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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(平成28年6月8日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月8日更新

はじめに

 6月定例議会開会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。

 まずは今回の熊本を中心に起きた大震災によって、被害に逢われた皆様に心からお見舞い申し上げます。昭和30年代に伍和を中心に八代市に開拓にいかれた皆さんの歴史もあり、当村としても広域連合の中で非常食の提供や、赤十字奉仕団を通じて義援金を多くの村民の方からご協力を頂きました。
 特に阿智第二小学校5年生の皆さんが育てた野菜の売り上げ金から、そして昼神の伊那華さんから竹林の整備も兼ね、観光客へのタケノコ販売の売り上げなどご提供頂きました。大変感謝申し上げます。

 さて、暑い日や肌寒い日が交互に訪れ、いよいよ阿智村も梅雨入りとなりました。6月5日には長野県で52年ぶりに全国植樹祭が開催され、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、長野市での式典に私も出席して参りました。美しい地球を守るため、未来へ繋がる素晴らしい取り組みに、私達一人ひとりの意識の重要さを改めて感じました。
 当村としても4月23日に村制60周年記念事業の第1弾として植樹祭を開催し、約100人が参加し、伍和保育園横の村有地に「コナラ」や「ドウダンツツジ」など、美しい里山の整備、防災の森づくりをめざし、約800本の苗木を植えました。植えた子供達が20年後に、自分の子供達を連れてどんぐりを拾う日を楽しみにしたいと感じました。

 又、阿智村での大きな話題とすれば、恒例の「花もも祭り」は今年は早い時期に咲き始め、4月後半が最盛期となり、ゴールデンウィークには少しピークを過ぎた状況となりました。しかし、星空の関係で全国ネットの報道に多く取り上げて頂き、多くの観光客の皆さんにお越し頂きました。5月3日から5日は毎晩3,000人近くの方が星空ナイトツアーに参加され、昼神の旅館など阿智村全体への経済波及効果がありました。マスコミの皆さんも多数みえた事で、さらに全国に阿智の名を広めることができたと思います。

村の状況

 4月9日には待望の主要地方道天竜公園阿智線の伍和工区、栗矢トンネルなどが完成し、開通式を行いました。平成8年から10年かけ、事業費約27億6400万円、多くの関係各位の皆さんのご尽力により完成しました事に、大きな喜びと共に、深く感謝申し上げたいと思います。
 当日は3世代2組のご家族が橋やトンネルの渡り初め、子供達の太鼓など賑やかく開通式ができました。その後通行量が増え、店や観光地、生活面で交流人口の増に、大変大きな役割を担う道路となりました。リニア、三遠南信道時代の広域ネットワーク道路として、地域振興の推進に大きく寄与する事をさらに期待したいと思います。

  5月16日から18日にかけ長野県の移動知事室、タウンミーティングが飯田下伊那地域で行われ、17日午後から阿部知事が、阿智高校みさか塾の視察、公民館活動のシンポジウム、夜には星空観光の取り組みの視察、翌日には村の若いお母様方が知事と直接懇談しました。
 知事は特に歴史ある公民館の活動に地域づくりの思いを述べられ、又星空観光の取り組みやDMOの取り組みにも興味を頂いて、県としても方向性を探っていきたいと語っておられました。
 地方創生、人口の確保についても今回の移動知事室のメインテーマであり、当村からも「阿智家族」の取り組み報告や、地方事務所の中に定住窓口、チームの設置をお願いしました。

 定住について、うれしいお知らせもあります。今年4月1日現在の当村の人口は6,656人。1年前は6,756人であり、100人の減でありましたが、4月一か月の異動では出生、転入が51人、死亡、転出が28人と、プラス23人となり、約2年ぶりに20人を超える数字となりました。阿智村に住んでみたいという県内外からの転入者が多かったようです。このいい流れで人口増につながっていけばと期待しています。

 さて、観光行政について大きな動きがあった事をご報告します。5月20日に、地域全体の観光マネジメントを担う着地型観光の推進組織として、地域と観光業者と行政が一体となった日本版DMOのシンポジウムを開催し、併せて6月1日より(株)阿智昼神観光局発足の発表もさせて頂きました。
 今まで昼神温泉に特化した組織でありましたが、阿智村全体を観光プラットホームにした産業振興をめざすため、年間120万人が訪れる観光客にいかに阿智村のファンになってもらうか、そして、交流人口の増加により、この村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。

 又リニア三遠南信時代に向けた戦略を展開して参ります。星でブレイクした地域振興を、さらに全村に広めるため、今後治部坂を星の駅構想として、天文観測施設、遊歩道など整備する予定ですし、地域と一体となった新組織に期待が持てます。

 農林業は村の基盤産業として位置づけしています。これ以上遊休農地が増えないように、集落支援員として農地有効利用相談員をこの4月より配置し、利用してくれる人へのコーディネートなど本格的に取り組んでいます。ねらい通り相談件数は多く、5月までの2か月間で20件、実際に農地を有効利用できた例が4件と徐々に実績を上げています。特に今年になり遊休農地をお持ちの村外の方からの相談が多い事が大きな特徴です。
 又6月から定住関係も集落支援員を配置し、農業と定住といった問い合わせも多く、産業振興公社ともしっかり連携して事業を進めて参りたいと考えています。

