ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 分類でさがす > 村政情報 > 村長室 > 村長室 > 阿智村定例議会(平成30年6月8日)村長あいさつ
村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(平成30年6月8日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年7月20日更新

はじめに

 初夏を思わせる暑い日や朝夕は涼しい日もありますが、いよいよ阿智村も梅雨入りとなりました。平成30年度も約2か月が過ぎ、山々が鮮やかな緑に映え、5月3日には全国的にも珍しい成人式が行われ、そして例年を上回る大勢の観光客が当村に訪れて頂きました。
 公民館報やケーブルテレビ等で皆さんご承知かと思いますが、全国的にも珍しいゴールデンウィークの今年の成人式は70人中53名の出席と、毎年高い出席率であります。多くの皆さんと話をしたところ、ふるさとを離れて改めて、阿智の星やはなももや東山道に代表される自然や歴史の素晴らしさを知り、いつかはこの阿智のために役立つ人間になりたいと語ってくれました。

 さて、多くの村民の方がご存知の通り、本年から第6次総合計画が始まりました。4月の文書配布時には「暮らす、生きる。阿智家族」の表紙の計画書と平成30年度の事業計画書を各家庭に1冊ずつ配布させて頂きました。可能であれば、これからの10年、特に5年間の村の方向性、指針が示されていますので、手に届くところに置いてご覧頂ければ幸いです。「定住人口の確保・維持」「人づくり、健康づくり、地域力」「阿智ブランドの確立」「まちづくり計画」を横断的な柱に、それぞれの分野で具体的な施策を記載してありますので、よろしくお願い申し上げます。

村の状況

 永年の望みでありました中之橋の完成竣工式が、いよいよ7月26日(木曜日)に決定いたしました。実に総工費5.5億円、用地設計から工事に、足掛け7年かけての完成であります。国県関係者の皆様の多大なるご尽力に深く感謝すると共に、長い間、多くの村民の皆様にご不便をおかけしました事をお詫び申し上げます。新しい中之橋のらんかんには星がデザインされており、親柱には阿智村かるたの句「笹竹を流す七夕中之橋」と、熊谷元一先生の童画が刻み込まれています。7月28日の阿智の夏まつりには新旧の中之橋が花火の観覧席となり、多くの皆様にお披露目できそうであります。

 さて、6月7日には国民健康保険運営協議会が開かれ、本年平成30年度から県と全市町村で一体化した国保財政運営となるため、今後の保険料水準の統一に向け、緩和措置の期間の間に保険料を標準料率に近づけるよう、現段階ではこれからの4年間で約6.4%の増が必要で、少しずつ税率を上げなくてはならない旨の答申を頂きました。基金が4,300万円余ありますが、これから高齢化社会を迎え、一人暮らしのお年寄りも増える中で、将来の地域医療の方向性も考えていかなくてはなりません。税率につきましては、1年目が2.1%アップ、一人あたりの増額が1,545円と答申頂いた数字を基に、村の方向性も答申を尊重する方針でおりますので、また、今議会の中で検討頂きますがよろしくお願いいたします。

 診療所も、この4月から清内路と智里が橋上先生、浪合が羽生先生、伍和が北原先生の3人体制でお勤めいただいています。週に2日等と満足のいかない部分もございますが、往診や訪問看護ステーションとも連携しながら阿智の医療体制の充実をはかっていますので、ご理解を賜りたいと思います。

 4月から正式に始まった、のりあいタクシーも順調にご利用頂いています。
利用者は1か月平均65件で、1日あたり2人の方にご利用頂いています。昨年9月からの試験運行時には月平均50件でしたので30%増の利用率がございます。12時の便も増やしておりますので、病院や買い物、役場にお越しの際にはタクシー代が平均4分の1ですので、是非、ご利用頂きたいと思います。

 さて、新聞報道にも出ましたが、清内路水力発電所建設工事が始まりました。5月号の広報お知らせ版でも、告知させて頂きました通り、これから始まるリニア工事にも併用箇所がある事や、住民の安心安全の観点から、対応についてはリニア工事との整合をはかるため、村と致しましては地元のみならずリニア対策委員会の皆様にも相談させて頂き、安心安全な工事ができるよう進めて参る所存です。村道改良等に関する確認書には承諾させて頂きましたが、残土置場の安全性についてはもちろん、今後問題が生じた場合には協議の都度要望しながら対応させて頂くことになっていますのでよろしくお願い致します。

 観光についてですが、今年は、暖かい気象により、恒例の「花もも祭り」はゴールデンウィーク1週間前に園原で最盛期になりました。お客様の入りが心配されましたが、4月中旬から連休にかけ観光客の入りも分散され、今年も多くの人出となりました。春シーズンの星空の関係で全国ネットの報道に多く取り上げて頂いた効果もあり、スタービレッジは連休中、毎日3,000人と多くの観光客の皆さんにお越し頂きました。

 また、7月7日にはいよいよ、浪合治部坂を「浪合パーク」として、快適、安全に星を観察できる、アカデミックな星の聖地としてオープン致します。
 望遠鏡や、写真などゆっくり星空を鑑賞できる場所として、治部坂高原一帯が生まれ変わります。プライベートの「星空デッキ」や星空の教育にも力を入れており、グループ団体のプログラムにも用意し、旧宿り木を星が学習できるレストハウスにもなっています。そして、足元のみ照らされるおしゃれな遊歩道など完備し、是非多くの村民の皆様、観光客の皆様にも訪ねて頂きたいと思っています。

