ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 分類でさがす > 村政情報 > 村長室 > 村長室 > 阿智村定例議会(平成29年3月7日)村長あいさつ
村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(平成29年3月7日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月7日更新

はじめに                   

 まだ朝や夜は寒い日が続きますが、3月になり、4日には昼神温泉の湯屋守り様のお焚き上げ、卒業入学のシーズン、春の足音が一歩ずつ近づく季節となりました。駒場や昼神の旅館を飾るひなまつり街道事業も始まり、地域の皆さんで実行委員会を組織し、商工会のバックアップもあり、毎年私達や観光客の目を楽しませてくれています。

 3月3日には、総務省、地域活性化センター主催の「ふるさとイベント大賞」の受賞式が東京であり、全国の数ある地方創生、地域づくりのイベントの中で、阿智村の星空の取り組みが評価され、優秀賞を頂くことができました。地域資源をどういかし、住民が一体となって、地域の活性化につなげていくかが、この賞の趣旨であり、当村では星に限らず、今回のひなまつり事業、はなももまつり、250年続く清内路の花火など、地域の皆さんが中心となり取り組んでいく精神や、風土や人々の想いが、この賞につながったのでないかと感じています。

 さて、2月には村政懇談会で村民の皆さんから貴重なご意見を頂戴しながら平成29年度の方向性を示させて頂きました。後程具体的にお話しをさせて頂きますが、まずは第5次総合計画の最終年であり検証とまとめをし、同時に平成30年からの10年間の第6次総合計画を見据えた計画作りを行う重要な年となります。2年前に策定しました「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は人口維持のための基本計画であり、又現在まちづくり計画も検討していますので、これらとリンクして、これから住民の皆様の意見をお聞きし、策定していきたいと考えています。                

平成29年度重点施策について

 さて、平成29年度の村の方向性、想い、取り組む施策としては次の通りです。昨年策定しました村のスローガンを「星ふるさと」としましたが、もう一度確認させて頂くと、日本一の星降る郷であるだけでなく、すべての人の心のふるさとでもありたいという願いです。そんな想いの中で、「阿智家族」をキャッチフレーズに、定住、人口増にかける意気込みを大きな柱として示させて頂きたいと思っています。そしてそれらが、教育、福祉健康医療、くらし、環境、産業振興などすべての政策に関連し反映していますのでよろしくお願いいたします。
 そして、行政の事業、仕事のやり方にもマーケティング戦略をしっかり取り入れ、阿智村をどう売っていくか、住民の皆さんが何を望んでいるか、業務効率と成功の確率を上げるための戦略作りを、日々の仕事の中で意識していきたいと考えています。
 又、第6次基本計画をたてる事と併せ、住民目線の行政、普段なかなか聞くことのできない皆さんの声も聞けるように工夫して参りたいと思います。具体的には可能な範囲で、私自ら各部落常会や各団体の会合にもおじゃましてお話しできればと考えています。

 では部門別に想いと具体的事業、新規事業を中心に説明いたします。

教育・子育て支援

 子供達に住み続けてもらい、将来Uターンで定住してもらう為、なんといっても教育は大切であります。29年度は阿智村産の米代や、地域の食材など給食費の村費負担と、中学3年生を対象に村営学習塾の開講など新しい事業を展開して参ります。こうした通常の学習活動に加えて、これからは地域の事を学習する場、星に代表される自然や歴史、地域資源を体験する教育をさらに目指してもらいたいと考えます。

主な事業と予算は

  • 学校給食費支援事業 476万円
  • 学習塾の開設 51万円
  • 理科支援員配置 156万円
  • 中学校テニスコートフェンス嵩上げ工事 303万円
  • 文化財標柱、説明板の設置 152万円
  • 学童保育事業 1,394万円

福祉・健康・医療の充実

 小さい子供からお年寄りが健康で生きがいを持ち、幸せに暮らすことが何よりも大切です。村では健康プラン21に沿って、年代別の健康増進、各部落での健康全員常会、トリプルAサポート事業、特定健診などにより、村民の健康づくりに邁進しています。新規では認知症の早期発見や相談対応など集中支援チームを作り対応しますし、高齢者を地域で支えていく協議体や、生活支援コーディネーターの設置、在宅医療や介護の事など、地域包括支援センターのさらなる充実を図ります。又、不妊治療の補助の拡充を図り、安心して子育てできるよう配慮して参りたいと思います。