 さて、昨年完成した阿智村の健康増進食育計画「あち健康プラン21」に基づいて、只今阿智オリジナル健康体操の普及に積極的に取り組んでいます。指導者育成講習会を計5日間開催し、毎回多くの皆さんに参加頂いています。又日曜日には朝7時と午後4時に健康番組をケーブルテレビで放送し、大変好評を得ています。
 昨年報告しました通り、現在の阿智村は病気ではなく老衰で亡くなる人の割合が、男性が全国平均の1.8倍、女性が2.2倍と高く、保健レベルの良さを示しています。しかし、認知症の原因である脳卒中の死亡率は全国の1.6倍、さらに男性の肝臓病2.3倍といった課題もあります。このプランではライフステージに分け、それぞれの時期に取り組むべき健康づくりを推進しています。これと関連して、検診事業の推進、各団体の皆さんが「トリプルAサポート事業」に取り組んで頂き、健康に対する意識の向上を進めてきました。
 6月9日には国民健康保険運営協議会が開かれ、本年度の税率を据え置くよう答申頂きました。昨年度の一般被保険者の保険給付費が前年より4%ほど多くなっていますが、国保会計の繰越金が3千万円余見込める事や、基金も4千万円余ある事などから、据え置く方針を出させて頂きました。しかし、高齢化社会を迎え、一人暮らしのお年寄りも増える中で、将来の地域医療の方向性も考えていかなくてはなりません。

 教育については、今年度から保育園は副園長4人体制とし、命令系統の明確化や相談体制が充実できる環境を整えることができました。又素晴らしい保育園作りに園長と職員、保護者とでしっかり話し合いの場を設けてもらっています。現場の声をしっかり受け止め、確認し、良い方向性に導いて参りたいと考えます。

  さて、リニア中央新幹線関係でありますがリニア対策委員会、そして委員会の幹事会の皆様と、村の方向性が間違わないように協議して頂いています。様々な課題はありますが清内路斜抗近くの、村道1-20号線の地権者、利用者の皆様と工事車両等の影響が最小限で済むように、最優先で協議させて頂いていますが、発生土についてはまずは、斜抗周辺の影響がない場所の調査など進めていきたい考えです。
 しっかり要望をJRや国県に伝え、文書等で約束を交わせるものはお願いしながら、同時にリニア時代をどう地域振興に活かして生きていくか、住民の皆さんと一緒になって考えて参りたいと思います。

 自治会活動、公民館もさかんで各地域様々な活動をして頂いてます。新しい役員さんのもと、この時期には村内の美化のため、ごみゼロ運動や草刈り作業、美しいふるさと作り事業で花など植えて頂いている姿を目にしました。他にも全村博の看板設置や地域あげてのまつり、イベントなどで新聞紙上が賑わい、当村には数多くの話題がございました。又5月3日には恒例の成人式を行い52名が参加。立派な成人達の姿に頼もしく感じました。

村内の景気動向

  それでは、村内の景気動向について少し触れてみたいと思います。

 製造業は業種によって差はありますが、自動車産業は3月~5月は10%減との事で熊本の震災等の影響が出ているようです。一方、生産機械、医療、食品製造関係は例年並みの売り上げが確保でき、海外の動向にも左右されるが、今後も新技術や新商品の開発を検討していくようであります。

 小売業は、まず衣料関係他の業種は微増であり、食品関係は5月に星やはなももの関係で観光客に多く来て頂いたり、定かではありませんが伍和工区が開通したことで下條方面からも来て頂いているのではないかと想像します。

 観光業、飲食業の3月はお練りまつりもあり減少でした。今年のはなももの開花時期が早かったせいか、4月は今までにない売上を記録した店もあり、10%の増、5月は星のお客様の影響もあり例年並みであったようです。旅館関係は3月までは約5%減、4月以降は5%増、星空ナイトツアーの影響もあり夏の予約状況も既にいいそうであります。

平成27年度会計状況

 5月末日を持って27年度会計が閉められましたが、一般会計においては 

 歳入総額      58億9,300万円
 歳出総額      53億4,600万円
 翌年度への繰越額    9,800万円
 残額          4億4,900万円 

 例年問題となっております、税等の滞納の報告をします。今年度も多額な滞納額になってしまいましたが、収納率では昨年よりいい数字となりました。固定資産税、住宅料、保育料等一般会計全体の滞納額は

 現年度分    8,505千円(前年10,713千円)
 過年度分   19,939千円(前年22,585千円)
 合計      28,444千円(前年33,298千円)

 この結果収納率では現年度分99.0%と0.3%上回り、過年度分では39.1%と8.5%上回りました。

 一方、特別会計においては、国民健康保険税、水道、下水道全体で

 現年度分    7,066千円(前年10,849千円)
 過年度分   19,911千円(前年21,752千円)
 合計      26,977千円(前年32,601千円)

