阿智村定例議会(平成29年12月8日)村長あいさつ
はじめに
12月定例議会に際しまして一言ごあいさつ申し上げます。
大変寒い季節となり、師走の忙しい時期となりました。11月23日には、ちょうど1年前に天皇皇后両陛下が阿智村に来ていただいた事を記念して、歌会始めで満蒙開拓平和記念館での思い出を詠んで頂いた歌碑のお披露目式を行いました。阿部長野県知事にも記念館にお越しいただき、盛大に開催できましたし、記念館の関係者の皆様には建立に際し、ご尽力頂きましたことに感謝申し上げます。ちょうど12月1日、退位を平成31年4月30日との発表がなされ、改めて感慨深く感じました。
さて、9月から11月にかけ、当村では毎週のように行事やイベント、運動会や文化敬老祭、駅伝大会など様々な出来事がございました。後で振り返らさせて頂きますが、なんと申しましても第6次総合計画の骨子を、提案させて頂き、地区懇談会や分野別のワークショップ、若者の意見など、十分とは言えませんが、村民の皆さんの意見を聞かせて頂きました。今後10年間の将来ビジョンの策定をしていく事になります。将来像を「暮らす、生きる。阿智家族」として方針を打ち出させて頂き、まずは第一段階の意見集約をした上で、これから議会の皆さんや、1月からの計画審議会、地区懇談会等で最終のまとめに入って参ります。
さて、当村にとって大変うれしいニュースも飛び込んで参りました。来年3月に行われる韓国、平昌パラリンピックのパラアイスホッケーに伍和備中原の吉川守さんが出場することに決まりました。当村ではオリンピック、パラリンッピックには智里東の田中秀雄さん、伍和の園原健弘さんに次いで3人目の快挙であります。又、伍和の松井美蓉さんが東日本女子縦断駅伝大会に出場、来年1月に京都で行われる全国女子駅伝大会にも長野県代表としてエントリーされており、全国レベルの大会で阿智村の名を広めてくれています。これからの活躍に期待したいと思います。
村の状況
さて、阿智村ではこの3か月の間に様々な出来事がありました。
主なものをいくつか述べさせて頂きます。
- 阿智村の星空の取り組みが評価され環境大臣賞を受賞
- 観光DMO組織に全国の41箇所の中で長野県内でも唯一地域として認定
- 11月23日に全村一斉ライトダウンで星を見る日のイベント
- 永年空き家となっていた東陽企業ビルを地方創生交付金で改装し、観光案内と地産地消レストランとして阿智BASEをオープン
- 定住のイメージPR映像完成発表
- 小中学校給食の米が11月より阿智産米に切り替わる
- 中学生に夢のあるメッセージ川上憲伸氏講演会
- スタービレッジ星の事業で観光客増 冬のイベント開始
- プレミアム商品券3,600万円分完売
- 第49回阿智村駅伝大会盛大に開催
- 村政功労者表彰で12人表彰
- 駒場線に阿智高校生デザインのラッピングバス運行
- 空き家相談会を隔月開始
- 認知症初期集中支援チームを発足し積極的に事業を展開
- 各地で祭り、文化祭、敬老会盛大に開催
- 各地で保育園、小学校、村民運動会開催
- 村政懇談会各地区で開催、第6次総合計画の意見など
- 阿智村村民コンペ(ゴルフ、マレット)盛大に開催
- 阿智祭、商工祭天気に恵まれ盛大に開催
- 第20回熊谷元一写真賞コンクール表彰式開催
- 阿智中学校3年生との懇談会
村内でも様々な出来事がありましたが、まず、飯田下伊那の動きも最初にご報告させて頂きます。新聞報道等でご存知の方も多いかと思いますが、長野県議会議員の定数削減について、下伊那郡区の定数減が問題となっております。北部地域と飯田市西南部が別れる県議の特別委員会案について、広域連合では「最も受け入れ難い」と、11月30日、12月4日に再度要望して参りました。私も両日同行して参りましたが、飯田下伊那は歴史からみても一体であり、意見を同じく要望して参りました。そもそもなぜ飯伊地区が1減なのか、又、選挙区割全体を、飯田市と合区で1減の5名から4名という最終案と合わせて、再検討の会議の場を何度も行うべきだと申して参りました。
本日8日の県議会に条例案の提出が予定されているようですが、それも含めてもう少し論議の場をと要望しております。
