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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(平成28年3月4日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月4日更新

(はじめに)

 雪の少ない今年の冬でしたが、3月になり、駒場や昼神温泉を中心にひなまつり街道事業も始まり卒業入学のシーズン、春の足音が一歩ずつ近づく季節となりました。  

 まずは2月24日に起きました、埼玉県での強盗事件の外国人犯人が当村に逃走して、住民の皆さんに大変な不安を与えた事件でしたが、翌25日早朝には逮捕され解決し、本当に安堵したところであります。村としても無線や広報車での情報提供や戸締りの徹底、学校は親の送り迎えなど対応させて頂きました。犯人逮捕に至りましたのも、住民の方が不審人物を発見し、早急に連絡頂いたお陰であり、本当に感謝致すところであります。

 さて、2月には村政懇談会で村民の皆さんから貴重なご意見を頂戴しながら平成28年度の方向性を示させて頂きました。後程具体的にお話しさせて頂きますが、まずは国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」でも皆さんから意見をお聞きしてきた中で、方針がまとまりました。少子高齢化の中で30年後の2045年にはなんとか現在の人口の80%の5,356人を維持したい中で、出生率1.9、年間移住目標を68人として大卒時のUターン、20代のIターン者を4組8人、30代子育て世代を4組12人、定年後の方等2組4人Iターンの増加をめざしたいという計画です。観光客が120万人訪れるメリットを活かし、交流人口の増加により、阿智村にいつかは住んでもらいたい施策、子供時代の地域の自然や歴史を体験することでUターン者の増、そして何より住民自治の活性化により地域力を高めることが定住につながると信じています。これからの方向性を計画しましたが、具体的には平成28年度の事業計画に少しずつ反映してあります。

 又、なんといっても本年は昭和31年9月30日に阿智村が誕生して、60年の節目の年となります。先人が築いてきてくれたこの阿智村が記念すべき還暦を迎えます。同じ9月30日には記念式典を行い、8月4日には県下でも阿智村だけの企画である全国巡回ラジオ体操、他にも文化イベントなど村民全員でお祝いをし、楽しめる企画を一緒になって計画して参りたいと思っています。普段の事業にも冠をつけ、盛り上げる構想を現在練っています。歴史を振り返り、夢のある村の再スタートとして、事業を行っていきたいと考えています。

(平成28年度重点施策について)

 さて、平成28年度の村の方向性、想い、取り組む施策としては次の通りです。村のスローガンを「星ふるさと」とし、日本一の星降る郷であるだけでなく、すべての人の心のふるさとでもありたいという願いです。サブスローガンも「日本一の星空と花桃といで湯の郷」としました。昨年に引き続き、そんな想いの中で、「阿智家族」をキャッチフレーズに、定住、人口増にかける意気込みを大きな柱として示させて頂きたいと思っています。そしてそれらが、教育、福祉健康、くらし、観光、産業振興などすべての政策に関連し反映していますのでよろしくお願いいたします。

 では部門別に想いと具体的事業、新規事業を中心に説明いたします。

「教育・文化の向上」

 子供達に住み続けてもらい、将来Uターンで定住してもらう為、子供達がふるさとに帰って来てくれる為、なんといっても教育は大切であります。普段の学業にプラス、人や地域を愛する教育、星に代表される自然や歴史、地域資源を体験する教育を目指してもらいたいと考えます。主な事業と予算は

小中学校へ村費教員等の配置2,260万円
外国語指導助手2名配置  544万円
第一小旧調理場解体駐車場工事2,018万円
中学校のパソコン管理サーバの更新1,080万円
文化財冊子の作成  200万円
高校生世代までの医療費支援1,510万円
学童保育事業1,176万円

「福祉・健康・医療の充実」

 健康で小さい子供からお年寄りが生きがいを持ち、幸せに暮らすことが何よりも大切です。当村では健康プラン21に沿って、年代別の健康増進、トリプルAサポート事業、特定検診の充実により、村民の健康づくりに邁進しています。新規では男性の健康づくりグループ育成支援、各地域でウォーキングコースの研究を行い、村内各地を制覇できるようにするなど、楽しんで健康づくりに取り組めればと考えています。又、特養阿智荘、デイサービスえんばななど、老朽化しており必要な改修工事を予定しています。主な事業と予算は

