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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和元年9月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月12日更新

はじめに

 9月になり暑い夏も終わり、特に朝夕は涼しい季節を迎えました。今年の夏は、昨年の異常気象、高温の真夏日が続いた事に比べれば、過ごしやすかったと思いますが、教育施設へのクーラー設置や夏休みを長くするなど対処したこともあり、大きな問題にはならなかったと考えます。これからも長雨や台風の時期で農作物への影響も心配されますが、田んぼも色づき始めると一気に秋だと感じます。

 9月1日にはちょうど防災の日当日に、震度5弱の災害が起きたと想定して、村内一斉に防災訓練を実施致しました。先日の九州での大雨で被害が出たように、近年ゲリラ豪雨や地震、噴火などいつ災害が起きるかわかりません。村では今後避難所への停電時の非常電源確保など計画していきますが、行政が万が一機能しなくなった時の自主防災組織のあり方や、具体的な動きなど是非、各自治会でも体制を整えて頂きたいと思っています。

 さて、この夏は当村にとって大変うれしいニュースがありました。阿智中学校女子バレー部が昨年に引き続き中体連北信越大会の出場を決めました。粘り強く拾ってつなぐスタイルで、南信大会では決勝でライバルの南箕輪中学をフルセットの末破って優勝、県大会では3位で通過、北信越大会ではベスト4と、ほとんどが私立中学の中で、村立の阿智中は純粋に村の出身者でメンバーを固め、素晴らしい大健闘の結果でした。

 このニュースは阿智村にとって、大変な快挙であり、村民に勇気と元気を与えてくれた事に感謝したいと思います。

 

(村の状況)

 この9月議会では平成30年度の決算がまとまりましたので、議会中に報告させて頂くことになっています。昨年は、大きなインフラ整備と致しましては、旧清内路中学校跡地にデイサービスセンターひだまりの建設、浪合高齢者コミュニティーセンター改修、中之橋架替工事他村道改良工事、西部衛生施設、浪合パークの整備などさせて頂きました。他に乗合タクシーの本格運行、若駒アカデミーの運営、給食には阿智産コシヒカリの提供など、教育福祉の制度の充実にも力を注いで参りました。又、以前からお願いしていた大雨で増水時に心配でした阿智川の河床整備も県の予算、ご尽力により少しずつ始めることができました。

  基金は平成29年度末が66億3,471万円、30年度末が69億6,817万円、借金を表す村債が平成29年度末が28億4,075万円、30年度末が28億437万円であり、財政の健全化を見る指標については、経常収支比率は79.8%、実質公債比率は、-0.5%となっています。債務よりも年々基金が多くなってきていることで、今のところ健全な体制が維持できています。

 しかし地方交付税は年々減少、少子高齢化により税収の減、社会保障費の増など全国共通の悩みをかかえていますので、将来を見据え安定した村政が運営できるよう精進して参るつもりです。

 さて、この夏には様々な出来事がございました。

 恒例の夏まつりは7月27日に大煙火大会を予定していましたが、2年連続で台風で翌日に延期し、28日は星が見える晴天に恵まれ、昨年完成したばかりの中之橋で多くの皆さんに花火を見て頂くことができました。これも御寄付頂いた多くの企業や村民の皆様、そして関係者の皆様のご尽力の賜物と感謝致します。お盆には浪合でも大煙火大会、昼神では数日間に亘って盆踊り等の夏祭り、各地域でも雨で中止になった所もありましたが、夏祭りが盛大に行われ帰省客の皆さんと楽しいひと時を過ごされたようであります。

 観光では昼神温泉を中心とする観光業は、7月中旬まで少し雨の影響もありましたが、8月は大変好調で、阿智昼神観光局によると7月中旬少し雨の影響もありましたが、涼しさを求めてか星空ツアーの影響はかなり大きく、今年から昨年のような大混雑を軽減するため、完全予約制にした効果で、安定したお客様の確保や住民の皆様へ迷惑がかかることは少なく済みました。夏休み中は旅館の予約が取れずに周辺市町村にまで波及効果があったようであります。1周年を迎えた「浪合パーク」との相乗効果で、ヘブンスに入れなかった方や、アカデミックに見たい方、団体の皆様の学習にと、効果が出ています。村内のキャンプ場は今年も大盛況で、やはり星の話題で全国放送のテレビ、ラジオ、雑誌、新聞の効果は大きく、星空日本一の村としての定着を感じさせられた夏でした。星空とコラボレーションした映画祭や、全国都道府県から公共交通機関を利用してお越しいただくルート47イベント、今後9月29日には夜一斉に村じゅうの家の電気を消して星を眺める「あちライトダウン」を開催しますので、多くの村民の方にご協力頂きたいと思います。

 又、10月からは湯ったりーな昼神が入場者300万人に到達する見込みで記念イベントを開催する予定です。1カ月間、入場者に豪華賞品が当たる応募カードを配布、10月19日には記念イベントも開催します。村民に愛される入浴施設として、これからも多くの方にお越し頂きたいと思います。