主な事業と予算は               

  • 水中運動による健康づくり事業 2,540万円
  • 各種健診事業等の実施 1,459万円
  • 高校生世代までの医療費支援 1,485万円
  • 不妊治療補助 100万円
  • 予防接種事業 1,615万円
  • 地域包括支援センター事業 5,603万円
  • 福祉医療費給付事業 1,875万円
  • 高齢者等交通サービス事業 282万円   

 産業の振興

 観光を基軸とした産業振興をめざすため、昨年6月に(株)阿智昼神観光局を発足し、村全体のコーディネートなど徐々に事業を展開して参りました。星の事業はマスコミ等でもかなり報道して下さいました。年間130万人が訪れる観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。昼神温泉の将来構想検討もコンセプトがまとまりつつありますので、来年度は具体的に検討を進め、リニア三遠南信時代に向けた戦略を展開して参ります。星でブレイクした地域振興を、さらに全村に広めるため、治部坂を活性化すべく星の駅構想として、星空関連施設、遊歩道など完成する予定です。
 農業は村の基盤産業として位置づけしています。これ以上遊休農地が増えないように、昨年から農地有効利用相談員を配置し、利用してくれる人へのコーディネートなど成果も上がってきております。来年度の大きな目玉として地産地消や滞在型観光のしくみのため、産直市場の研究を、専門員を産業振興公社に配置し本格的に進めたいと思っています。
 又、忙しい小さな仕事など、雇用者と探している方のマッチングができるよう、産業振興公社や商工会、阿智昼神観光局としくみ作りを研究して参りたいと考えます。そして地元業者に有利な住宅リフォーム事業や雇用奨励補助金など29年度も計上し、支援して参ります。

主な事業と予算は

  • 観光事業の補助金 8,800万円
  • 治部坂星の駅整備事業 3,364万円
  • スタービレッジ事業 1,000万円
  • 産業振興公社助成金 2,836万円
  • 農地環境保全事業 2,467万円
  • 畜産農家への支援 237万円
  • 森林整備事業 3,046万円
  • 商工業者経営支援、振興事業 1,200万円

生活環境の整備計画

 私たちの毎日のくらしの中で、安定したライフラインを確保することは行政の基本的な仕事であり、確立された防災体制が安心した生活の基盤だと考えます。消防団も村の生命と財産を守るため日々活動してくれていますし、この4月から伍和の第3、4分団に予備消防をお願いする事になりました。
 又、29年度は9月から広域連合の桐林焼却場が下久堅の稲葉クリーンセンターに移転するため、生ゴミ、ビニール等の収集の変更に伴い、分別方法が変わりますのでご理解を頂きたいと思います。
 道路等の整備では、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから整備して参りたいと思っています。将来にわたる道路やまちづくりの計画構想の2年目に入り、おおまかな計画を立てることで乱開発のないよう道路整備など行っていく予定です。水道関係は、設備も老朽化しており経営戦略策定や企業会計移行業務に予算をつけさせて頂いています。

主な事業と予算は

  • 村内巡回、西部コミュニティバスの運行 2,292万円
  • 南信交通災害共済掛金村費負担 232万円
  • 河川監視設備整備 108万円
  • 防犯灯LED化(春日地区) 359万円
  • 防災GISシステム構築 216万円
  • リニア中央新幹線対策事業 249万円
  • 家庭ごみ等収集処理 11,868万円
  • 生ごみ処理機設置補助制度 290万円
  • 阿智村道路まちづくり計画作成事業 452万円
  • 村道の整備3,337万円
  • 中之橋架け替え事業 10,000万円
  • 上水道黒川橋水管橋設置工事他 32,900万円  

 定住人口の増加・行財政計画・協働の推進

 阿智家族大作戦と銘打って、さらに力を入れて取り組んでいきます。移住定住のプロモーション動画を作成し、新たに発信していく予定です。又春日地区に分譲住宅地造成事業を計画しており、民間の住宅メーカーともしっかり連携をはかり展開して参ります。定住支援コーディネーターも遊休農地の支援員と連携し取り組んでいますし、定住HPの充実、住宅新増改築等支援金などさらに阿智村は定住に前向きに取り組みます。空家対策検討委員会も2年目に入り、さらに情報共有や有効活用に役立てます。
 又、星の村にふさわしい美しい景観にするため、統一のサイン整備事業を確実に事業化し、各自治会においても美しいふるさと事業などで、観光地らしい美しい花いっぱい事業にご協力を賜りたいと存じます。
 情報にも力を入れ、ホームページを4年ぶりにリニューアルし、見やすく充実したいと考えていますし、ケーブルテレビでは週間ウィークリーニュースの放映や、広報誌も工夫し、村の人々のいきいきとした姿、阿智高校生の作成したコーナーなど、親しみのある読みやすい紙面を目指します。

