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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(平成26年6月10日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年6月10日更新

はじめに

 6月定例議会開会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。
 平成26年度がスタートし、2か月が経過しました。阿智村での大きな話題とすれば、智里西で恒例の「花もも祭り」の最盛は今年も5月の連休と重なることになりました。祭り期間中の入り込み客は25万人に達したと推計されております。「ヘブンスそのはら」を始め智里西地区へはこの間だけでも多くの入り込みがあったと考えられます。清内路地区にも連休明けに咲き、阿智村全体で標高差を利用し時期をずらして、多くのみなさんが「花もも」を楽しまれました。役場職員、観光関係者もはなももの名刺で全国にPRし、本村が花がきれいな美しい村としてイメージされるようになったと感じます。イベントに直接係わっていただいた皆さんはもとより、苗を植え育てていただいた皆さんにあらためて感謝致します。
 観光関係でもう一点。本年も4月にスタービレッジ実行委員会を立ち上げ、「日本一星空のきれいな村」として3年目を迎えました。目標は5万人ですが、この連休中も毎晩500人がイベントに参加、この夏にも期待が持てそうです。
 全国組織の「恋人の聖地」にも認定され、若者に阿智村に多く訪れて頂くしかけも整い、少子化対策にも効を奏しそうです。いづれにしても、この阿智村は自然豊かで、歴史と地域資源が豊富で、私たち村民が誇りをもてる、村の事を案内できる、いわば「全村博物館構想」の理念として今後展開して参りたいと思います。平成25年度の阿智村への観光入込客数は昨年に比べて6.5%の増の133万人でした。最盛期の平成20年の141万人には及びませんが、満蒙開拓平和記念館、望郷の鐘の映画製作、エコトレッキングの阿智セブンサミットなど新しい話題も多く、今後さらにしかけをして参りたいと思います。
 6月6日には、阿智産業振興公社の社員総会が80人余の社員のみなさんが出席し開催されました。村沢理事長の指導力の下で、役員職員が率先して農産物の有利販売、遊休耕地の解消等に取り組まれた成果が報告されました。これによりますと、農産物の販売収入は昨年対比175%の7千3百万円の好成績でありました。これにより、公社を通して販売する農家の内、販売額100万円以上の農家は9人となっております。販売された農家は150人と多くの農家が利用されております。この他若手後継者の育成のため、研修生の受け入れも3名行い農業振興を大きく前進させて頂きました。役員の改選が行われ、園原新理事長のもと、これからご活躍頂くことになりました。役員のみなさんの一層のお力添えをお願い致すものであります。又、2月の大雪の被害も国2分の1、県からは4分の1、村からも4分の1の負担により農業者のビニールハウスの撤去に補助金が適用され、再建にも補助金をあてる事により、ほぼ多くの皆さんが農業に意欲を削ぐことなく再建する方向性ができました。

 以前、介護保険料が県内2番目の高額になったことにより、本村の介護実態、健康度等多くのみなさんの関心を集めております。これと関連して、検診事業の強化、各部落で「健康常会」や各団体の「トリプルAサポート事業」を開いて頂き、健康に対する意識の向上を進めてきました。特に今年度は成人歯科検診、女性のがん検診助成事業を新規に取り入れました。平成25年度の健康診断では、受診者数は様々なものを含めて、のべ2900人でした。トリプルAサポート事業ではみなさんのご協力もあって、23団体、208回、参加人数はのべ2,000人で開催することが出来ました。26年度も既に29回、269人の方に受講して頂いています。今回の事業を通じて、村民全員が年齢に応じた健康に対して関心を高めるため、引き続いて計画して参ります。
 6月5日には国民健康保険運営協議会が開かれ、諮問どおり本年度の税率を据え置くよう答申頂きました。昨年度の一般被保険者の保険給付費が前年より2600万円ほど少なく、又、村の健康サポート体制や一人ひとりの意識の向上が功を奏したものかと存じます。
その他には、日本福祉大学と、全国で同大学との連携を結んでいる6か所の地域との防災協定の締結を6月8日に結びました。又教育関係では、図書館10周年記念事業も盛大に開催でき、さらに親しみある図書館に向けて再出発し、阿智村の歴史読本も完成し、子供たちの授業に役立てて頂くことになっています。阿智高校のみさか塾も今年度は36人が受講、他にも治部坂で植樹祭など、当村には数多くの話題がございました。