水中運動による健康づくり事業2,653万円
各種健診事業等の実施1,576万円
地域で展開する健康づくり  336万円
予防接種事業1,746万円
地域包括支援センター事業4,184万円
福祉医療費給付事業2,297万円
福祉関係施設改修事業5,707万円

「産業の振興」

 観光をプラットホームにした産業振興をめざすため、年間120万人が訪れる観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。観光では観光組織の再編や昼神温泉の将来構想検討を行っており、リニア三遠南信時代に向けた戦略を展開して参ります。星でブレイクした地域振興を、さらに全村に広めるため、治部坂を再生すべく星の駅構想として、天文観測所、遊歩道など整備する予定です。又、昼神温泉エリアサポートが地域DMO、簡単に言えば地域全体の観光マネジメントを担う着地型観光の推進組織として全国に先駆けてできましたので、地域と観光業者と行政が一体となった新組織に期待が持てます。                    

 農林業は村の基盤産業として位置づけしています。これ以上遊休農地が増えないように、農地有効利用相談員を配置し、利用してくれる人へのコーディネートなど本格的に取り組みます。地産地消や滞在型観光のしくみのため、産直市場の研究も進めたいと思っていますし、自然エネルギーとしての木材利用推進や美しい里山作りのため、間伐材搬出の補助など循環サイクルのしくみ作りにも本腰を入れていきます。商工業も商工会としっかり連携し、地元業者が潤う住宅リフォーム事業や雇用奨励補助金など28年度も計上し、支援して参ります。主な事業と予算は

 
観光事業の補助金7,530万円
治部坂星の駅整備事業4,133万円
スタービレッジ事業2,000万円
産業振興公社助成金2,518万円
農地環境保全事業2,487万円
有害鳥獣対策事業1,757万円
間伐材搬出推進補助  175万円
商工業者経営支援、振興事業1,200万円
住宅リフォーム促進事業補助  400万円
 

「生活環境の整備計画」

 住民自治、地域力を高める事が人口増につなげる大変大きな要因だと思います。行政にも限りがあり、自立した防災体制こそが安心した生活の基盤だと考えます。道路等の整備では、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから整備して参りたいと思っています。今年、今まで将来にわたる道路やまちづくりの計画構想がなかった為、着手し、乱開発のないよう計画的に道路整備など行っていく予定です。水道関係は16年ぶりの料金改定を行い、6月の料金徴収から値上がりしますので村民の皆様にご理解をお願いいたします。設備も老朽化しており経営戦略策定や企業会計移行業務に予算をつけさせて頂いています。主な事業と予算は

村内巡回、西部コミュニティバスの運行3,215万円
伍和智里東線巡回バス購入1,000万円
ラッピングバス事業  105万円
防犯灯LED化(伍和地区)  600万円
庁舎非常用電源設備事業6,695万円
リニア中央新幹線対策事業調査委託料  230万円
小型薪割機購入補助金   50万円
阿智村道路まちづくり計画作成事業  105万円
村道の整備3,050万円
村営水道事業地方公営企業会計移行業務3,080万円

「定住人口の増加・行財政計画・協働の推進」

 阿智家族大作戦と銘打って、さらに力を入れて取り組んでいく所存です。村営住宅を28年度は智里西に、伍和には農地付の空家を改築し貸し出す試みを考えています。そして定住支援コーディネーターを設置したり、HPの充実、住宅新増改築等支援金などさらに阿智村は定住に前向きに取り組みます。空家の対策検討委員会も新しく立ち上げ、情報共有や有効活用に役立てます。