主な事業と予算は

  • 阿智村第6次総合計画策定事業 566万円
  • 分譲住宅地造成事業  2,138万円
  • 移住定住プロモーション動画制作 563万円
  • 集落支援員事業(定住支援 他) 1,182万円
  • 特定空き家等対策委員会 37万円
  • 星の村の美しい統一景観公共サイン整備 1,105万円
  • 定住促進のための住宅新増改築等支援金 1,500万円
  • 未婚者対策事業 200万円
  • 自治会活動支援金 2,246万円
  • 村公式HP事業 415万円
  • コミュニティー館改修工事 5,180万円
  • 村長選挙 650万円

 以上、平成29年度の主な事業です。61年目を迎える新しい村の姿として、新たな夢に向かった新規事業や、特に教育、福祉に力を入れる体制も整えながら、今後5年10年の第6次基本計画を村全体で作り上げていく大切な年になろうかと存じます。「星ふるさと」の精神で、阿智村も奥深き歴史のステージに、新たな輝きを刻んでいきたいと願っています。

村内の経済状況について

 商工会の調査によると、12月~2月までの村の景況についてですが、雪の量により業種によって大なり小なり影響があったようでございます。
 なんといってもスキー場は、昨年より雪が多かった事もあり、12~1月は10%前後増、2月は天候が悪い日も多く20%前後減だったようです。昼神温泉郷は冬のナイトツアーの影響で12月は約8%の増、1、2月も好調ですが、宴会の減少、周辺の飲食店にはすぐに効果が結び付かなかったようで、今後の各個店での対応が急務だということです。しかし、昨年の天皇皇后両陛下の御来村により、その後、年配の方が満蒙開拓平和記念館などに多く来られ、飲食店には影響があったようです。
 小売店は客単価が低くなってきている感があり心配ですが、リピーターや顧客満足につながるセールもしっかり行っている店は微増の売り上げだったようです。
 建設業は下請け中心の仕事が多いが順調に売上げはあるようで、特に管工事の仕事が昼神から多く忙しかったようでした。ボイラーや水回りの老朽化が進んでいる状況であり早めの対応が急務かと思われます。製造業については食品製造、新しい技術を売りにしている会社は売上げ10~30%と好調で、その他も前年並みの売上げだそうです。新工場の建設もされている所もあり、この4月からも地元の新規学生を多く雇用する予定であるそうです。

議会審議について

 本議会でご審議いただく案件は、条例案件26件、事件案件4件、予算案件7件であります。

 条例案件のうち、

 「阿智村私債権管理条例」の制定は、水道料金の村の私債権の取扱に関する条例を制定するものです。

 「阿智村農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数を定める条例」の制定は農業委員会法が改正されたことに伴い条例制定を行うものです。

 「阿智村水道事業の設置等に関する条例」、「阿智村水道事業基金条例」、「阿智村水道事業職員の給与の種類及び基準に関する条例」、「阿智村水道事業の剰余金の処分等に関する条例」及び「阿智村監査委員条例の一部を改正する条例」他7条例の一部改正条例は、水道事業特別会計が企業会計に移行することに伴う条例の制定です。

 「職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例」及び「職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」の制定は、地方公務員法等が改正されたことによる所要の改正を行うものです。

 「阿智村特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」の制定は、制度改正等による委員報酬の見直しに伴い所要の改正を行うものです。

 「阿智村特別職の職員で常勤の者等の給与に関する条例の一部を改正する条例」の制定は、期末手当の支給率を国に準じて改正するものです。

 「一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例」の制定は、国の給与制度等に準じ所要の改正を行うものです。