平成25年度決算

 さて、この5月末日を持って25年度会計が閉められましたが、一般会計においては歳入総額65億9,300万円、歳出総額56億5,900万円、翌年度への繰越額7億5,300万円を差し引いた1億8,100万円が実質残額となる見込みであります。25年度は大きな災害があったこともあり、繰り越し事業が大きくなりました。
 特別会計もすべて黒字で決算できる見込みであります。
 例年問題となっております、税等の滞納でありますが、今年度も多額な滞納額になってしまいました。
 村税については、固定資産税を中心に現年度分6,927千円(前年8,921千円)、過年度分17,499千円(20,280千円)で合計24,426千円(29,201千円)と昨年比4,775千円の減となりました。このほか保育料、住宅料等の滞納もあり、一般会計全体の滞納額は、現年度分9,359千円、(11,869千円)、過年度分23,585千円(26,473千円)で合計32,944千円(38,342千円)となりました。この結果収納率では現年度分98.8%と前年度を0.3%上回り、過年度分では36.7%と0.5%下回りました。
 一方特別会計においては、国民健康保険税で現年度分7,073千円(6,146千円)、過年度分8,507千円(8,860千円)、合計で15,580千円(15,006千円)と574千円増額となりました。収納率は90.0%(89.4%)と改善されました。
 水道事業では、5,556千円(5,287千円)、下水道事業では、11,901千円(11,372千円)等で、特別会計全体では、現年度分14,196千円(12,679千円)、過年度分21,013千円(20,802千円)、合計では、35,209千円(33,481千円)となりました。
 この結果一般会計と特別会計の滞納総額は、68,153千円(71,823千円)と、前年度より3,670千円減少しました。収納率では、現年度分で98.3%と0.1%向上、滞納繰越分では36.3%と1.4%減となりました。
 多額な滞納額は、財政運営に支障をきたすばかりでなく、住民の皆さんの負担の公平性という点からも大きな問題であります。
 滞納を減らすために努力しているところでありますが、大口滞納者が固定化してきています。今後も庁内を挙げて滞納整理に努めてまいります。
 さて、国政においては、4月より消費税が8パーセントになりました。その影響は、地方経済にも大きく影響しつつありますが、今後商工会を通じ、企業の消費税転嫁対策の徹底につとめて参りたいと思います。集団的自衛権、道州制などそれらをめぐる論議が政局がらみの状況で進められています。今、全国町村会は会をあげて道州制導入に反対運動を展開しています。今一度地方自治とは何かを考え、現憲法の理念に立った地方自治を創り上げていくことが喫緊の課題であると思います。小さくても輝く自治体、阿智村として、地方自治の主権者である住民が、自らの地域に存在する課題を発見し、議論し、解決していくことが大切なのではないでしょうか。この夏には県知事選挙が行われます。私たちが住む長野県をどうしていきたいのか、子供たちに何を残していくのかを考えたうえで主権者としての役割をはたしていかなくてはならないと思います。
 こうした中で本村においても、人口減少が続いており、25年4月と今年4月との比較では、121人の自然減となっており、地域によっての具体的な統計をもとに、日本全国のこの流れを止める対策が急務ですが、婚活事業などさらに力を入れて参ります。
 喫緊の課題も、指定管理の施設の状況やリニア中央新幹線の残土運搬の件などありますが、主張すべきことは主張し、この国家的プロジェクト事業が完結するまでの13年間が、阿智村の魅力を最大限にプロポーションし、子供からお年寄りまでが純粋に阿智村は美しい、魅力ある、住みやすい、誇りの持てる村だと思える地域づくりに取り組んで参ります。 
 議会の皆さんにおかれては、議員による住民懇談会を各自治会で開催して頂きました。26年度予算に盛られた事業の説明を含め村政全般についてご懇談を頂き、大変ありがとうございました。行政執行にあたって私たちの不手際のご指摘も多く、意見をお聞きいただいたことに感謝いたすと共に、今後常に住民の皆さんと課題の共有化に取り組んで参りたいと思います。今後とも議会といたしましてもご尽力賜りますようお願いいたします。