さて、村内についてですが、今月5日に定住のPR動画を発表させて頂きました。この本格的な動画の取り組みは全国的にも珍しく、県内では長野市、伊那市等数箇所のみとのことです。特に若い皆さんはネットでの情報が主流であり、その中でもYouTubeでの動画配信は非常に効果的であります。ストーリーは阿智を訪れた若い男女が阿智村の地域の人々とのふれあいや、農業体験、星に代表される大自然を体験して、将来阿智村で暮らし子供を育てるという物語を約3分でまとめてあります。阿智のオリジナルソングもバックに流れています。是非全国の方に見てもらいたい作品です。
次に健康福祉面です。認知症対策に力を入れている当村ですが、この10月1日から医師もメンバーに加わって頂き、認知症の人や家族への継続的な支援を行うために認知症初期集中支援チームを設置し相談体制を強化しました。又、脳トレ体験会を定期的に開催しています。積極的に参加して体験して、多くの人と話し、笑ったりすることが認知症予防になるそうです。是非多くの皆さんにご参加頂き、健康な老後を過ごしてもらいたいと思います。
9月1日から運行しています交通弱者の為の乗り合いタクシーの状況についてご説明致します。行きは公共交通のバスを使い、帰りに1時間おきにこまんばバス停、橋上医院、役場の前から予約制のタクシーを使ってもらい格安で利用できるというシステムです。11月までの3ヶ月で165人と、多くの方にご利用頂いています。交通弱者の問題、買物困難者の問題も解決しなければならない課題であり、この12月1日からセブンイレブン山本店さんが移動販売サービスを始めて頂いて、そちらにも期待したいと思います。
観光面ですが、(株)阿智昼神観光局からの報告によりますと、この夏から秋にかけての昼神温泉の入込み客数は、宿泊客が順調に伸び8月が前年比103%、9月も103%、10月は台風の影響で95%でしたが、いい報告を頂きました。日帰り客は若干下がりましたが、なんといっても星のナイトツアーの集客効果は抜群で、まだ細かな集計は出ていませんが昨年の人数を上回っているとのことです。他の産業にも非常によい相乗効果が表れており、非常にうれしく思う次第です。
11月11日からは、永年使われていなかった東陽企業ビルを観光案内所と事務所、地産地消のレストランとして地方創生交付金等で改修し営業しています。12月9日からは冬の閑散期の集客を狙って、プロジェクションマッピングとの演出企画、ウインターナイトツアーが始まります。
10月21日には「第29回星空の街青空の街全国大会」が南牧村であり、最高の環境大臣賞を頂くことができました。観光だけでなく、環境を考える取り組みとして、美しい地球の概念のもと評価されたものです。11月23日の村内一斉ライトダウンの取り組みも、省エネや、大切な人と家族と向き合ってもらう目的でありました。多くの皆さんにご協力頂いて全部とはいきませんが、さらに輝いた星を見ることができました。
今年は第20回の熊谷元一写真コンクールの表彰式を元一写真動画館で開催しました。20回記念のテーマは「遊ぶ」で、今年も全国から255人683点の応募がありました。全国規模の大きなコンクールとなりましたので、年々レベルが上がり、力作が揃い、大賞に岡山県の中田さんの作品が選ばれました。
元一先生の写真は歴史を振り返るうえで大変参考になり、大変懐かしく、これからの私たちの生き方、日本の進むべき道を考えさせられる事を感じ、記録写真を残していく事の重要性を改めて感じました。是非とも来年も多くの方に応募頂きたいと思っています。
又、この程国道153号線や県道など主に阿智村の入り口に、共通の案内標識を建てさせて頂きました。多くの観光客が訪れて頂いていますが、わかりにくいという声も聞こえていたためであり、景観に配慮した茶色と白、阿智グリーンがベースとなっています。徐々に公共サインの統一により、古いもののリニューアルなど景観に配慮した村づくりをめざして参りたいと思います。
上程案件について
本議会においてご審議頂く案件は、承認案件2件、人事案件2件、条例案件5件、予算案件6件、報告案件1件であります。
承認案件2件
専決第16号 平成29年度阿智村一般会計補正予算第5号は、既定の歳入歳出予算総額に31,000千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,172,475千円とするものであります。内容は10月22日の台風21号による災害関係の補正であります。
専決第17号 平成29年度阿智村水道事業会計補正予算第3号は、浪合地区水道量水器の交換工事に関連する補正であります。
人事案件2件