 又、星の村にふさわしい美しい景観にするため、まずは統一のサイン整備事業を行い、各自治会においても美しいふるさと事業などで、観光地らしい美しい花いっぱいにご協力を賜りたいと存じます。熊谷元一写真コンクールもテーマは「祝う」と「阿智村」に決まり、原点に返り60周年にふさわしい阿智村の姿を是非多くの方に訪れて頂き写真を撮って再発見して頂きたいと考えます。                                            

 情報にも力を入れます。HPの充実と、ケーブルテレビでは週間ウィークリーニュースの放映や、広報誌も工夫し、村の人々のいきいきとした姿、星座の解説や阿智高校生の作成したコーナーなど、親しみのある読みやすい紙面を目指します。主な事業と予算は

村営住宅建設事業4,538万円
集落支援員事業(定住支援 他)1,040万円
特定空き家等対策委員会   25万円
星の村の美しい統一景観公共サイン整備  530万円
定住促進のための住宅新増改築等支援金1,500万円
自治会活動支援金2,256万円
CATV運営事業4,693万円
村議会議員選挙、参議院議員通常選挙1,332万円

 「村制60周年記念事業」

 冒頭で申し上げました記念事業の他に、記念誌の発行、村のPR記録映像、村民の皆さんへの記念品など計画しています。又、星のデザインの婚姻届や原付のナンバープレートを作成することも計画しており、話題になるのではないかと思います。1年間を通して60周年に1,200万円を計上しています。


 以上、平成28年度の主な事業です。60周年を機に、新たな夢に向かった新規事業も多く組み入れさせて頂いている中で、長年の使われていない建物や施設、考え方を少しずつ紐解きながら、リニューアルしていこうと思っています。「星ふるさと」の精神で、阿智村も奥深き歴史のステージに、新たな輝きを刻んでいきたいと願っています。

(村内の経済状況について)

 商工会の調査によると、27年度12月~2月までの村の景況についてですが、どの業種もこの冬の雪の少なさにより大なり小なり影響があったようでございます。

 なんといってもスキー場は大変厳しく、平均で約30%のダウンの報告がありました。昼神温泉郷も5~10%の減ですが、スキー客の落ち込みを依然として根強い星のツアー客やふるさと一座でカバーしたようです。閑散期を見込んで1月に改装された旅館が4件あり、3月からの集客につなげています。しかし、村内の飲食店は逆に雪が少ないことにより、10~20%増の売り上げ、小売店は暖かい気候によりお客様が出かけ、平均で5~20%増の売り上げだったようです。

 建設業は除雪の仕事が少なく売り上げダウンですが、雪がないお蔭で普段の仕事がはかどったようです。製造業については12月~1月の落ち込みが響いたが3月以降は回復傾向にあり、食品製造については好調で、この4月にも新卒を大勢採用し、阿智村に定住して頂く予定だそうです。 

(議会審議)

  本議会でご審議いただく案件は、報告案件1件、事件案件2件、条例案件9件、予算案件7件であります。

 報告案件は、専決第1号、平成27年度阿智村一般会計補正予算第7号について承認をお願いするものです。既定の歳入歳出予算総額に5,500千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,087,193千円とするもので、ふるさと大使の安藤様の会社からご寄付をいただきましたので、関連する補正であります。

 事件案件のうち、南信州広域連合が処理する事務の変更及び南信州広域連合規約の変更については、現状の事務に合わない部分の変更と知の拠点整備等当面する課題への対応や今後の展開のために、関連する規約を変更するものです。本谷園原辺地に係る総合整備計画の変更は、中央の村道改良を計画に追加するものです。

 条例案件のうち、阿智村行政不服審査会条例の制定及び阿智村行政不服審査法の規定による提出資料等の写し等の交付に係る定数料に関する条例の制定は、行政不服審査法が改正されたことに伴い、関連する条例を制定するものです。

 阿智村行政手続き条例の一部を改正する条例の制定は、行政手続き法が改正されたことに伴い所要の改正を行うものです。

 職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例は、地方公務員法が改正されたことによる所要の改正を行うものです。

 阿智村特別職の職員で常勤の者等の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定は、期末手当の支給率を国に準じて改正するものです。