村内の景気動向

 それでは、村内の景気動向について少し触れてみたいと思います。
消費税の心配がありましたが、製造業は4月以降も順調に受注があり、従業員の皆さんも残業、休日出勤で対応されているようです。小売業は、3月は消費税の駆け込み需要があり好調で、4月以降も前年並みの売り上げを確保。但し観光業、飲食業は消費税アップにより単価の減、ETCの休日割引の廃止、観光バスの規制強化などの原因により、売上は例年より多少厳しかったようです。
建設業は、大雪処理のため災害復旧が遅れたこともあり、3~5月は大変忙しく売上増につながったようであります。

審議案件

 さて、今議会でご審議いただく案件は、報告案件7件、予算案件2件であります。
報告案件のうち専決処分事項の報告では、専決第1号、平成25年度阿智村一般会計補正予算第8号については、既定の歳入歳出予算総額に562,530千円を減額し、歳入歳出予算総額を7,599,316千円とするものであります。補正予算の内容は事業費等の確定による補正であります。
 専決第2号、阿智村税条例の一部を改正する条例は、地方税法の改正にともなうものであります。
 専決第3号、スクールバス購入事業契約の締結は、阿智中学校スクールバスの購入によるものであります。
 専決第4号、損害賠償の額を定めることについては、損害賠償の額が確定しましたので報告するものであります。
 議案第4号から6号は、平成25年度より26年度へ繰り越した事業に係る明細を報告するものであります。
 議案第7号、平成26年度阿智村一般会計補正予算第1号は、既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ147,866千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,154,866千円とするものであります。
 歳出の主なものは、総務費では、番号制度に向けての電算システム改修費として、戸籍住民台帳費を4,400千円減額し、財産管理費に5,900千円追加、協働活動推進課に臨時職員を雇用することに1,490千円、コミュニティー助成事業として、清内路地区の公園整備と中関地区の祭り用品購入に助成金が交付されることが決まりましたので、補助金2,900千円、寺尾部落の集会所改築に補助金8,000千円、民生費では、伍和保育所の駐車場工事として、1,500千円、衛生費では、村内に配置しているAEDの更新費用として1,232千円、簡易水道監視システムの更新費として水道事業特別会計への繰り出し金31,900千円、農林水産業費では、大雪により被害を受けたビニールハウスの復旧補助として65,700千円、商工費ではスタービレッジの事業への補助として2,500千円、プレミアム商品券事業への補助として4,000千円、土木費では、火災にあった清内路の村営住宅改修費として、保険金を充て、23,000千円、消防費では宝くじの助成金を活用して、林野火災用の消火用具の購入に1,151千円、教育費では、清内路のミズナラの保護に国の補助金が決まってきましたので、保護事業として2,335千円を追加します。
 議案第8号、平成26年度阿智村水道事業特別会計補正予算第1号は、既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ81,526千円を追加し、歳入歳出予算総額を273,820千円とするものであります。
 以上本議会においてご審議いただく案件について説明いたしましたが、詳細は上程のつど詳しくご説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

さいごに

 今年度も2ヶ月が過ぎました。私自身も4か月が経過しました。
合併より5年、8年が経過し今後の行政運営についても見直しがされなくてはなりません。特に遊休施設や土地利用等については出来るだけ早く結論を出さなくてはなりません。
 地域振興のための施設で指定管理にしている施設も大幅改修が必要となるなど、今後の対応について出来るだけ早く結論を出すことが必要であります。また、村が運営費の大半を出している組織については、今後の財政状況を見通す中で再検討が必要になると考えます。

 最初にも申し上げましたが、リニア中央新幹線までの約10年の間に、この阿智村が、南信州が、全国の方にさらに認知される素晴らしい村づくり、特に「人財」の育成に最も力を入れていく所存でございます。
 私たちは、今一度多くの村民の皆さんからご意見を聞きながら、阿智村に住めばこんな素晴らしいことが可能になると実感できる村、そして特に若い世代にももっと村政に関心をもってもらい、夢の持てる村、希望を持って働くことのできる村づくりを目指して、皆さんに知恵と力を結集していくことにご協力頂きますようお願いして、私からのあいさつとさせて頂きます。