同意第16号は、代表監査委員の辞任に伴い、監査委員の選任について同意を求めるものであります。
同意第17号は、固定資産評価審査委員会委員の1名が任期満了になりますので、選任について同意を求めるものであります。
条例案件5件
議案第78号「準用河川占用料徴収条例の制定」は、清内路地区に計画されている水力発電所建設に関連し、準用河川の占用料を徴収するため条例を制定するものです。
議案第79号「阿智村個人情報保護条例の一部を改正する条例」は、法律改正に伴い、個人情報の定義を明確化するための改正です。
議案第80号「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」は、国の人事院規則の改正に準じて、非常勤職員の育児休業について、民間と同一となるように改正するものです。
議案第81号「一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」は、国の人事院勧告に準じて改正するものです。
議案第82号「阿智村防災会議条例の一部を改正する条例」は、防災会議の委員に陸上自衛隊の自衛官を追加するものです。
予算案件
予算案件は、一般、特別ともに補正予算についてであります。
一般会計補正予算第6号は、既定の歳入歳出予算に歳入歳出それぞれ48,623千円を追加し歳入歳出総額5,221,098千円とするものであります。
歳出の主なものは、
- 例規集加除代 1,700千円
- 定住住宅新増改築支援金 3,000千円
- 番号制度システム改修委託 1,361千円
- デイサービスセンターひだまり改修工事設計監理委託料 3,500千円
- 障がい者介護給付費 6,019千円
- 振興作物栽培者支援事業補助金 1,600千円
- かんがい排水、農道等整備補助金 1,400千円
- 村道維持補修工事 20,000千円
- 道路安全施設工事 4,300千円
- 浪合道路改良工事追加 2,300千円
- パラリンピック応援補助金 1,000千円
このほか、国の人事院勧告に準ずる給与改定等による人件費の追加等があります。
歳入の主なものは地方交付税60,940千円、国庫支出金1,821千円、県支出金1,672千円などです。
特別会計、水道事業会計についてはそれぞれ必要な補正を行います。
報告案件
報告案件については、損害賠償事案1件について報告するものです。
以上、ご審議いただく案件についてご説明いたしました。詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
おわりに
さて、ここで村民の皆様にお詫びを申し上げなくてはならない事案が発生してしまいました。浪合の家庭の水道メーターが87件、検針不能にもかかわらず取り換えられずになっていた件と、水道のメーターは法律的に8年で交換しなければならないのですが、それ以上経過しているものが全村で約1,200件ある事が判明致しました。これは、特に浪合地区では特殊なメーターが使われていたこともありますが、平成21年からは交換器数が大きく減っており、職員の法令認識の甘さと、適切な更新計画が作成されていなかった事が最大のミスであります。今後、このような事が二度と起きないように対応策をとって参ります。責任については、今後お示ししたいと思っております。いずれにしましても早急に故障しているもの、法定期限を過ぎたものは取り替える手続きを取りますので、よろしくお願い申し上げます。
村民の皆様には大変ご迷惑をおかけたことをお詫び申し上げます。
平成29年もあと3週間程です。第6次総合計画の策定で、この機会に村の将来を話し合う場も設けることができました。と同時に、来年3月までは第5次総合計画の最終年であり、おおよそ第6次が見えた中で、もう一度、阿智村にとってどんな10年間だったのかをしっかり検証すべきだと思っています。
舵が切られた方向性は簡単には変えられませんが、10年前に計画したものが時代の流れと共にそぐわないものが出てきたり、その逆に必要とされるものが出て参ります。時代にあった軌道修正をできるフットワークが求められる事が、私たちの仕事、そして意識だと感じています。村民の方がどう感じているか、村民目線の行政を平成30年も続けて参りたいと思っています。
以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。どうぞよろしくお願い致します。