 この秋には環境整備の一環として、特定空家の解体事業、略式代執行を行わさせて頂く予定です。3年前に発足した「空家等対策協議会」の意見も反映し、阿智村の空家の現状分析の中で、特定空家として認定候補の物件に、昨年から積極的に持ち主、相続されている方にコンタクトを取って参りました。少しづつではありますが、持ち主から親族会議を開いて、空家を解体処分する意向の連絡を頂いて、早速実施されるなど効果が出ています。

 当村では飯田市に次いで宅建協会飯田支部と契約し、民間の皆様のお力を借りしながら対策を講じていますし、空家解体のため金融機関から借り入れをした時の利子補給を村費で負担する制度も始めています。空家等対策計画を策定することで、今後特定空家として認定となれば、行政の権限において解体も可能となり今回の略式代執行の運びとなりました。10月執行予定であります。現在村内には230件程の空家があり、環境衛生的にも問題となっており、これから再利用も含め少しずつ着実に解決して参りたいと思っています。しかし、一番の問題点は、相続できていない物件がほとんどで、定期的に土地建物の相続の相談会を今年から開催していますので、是非ご利用下さい。 

 農業関係では、7月に日照不足が続いた影響もあり、南信州ではももなど果物に影響が出たようです。当村では大きな影響がなかったようですが、やはり浪合のとうもろこし等に大きさや甘みに少なからず影響もあったようです。天候に左右される農業の、安定的な生産に産業振興公社、農協さんと様々な政策を検討して参るつもりです。本年の大きな事業であります、アグロフォレストリー事業も、いよいよ伍和丸山地区で建設工事が始まりました。

 冬場の農産物の安定的な生産のため、これからバイオマスボイラーの導入など整備して参ります。

 又、この夏は中部地方を中心に豚コレラの対応に追われる日々でした。お隣の岐阜県から根羽村、木曽方面へと豚コレラに感染したイノシシの対応に、猟友会の皆様の多大なるご協力を得て、経口ワクチンの散布など行って頂きました。阿智村では捕れたイノシシは全て陰性ではありますが、これからも県の指導を頂きながら拡大しない対応を行っていきたいと思っています。

 この秋には、当時の清内路村が阿智村と合併して10周年になります。合併した時の想いは、一人ひとりの住民にとって様々なものがあると思います。伝統ある清内路花火の精神を基本に、人口が唯一減っていない地域として長野県のモデルにもなっています。旧清内路中学校の跡利用もメドがたって参りました。昨年12月のデイサービスひだまりの移転、そして花火が終わって落ち着くこの秋には、長年の懸案でありました振興室を移転致します。

 10月27日(日)には10周年記念行事を計画していますので、改めて清内路地区の歴史を振り返り、新たな未来に向かって進む機会にしたいと思っています。

 清内路では、数年前から計画が進んでいるリニア中央新幹線、水力発電所でありますが、水力発電所工事については、発電所本体や導水路の掘削、小黒川えん堤の建設、残土処理等工事が行われています。実際に工事が始まると様々な課題が生じることもありますので、すでに交わした確認書の履行についても、全て業者にお任せでなく、行政の立場として監視に努めていきます。

 同時にリニア工事についても、住民生活等への影響軽減のため、自治会を中心とした清内路地区の皆さんや村の対策委員会等で、協議を頂く中で、今後工事の工程や、村道1-20号線の道路改良案、発生土置き場の安全性など具体的に示されることになりますが、安心安全に工事が進むよう、さらなる丁寧な話し合いや説明を事業者に求めていきます。

 国や県に対して、7月は南信州広域連合や道路の期成同盟会として様々な要望活動も行って参りました。飯田南バイパスの要望も熱が入って参りましたし、国道153、256号線、県道の改良工事や治水対策など、設備ができて経年劣化しており、メンテナンスの重要性もあり、私たちの生活の安全のために、今後も引き続き要望をして参りたいと思います。

 その他、子育て世帯や住民税非課税世帯向けへのプレミアム商品券の発売、充実した公民館行事、生涯野球大会、小中学生の沖縄研修、戦没殉難者追悼式、婚活事業などこの夏も阿智村の住民の皆さんは、元気に活躍して頂きました。

 

(上程議案について)

本議会においてご審議頂く案件は、人事案件2件、条例案件7件、事件案件2件、決算案件7件、予算案件5件、であります。

・人事案件2件

 阿智村教育長と委員1名の方について、任期満了に伴う任命に関する同意をお願いしたい件になります。

・条例案件7件

 「阿智村印鑑の登録及び証明に関する条例の一部を改正する条例の制定について」や「阿智村手数料条例の一部を改正する条例の制定について は、コンビニエンスストア等における自動交付の規定など制定したいものです。

 他、保育事業については、10月より保育料が無償化となりますが、副食費は有料としますが、同時に通う2人目は半額、3人目は無償とするようお願いしたいものです。又、国保診療所施設、商工観光事業などございますが、詳細については上程の都度詳しくご説明いたします。

・決算案件7件

 決算案件は、平成30年度阿智村一般会計及び各特別会計決算の承認を得るものであります。

 一般会計決算は、歳入合計5,754,991,013円、歳出合計5,201,051,933円、歳入歳出差引額553,939,080円、翌年度への繰り越し財源170,258,000円を差し引いた実質残額は、383,681,080円となりました。