 この結果一般会計と特別会計の滞納総額は、55,421千円(65,899千円)と、前年度より10,478千円減少しました。収納率では、現年度分で98.9%と0.5%向上、滞納繰越分では38.7%と4.6%増となりました。

 多額な滞納額は、財政運営に支障をきたすばかりでなく、住民の皆さんの負担の公平性という点からも大きな問題であります。滞納を減らすために努力しているところでありますが、大口滞納者が固定化してきています。今後も庁内を挙げて滞納整理に努めてまいります。

上程議案

 今議会でご審議いただく案件は、承認案件2件、条例案件1件、事件案件3件、予算案件2件、報告案件3件であります。

承認案件2件

 専決第2号 平成27年度阿智村一般会計補正予算第9号は、既定の歳入歳出予算総額に254,948千円を追加し、歳入歳出予算総額を5,722,524千円とするものであります。補正予算の内容は事業費等の確定による補正であります。

 専決第3号 阿智村税条例の一部を改正する条例は、地方税法等の改正にともなうものであります。

条例案件1件

 議案第28号は、空家等に関する施策について協議するために、空家等対策協議会を設置するための条例を制定するものです。

事件案件3件

 議案第29号は、行政不服審査会を共同設置するために、下伊那郡町村公平委員会規約を変更するものです。
 議案第30号は、本谷園原辺地に係る総合計画の変更で、中央の村道改良を計画に追加するものです。
 議案第31号は、阿智中学校生徒が部活動中に負傷した事故の損害賠償について額を定めるものです。

予算案件2件

 議案第32号は、平成28年度阿智村一般会計補正予算第1号、既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ24,781千円を追加し、歳入歳出予算総額を4,834,781千円とするものであります。

歳出の主なものは、

番号制度中間サーバー利用負担金 1,426千円

コミュニティー助成事業として、中関高齢者生きがいセンターの施設整備、清内路地区のコミュニティー備品の購入、智里西地区の防災用品の購入補助金 5,800千円

中電柱等の移転に伴う光ケーブル工事 8,400千円

元気づくり支援金を活用して全村博物館構想の推進事業 1,377千円

中関宮崎邸跡地周辺の用地購入と整備工事 3,336千円

お試し暮らし住宅の物品購入等 500千円

地方公共団体情報システム機構負担金 1,594千円

商店街創造支援事業補助金 996千円

湯ったりーな昼神の太陽光発電システム使用料 2,764千円

 財源の主なものは地方交付税12,936千円、国庫補助金1,612千円、県補助金2,563千円、昼神温泉エリアサポート株券の売払い1,730千円、コミュニティー助成事業等補助金5,800千円です。

 議案第32号は、平成28年度阿智村水道事業特別会計補正予算第1号は、水道施設設計委託料に係る補正であります。

報告案件3件

 報告第1号、第2号は、村道管理に起因して発生した事故の損害賠償について報告するものです。

 報告第3号は、平成27年度より28年度へ繰り越した事業に係る明細を報告するものです。

 以上本議会においてご審議いただく案件について説明いたしましたが、詳細は上程のつど詳しくご説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

おわりに

 平成28年度は村制60周年の記念すべき年として、4月には役場庁舎、公民館、振興室等に「星ふるさと阿智村」「歴史を語ろう!夢を語ろう!60年」の横断幕を張り、広報「あち」でも特集を組み、これから1年間行われる記念行事のお知らせと共に、スタートしました。
 7月7、8日には60周年記念事業の大きなイベント「大塚愛」さんのコンサートがヘブンスそのはらで開催されます。村民向けには5日に先行発売し、2日間で約350枚のチケットをお求め頂きました。8月4日には、全国巡回ラジオ体操が阿智中学校で開催されます。村民の皆さんの健康の意識向上が最大の目的であり、村民が一堂に会する貴重な場であり、そして生中継でこの阿智村を全国へ発信できる重要な場でもります。どちらも是非多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 さて、毎晩、各地区の小学校などのグラウンドでは、6月26日の阿智村消防団技術大会に向け、団員諸君が練習に明け暮れています。地域の安全のため、村の生命財産を守るため、火災があった時水をいち早く、正確に出すための技術大会です。練習や大会を通じて、先輩や後輩、地域の方の繋がり、そして悔いのない、よい成績が収められるよう期待したいものです。村民の方も是非練習や大会を覗いて見てやってください。

 梅雨が明ける7月30日には、恒例の阿智の夏祭りが開催され「山あいに轟く大音響」「花火と星の競演」をキャッチコピーに、火祭りとあわせて他とは違った花火大会をPRする予定です。昨年同様よい天気を期待したいものです。

 最後に、多くの村民の皆さんからご意見を聞きながら、阿智村に住めばこんな素晴らしいことが可能になると実感できる村、子供からお年寄りまで、夢の持てる村、希望を持って働くことのできる村づくりを目指して、6月定例議会の私からのあいさつとさせて頂きます。