 一般職の職員給与に関する条例の一部を改正する条例の制定は、地方公務員法の改正に伴うものと、国の給与制度に準じ所要の改正を行うものです

 阿智村税条例の一部を改正する条例の制定は、個人番号の利用事務が変更になりましたので、所要の改正を行うものです。

 阿智村固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例の制定は、行政不服審査法の改正に伴い所要の改正を行うものです。

 阿智村消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例は、法律の改正に伴い所要の改正を行うものです。

 予算案件は、平成28年度阿智村一般会計及び各特別会計予算の議決をいただくものです。

 平成28年度阿智村一般会計予算は、歳入歳出予算総額48億1千万円と昨年度当初予算47億1千万円と比較し、1億円の増であります。

 歳入については、村税で前年度より40,924千円増の749,886千円、地方交付税は前年度より13,000千円減の2,520,000千円。

 村債は、道路改良事業、庁舎非常用電源整備、旧清内路中学校体育館天井板撤去等に154,400千円、臨時財政対策債は、前年度より88,000千円増の115,000千円、合計で前年度より89,600千円増の269,400千円となります。

 基金繰り入れは、阿智荘の改修に阿智荘財政調整基金から30,000千円、湯ったりーな昼神の改修に阿智開発公社事業基金から22,300千円など前年度より2,416千円の増となり、繰り入れ総額は65,580千円となります。歳出については、先ほど主な事業について申し上げましたので、内容については「事業等計画書」を参考にしていただきたいと思います。

 次に特別会計ですが、

阿智村国民健康保険事業特別会計は、事業勘定で歳入歳出総額719,000千円、直営診療所勘定で歳入歳出総額83,000千円、

阿智村水道事業特別会計は、歳入歳出総額273,000千円、

阿智村下水道事業特別会計は、歳入歳出予算総額280,000千円、

阿智村介護保険特別会計予算は、歳入歳出予算総額798,000千円、

阿智村農業集落排水事業特別会計は、歳入歳出総額71,500千円、

阿智村後期高齢者医療特別会計は、歳入歳出予算総額69,000千円です。

 この他、人事案件、平成27年度各会計の補正予算等について追加日程でご審議いただくことになります。

 以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

(おわりに)

 4月9日にはいよいよ待望の天竜公園阿智線、栗矢大橋、栗矢トンネルが開通致します。今回工事の伍和工区は10年、総工費27億6,500万円の大事業でありました。今まで下條村に抜けるのに狭い道でカーブが多く、特に高齢者や女性には敬遠され気味でした。当日は開通式を開催し、午後3時から通行できる予定であります。下條までのアクセスが画期的によくなり、きっと通行量も多くなるだろうと思われます。生活道路として、観光道路として大変期待が持てます。

 又、リニアについては社会環境アセスの結果が出たことから、運搬土等の搬出車のシミュレーションも参考にし、住民の皆さんの安全を第一に、地域振興の方向性をさぐりながら対応して参りたいと思います。今後も、アセスの説明会や広報等で情報を流させて頂きながら、リニア対策委員会の皆さんと相談をしながらリニアの対応を行って参りたいと思っています。

 さて、この3月1日には、清内路振興室の職員3人が飯田広域消防から「救命サポート隊」の任命を受け、活動をスタートしました。清内路地区は飯田下伊那の中でも救急車が到着するまでどうしても20分近くかかり、今までも住民の方が困ったことがあった時は、真っ先に役場に電話を頂いていました。救急車が到着するまでの間、応急処置ができるように訓練も受けて対応する事になります。長野県下では初、全国でも数例しかないそうです。住民の方が安心して暮らせる、頼りになる役場として認められる事のうれしさと、又気の引き締まる思いで業務に取り組んで参りたいと思います。

 時代は常に動いています。地方創生による人口や地域活力の問題、少子高齢化、地方との格差などこれから取り組むべき問題も多くあります。そんな時、我が村が行政に大きい小さいもない、輝く村として一人ひとりが元気と知恵を出して素晴らしい阿智村をめざしたいと思っています。

 以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。