 歳入についてみてみますと、村税757,630千円であり昨年より0.6%の増、地方交付税は2,641,538千円と昨年より5.7%の減でありました。

 歳出については、冒頭で述べた通りです。

 

 特別会計の詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくお願いいたします。

 予算案件は、一般、特別ともに補正予算についてであります。

 

 一般会計補正予算第3号は、既定の歳入歳出予算に歳入歳出それぞれ351,402千円を追加し歳入歳出総額5,764,705千円とするものであります。

歳出の主なものは、

・庁舎喫煙所整備工事               

・地下タンク漏洩事故防止対策工事         

・村設置宣言看板等修繕工事            

・プレミアム付商品券換金業務委託        

・宮崎邸跡整備工事                

・まちひとしごと総合戦略策定委託         

・保健センタートイレ改修工事           

・大豆乾燥機、そば乾燥機購入費            

・ニホンシカ、イノシシ等の捕獲報償費         

・豚コレラ防疫用消耗品                

・自然災害防止工事                  

・道路改良工事                    

・住宅管理費                    

・スクールバスドライブレコーダー購入費        

・清内路煙火調査、記録保存事業            

・前年度繰越金の2分の1を財政調整基金に積立    

 特に宮崎邸跡地につきましては、平成18年に宮崎氏から中関の大杉周辺の土地や建物などご寄付を頂いてから、その 

活用について地元の皆さん等と話し合いを重ねて参りましたがなかなかまとまらず、蔵が危険な状態であり、村の文化財でもあります大杉も手入れができていない状況でしたので、地元の方の理解を経て、第一段階として蔵の解体と荒地の造成整備に補正予算をお願いしたいものです。

又、以前より村内には、暴力団追放宣言、空き缶を投げ捨てない宣言、交通安全など看板がいくつも設置してありますが、老朽化して危険なものや、文字が消えて読めないものがあり、景観上好ましくない看板がありました。その撤去費用や、リニューアルとして補正予算をお願いしたいと思います。

 

特別会計についてはそれぞれ必要な補正を行います。

   以上、ご審議いただく案件についてご説明いたしました。詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

 

おわりに

 先日、議会の皆様と三遠南信自動車道天竜峡大橋の視察に行って参りました。話には聞いていましたが、実際に人が歩けるようになる大橋を見学すると、天竜峡の素晴らしい絶景を体験することができました。真っ先に浮かんだのが、阿智村の観光ルートとしても大変な効果があるでしょうし、南信州全体の観光名所としてまさに目玉となり得ると感じました。リニアが8年後に開業した時、昼神温泉が他の温泉地に負けない観光地になるように、数年前から将来構想を練っているわけであり、検討委員会からの答申発表と幅広く村民の皆さんから意見を聞けるように、9月14日(土)午後1時から昼神温泉将来構想シンポジウムを開催します。全国各地の観光地をアドバイスしている先生や、まちづくり、交通の専門家の先生の意見も聞くことができますので、是非多くの方のご参加をお待ちしています。

  又、わいWai公園周辺の検討委員会も6月に発足し、これまでに3回開催しスポーツ、子育ての場、コミュニティの観点から、幅広い世代にご意見を頂いていますがさらに住民の皆さんの意見を聞く場も設けたいと考えています。満蒙開拓平和記念館のセミナー棟も10月19日に竣工予定ですので、併せて住民が集う、賑やかな場所になればと考えています。

  智里西地区の月川の財産取得等については、先の臨時議会で議決賜り、9月1日から阿智開発公社で経営を行っています。今や日本一の「はなもも」が周辺に植えられ、村の観光の目玉となっているあの場所を、もっと年中「はなもも」が体感できるような場所としてファンを増やしていきたいと思っています。

  まちづくりという観点から、将来につながる、村の発展、住民の幸せのために、村全体の計画作りを、地域の皆さんと共に行って参りたいと考えています。

  又、そういったヒントを得るために、まだ先ではありますが公民館主催で、阿智村出身で東京などで活躍している皆さんにシリーズで、「ふるさと阿智村への提言」と題して、離れてみて感じたこと、故郷へのアドバイスを頂く講演会を行います。10月29日(火)と、11月29日(金)になりますので、こちらも是非多くの方のご参加をお待ちしています。

  これから、栗矢の無礼講が始まり、各地域でお祭りや敬老会、運動会と多くの皆さんが協力して楽しんで頂く機会が多かろうと思います。私もお伺いさせて頂いて村民の皆さんと直接お話ができる場でもあります。皆さんが集う中で村の将来の事を話す場でもあればよいかと思っています。今年も9月16日の敬老の日を中心に、百歳、米寿の方などにお祝いの訪問をさせて頂く事になっています。皆さんいつまでもお元気で、村の歴史や伝統、素晴らしさをしっかり私達に伝えていってもらいたいと願います。

 以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。みなさんと共に住みたい地域、夢のある地域に向かって、いい村作りにまい進していきますようご尽力をお願いして9月定例議会のあいさつと致します。