 「阿智村ふるさとづくり寄附金条例の一部を改正する条例」の制定は、ふるさと納税の寄附の目的としている事業を見直し、所要の改正を行うものです。

 「阿智村税条例等の一部を改正する条例」の制定は、地方税法等の改正に伴い所要の改正を行うものです。

 「阿智村保育の実施に関する条例の一部を改正する条例」の制定は、児童福祉法の改正に伴い所要の改正を行うものです。

 「阿智村授産施設設置条例の一部を改正する条例」の制定は、浪合福祉企業センターを分場とするために所要の改正を行うものです。

 「介護保険に関する条例の一部改正」の2条例は、県からの権限移譲に伴い所要の改正を行うものです。

 「阿智村下水道条例の一部を改正する条例」は字句の訂正を行うものです。

 事件案件のうち、「戸籍に係る電子情報処理組織の事務の委託」については、戸籍の電算処理を共同で行うために、その事務を飯田市に委託するために規約を定めるものです。

 工事契約案件については「中之橋橋梁上部工工事」について増工となりますので、契約額を変更するものです。

 指定管理者の指定については「浪合通年合宿センター」「なみあい遊楽館」の指定期間が終了となりますので、再度指定管理者を指定するものです。

 予算案件は、平成29年度阿智村一般会計及び各特別会計予算、企業会計予算の議決をいただくものです。

 平成29年度阿智村一般会計予算は、歳入歳出予算総額47億1千5百万円と昨年度当初予算48億1千万円と比較し、9千5百万円の減であります。

 歳入については、村税で前年度より9,784千円減の740,102千円を、地方交付税は前年度より60,000千円減の2,460,000千円を、村債は、道路改良事業等に70,700千円、臨時財政対策債は、前年度より59,000千円減の56,000千円、基金繰り入れは、コミュニティー館の改修に公共施設整備基金から51,800千円、分譲住宅地の購入、工業団地排水路工事に土地開発基金から58,377千円など前年度より72,160千円の増となり、繰り入れ総額は137,740千円となります。

 歳出については、「事業等計画書」を参考にしていただきたいと思います。

 次に特別会計ですが

 阿智村国民健康保険特別会計は、
  事業勘定で歳入歳出総額 700,700千円
  直営診療所勘定で歳入歳出総額 78,500千円、

 阿智村下水道事業特別会計は、歳入歳出予算総額 294,600千円、

 阿智村介護保険特別会計予算は、歳入歳出予算総額 810,200千円、

 阿智村農業集落排水事業特別会計は、歳入歳出予算総額 67,500千円、

 阿智村後期高齢者医療特別会計は、歳入歳出予算総額 68,600千円であります。

 企業会計となりました阿智村水道事業会計は、収益的支出及び資本的支出の総額 472,934千円であります。

 この他、人事案件、平成28年度各会計の補正予算等について追加日程でご審議いただくことになります。

 以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

おわりに

 人口について最新のデータを申しますと、28年度は2月が終わった時点でマイナス38人の6,618人となっており、昨年の同月の91人に比べ、いい数字が出ております。最近発表された統計でも、当村は飯伊の中でも社会増の3ヶ所の市町村に入ることができ、プラス30人でありました。少しずつ定住対策や婚活の事業成果が現れていることにうれしく思います。
 又、リニアについては1-20号線の非常口近くに、生活に支障をきたす要因が最小限にすむように、残土候補地をJRにお願いし調査しています。リニア対策委員会や関係する住民の皆さんとの対話や説明をしっかり行い、地域振興とあわせて方向性をさぐりながら対応して参りたいと思います。今後も、説明会や広報等で情報を流させて頂きながら進めて参ります。

 さて、この冬から村内をラッピングバスが走っています。まずは3路線ですが、村民からデザインを公募し、星やはなもも、温泉、ミズナラ、コスモスといった阿智村の地域資源を、きれいに楽しくバスにデザインしました。お蔭様で2月は前年より16%増の利用がありました。村の事をわかってもらうのと、多くの村民や観光客が楽しんで乗ってもらう事が目的です。公共交通の役割は今後さらに重要になります。高齢者や子供の足、買物困難者の足としてさらなる工夫もしていかなくてはならないと思っています。

 時代は常に動いています。地方創生による人口や地域活力の問題、少子高齢化、地方との格差などこれから取り組むべき問題も多くあります。輝く村として一人ひとりが元気と知恵を出せるような体制作り、そして暮らしやすい、いい村だと思える素晴らしい阿智村をめざしたいと思っています。

 以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。