例案件10件、予算案件5件であります。

 人事案件は、固定資産評価審査委員の内1名が任期満了になりますので、選任について同意を求めるものであります。  

  条例案件のうち、日程第5、6、10については、新たに創設される会計年度任用職員制度に関しお願いしたいものでございます。

  日程8の特別職の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定については、長年の懸案となっていた月川温泉について、本年9月1日付けで施設を村有化することで、村としての大きな課題を解決できたものと考えておりますが、この過程で混乱が生じたことに対し、私自身のけじめ、責任をお願いしたいものでございます。

 

 (予算案件)

  令和元年度阿智村一般会計補正予算第5号は、既定の歳入歳出予算総額から、それぞれ109,728千円を追加して歳入歳出予算総額をそれぞれ 5,892,088千円とするものです。
歳出の主なものは、
  ・二酸化炭素排出抑制対策事業設計費                6,140千円
  ・豚コレラ対策用トラック購入費                        594千円
  ・給油用ポンプ交換                      682千円
  ・浪合フォーラム改修事業設計委託料                 1,268千円
  ・定住住宅新増改築等支援金                           10,000千円
  ・ぬくもりの田舎暮らし推進事業補助金の追加       1,400千円
  ・自立支援給付費等国庫負担金返還金等             2,805千円
  ・広域入所保育委託料                   2,615千円
  ・米飯提供用保育園改修工事                           7,908千円
  ・米飯提供用調理器具等備品購入                   6,777千円
  ・雨よけ施設資材費補助金                               3,650千円
  ・中山間総合整備事業負担金                         12,000千円 
  ・鳥獣捕獲報償費                                              1,500千円
  ・温泉維持費返還金                                         24,720千円
  ・村単道路維持補修工事                                 40,500千円
  ・消防団イメージアッププロジェクト事業                      750千円
  ・被災地義援金                                                  1,000千円

   特に、保育園給食において、今まで子供たちは弁当の持ってくるでしたが、来年度から主食の米飯を村で提供する為、効率の良い仕事ができるための施設の改修や調理器具の備品購入にあてる予定です。
又、冒頭にも述べましたが、豚コレラ(Csf)による影響で、村では11月15日からの狩猟期でも、いのししに限って報償を支払う対応をさせて頂くよう補正を組ませて頂きました。
又、温泉維持返還金につきましては昼神温泉郷1軒の旅館の経営者の変更に伴う、温泉権利金を返還するものです。
被災地義援金100万円は今回の台風19号の被害にあわれた長野県の皆さんに、県を通じて当村からお見舞いとしてお渡しするものです。

    以上がご審議いただく案件であります。上程の都度詳しく説明致しますのでよろしくご審議を頂きますようお願い致します。

(おわりに)
  先日11月17日に、永年の悲願でありました天竜峡大橋を含む三遠南信自動車道、天竜峡ICから龍江IC間が開通致しま した。今回の開通により、竜東地域へのアクセスが格段に向上し、通勤、通学、買い物などが便利になり、なかでも天竜峡大橋につきましては、道路の下を歩くことができる「そらさんぽ天竜峡」が設置され、名勝天竜峡の新たな観光スポットとして大きく期待が持てます。特に昼神温泉を中心とする当村の観光との連携は、大変な効果があると確信します。自動車道の工事も各工区で着実に進められており、本年3月には青崩道路、本杭掘削工事に着手され、飯喬道路第3工区も順調に進捗しているとお聞きしています。永年の要望活動が目に見えて進んでおり、国県、多くの皆さんのご努力に感謝申し上げたいと思います。

  そして、来年1月24日からコンビニ交付システムが稼働します。村民の皆さんの利便性を考え、マイナンバーカードを利用して、全国のコンビニエンスストアで住民票、印鑑証明などが交付できるようになります。近隣町村と連携することで、国の特別交付税など受け、村の負担も軽減できることから、飯田下伊那地区では先駆けて、松川町、高森町と共に実施させて頂く予定です。

  新しい元号となった令和元年もあと3週間程です。天皇の即位、大雨や首里城全焼の災害など令和という時代は、当村にとっても大きな時代の節目だったと感じます。先人が築いて頂いた当村の歴史や道しるべを、新たな時代もしっかり舵を取って参りたいと思います。飯田下伊那地区では、リニア開業まであと7年と迫り、駅周辺整備や二次交通の事、残土の問題、アリーナやコンベンションホールの設置など議論が熱く進んでいます。広域全体の事を考えながら、当村としての役割、戦略を考え、今後進むべき道を示して参りたいと考えます。

  以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。安心で夢のある地域に向かって一緒になっていい村作りにまい進していきますようご協力をお願いしてあいさつとさせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。