 農業は村の基盤産業として位置づけしています。6月5日に産業振興公社の定期総会を開催し、売上げは、8,200万円であり、天候不順など野菜の不作などで昨年より16%の減少でした。今年度は役員改選の年であり、2期4年理事長としてご尽力頂きました園原一典さんがご勇退され、新しく副理事長であった熊谷智徳さんが就任されました。園原さんの永年にわたるご尽力に感謝申し上げ、熊谷さんの新しい発想と事業展開にご期待申し上げます。

 平成30年度の大きな事業は、昨年産直市場を前向きに取り組むべきとの検討委員会からの答申を受け、本年は、安定した農産物を生産できるシステムを中心に検討します。今までにも農業と観光を結び付けるには、道の駅のような施設があればと意見があった中で、5月29日に産直市場の準備委員会を立ち上げました。今後マーケティング調査をしっかり行い、規模や場所、時期、ニーズ調査など検討していってもらいます。
また、定住相談の中でも、農業と定住といった問い合わせも多く、産業振興公社ともしっかり連携して事業を進めて参りたいと考えています。

 教育については、この6月28日から中学3年生を対象とした若駒アカデミーが開講されます。3教科5講座を強力な講師陣で固め、参加希望生徒も63人中61名と高い出席率となりました。中体連が終わり、これから高校受験に向かってのスタートとして本年で2期目の企画となります。8ヶ月全36回にわたり放課後の時間を利用しますので、よい成果を期待したいと思います。

 また、4月から多くの子供達が読書が好きになるように学校司書の配置や、小規模校への音楽支援員の配置を行い、現在うまく機能しています。

 また、5月は道路、砂防関係の要望活動も多くありました。特に当村としては飯田市、西南部の行政、議会、商工団体、自治会で構成される飯田南バイパス期成同盟会が昨年5月に発足し1年が経ちましたので、さらにリニア時代の交通アクセスに向けて、又普段の国道153号線の渋滞緩和に向けて、これから強力に運動を展開していく予定です。

 自治会活動、公民館、各団体もさかんに各地域様々な活動をして頂いています。新しい役員さんのもと、この時期には村内の美化のため、ごみゼロ運動や草刈り作業、美しいふるさとづくり事業で花など植えて頂いている姿を目にしました。他にも地域あげてのまつり、イベントなどで新聞紙上が賑わい、当村には数多くの話題がございました。

議会審議

 今議会でご審議いただく案件は、承認案件5件、事件案件1件、予算案件1件、報告案件4件であります。

承認案件は

  • 平成29年度阿智村一般会計、国保会計、介護保険会計等の補正予算
    補正予算の内容は事業費等の確定による補正であります。

  • 平成30年度一般会計予算
    デイサービス改修工事や浪合の道路改良費の補正であります。

  • 阿智村税条例等の一部を改正する条例
    地方税法等の改正にともなう、個人住民税、固定資産税、たばこ税等についてのものであります。

事件案件は

  • 、治部坂星の駅の運営を、阿智昼神観光局が行うため、関係財産を無償貸与するものです。

予算案件は

  •   平成30年度阿智村一般会計補正予算第2号
    既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ27,912千円を追加し、歳入歳出予算総額を4,963,512千円とするものであります。

歳出の主なもの

庁舎周辺に駐車場が足りない状況を考えて、庁舎駐車場測量設計委託料として2,100千円
秋に完成予定のデイサービスセンターひだまりの備品購入費として3,765千円
7月26日に開通予定の中之橋開通式典費用に、500千円
中野の公共土木施設災害復旧費に15,910千円
などをお願いするものであります。

 以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

報告案件は

 村道管理に起因して発生した事故の損害賠償について報告するものです。他、平成29年度より平成30年度へ繰り越した事業に係る明細を報告するものです。

また、追加日程として、黒川水管橋建設工事請負変更契約、スクールバス購入事業売買契約、凍結防止剤散布車購入事業売買契約、そしてデイサービスひだまり改修工事請負契約についてそれぞれの締結と、国保税率の改正についてお願いするものでございます。

おわりに

 毎晩、各地区の小学校などのグラウンドでは、6月24日の阿智村消防団技術大会に向け、団員諸君が練習に明け暮れています。地域の安全のため、村の生命財産を守るため、火災があった時、水をいち早く正確に出すための技術大会です。練習や大会を通じて、先輩や後輩、地域の方の繋がり、そして悔いのない、よい成績が収められるよう期待したいものです。村民の方も是非練習や大会を覗いて見てやってください。

 また、皆さんにうれしいご報告もさせて頂きます。山村留学なみあい育遊会が本年度で25周年を迎え、6月5日に栄えある県知事表彰を受賞しました。浪合通年学習センターを拠点に、平成6年から運営され、自然体験や野外活動、学年を超えた仲間との共同生活を体験しながら運営してきて頂きました。毎年15名前後の子供を受け入れ、この25年間で約350名に達します。教育の地、なみあい学校の理念を受け継いだ素晴らしい取組に、心からお祝い申し上げます。

これから熱い夏に向け、イベントも盛りだくさんです。7月21、22日と全国から阿智に集まる生涯野球、28日の阿智の夏まつりは「花火と星の競演」「山あいに轟わたる大音響」をキャッチコピーに、火祭りとあわせて他とは違った花火大会を開催する予定です。昨年同様よい天気を期待したいものです。

最後に、最近は事業構想大学出版の地方創生、地域イノベーションの事例や都市計画協会の新都市の冊子や地域のコミュニティ誌など、当村はまちづくりの観点で特集記事を組んでくれる事が多くなりました。皆様には一度読んで頂きたいと思います。阿智村に住めばこんな素晴らしいことが可能になると実感できる村、子供からお年寄りまで、夢の持てる村、希望を持って働くことのできる村づくりを目指して、6月定例議会の私からのあいさつとさせて頂きます。