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阿智家族

会社員 熊谷誠司さん

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年5月22日更新
熊谷誠司トップ

親から子へ、さらに孫へ。
支え合いながら
つながりが
つづいてゆくんですね。

4世代11人が 同じ敷地内に暮らす 大きな阿智家族

 「近所に親も兄弟もいて、子どもの頃からの友人も多い。保育園の保護者会、小学校のPTAや消防団、地区のことなどさまざまな立場での交流も多いですね。つながりが密すぎると感じる人もいるかもしれませんが、自分は苦痛ではないし、そんな関係が好きなんじゃないかと思います」そう語る熊谷 誠司さん。


 駒つなぎの桜や月見堂をはじめとする歴史スポットにほど近い園原地区。誠司さんは昨年、ご実家の敷地内に自宅を新築したばかりだ。
 

 隣接するご実家には、ご両親と祖父母、高校生の弟さんの5人が生活し、誠司さんの家族6人を合わせると実に4世代11人が同じ敷地内に暮らしている。
 

 誠司さんを長兄とする4兄弟のうち、次男、三男の弟さんも現在はそれぞれ家庭を持ち、阿智村内に暮らす。まさに、大きな大きな阿智家族だ。

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子育てするには とてもいい環境だと 思っています

 高校で一緒だった妻の花奈さんは飯田市出身。高校卒業後は、おふたりとも進学のため地元を離れ、名古屋での学生生活を送った。名古屋に残るか地元に帰るか、就活の際に悩むことはなかったのだろうか。誠司さんに尋ねてみた。
 

 「そのまま名古屋で働くことを考えなかったわけではないけれど、あえて出て行く必要はないな、とやはり地元での就職を選びました。ほどなく結婚して長男も生まれ、それが自然な流れだったのだと思います」
 

 現在は4人の元気な男の子のママとして子育てに奮闘する花奈さんには、阿智村での子育てについて尋ねてみると、「子育てするにはとてもいい環境だと思っています。自由に駆け回れる環境で、存分に気兼ねなく遊べる場所って今ではなかなかなくなってしまいましたからね。智里西地区でいえば、子どもの数は極端に増えることはないけれど減ることもなくて、だいたい同じ人数が毎年保育園に入園しています。普段はそれぞれに兄弟だけでなく、近所のお友だちと遊んでいますよ」

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阿智村消防団第6分団長を務める誠司さん。
「しょっちゅう顔を合わせる仲間でも、話は不思議と尽きないんですよ」。
「私は結婚するまで園原に来たことがありませんでしたが、東山道・園原ビジターセンターはゝき木館から見る景色が今は大好きなんです」と花奈さん。

 

嫁さんを連れて 帰ってくるもんだ、と 思っていたのかなぁ

 「自分も一度この地を離れていますが、園原に帰ってくることに抵抗はありませんでした。というか、長男だったからか嫁さんを連れて帰ってくるもんだ、と思っていたのかなぁ。親にどうしても帰って来いと言われていたわけではないけれど、心に決めていたんだと思いますね」
 

 そう語ってくださったのは、お父様の熊谷 知文さん。
 

 園原地区には知文さんと同年代が多く、皆さんそれぞれ一度は村を離れ、結婚して園原に戻った方が多いそうだ。そしてやはり同年代の子どもを育てながら、消防団や公民館、地区の役を務め年を重ねてきたとふり返る。
 

 「お嫁に来た人たちは来た者同士でまた団結力が強いんです。年齢も近い人が多いから私も楽しく過ごせてきたし、不便だとか苦に思ったことはほとんどないですよ」とお母様の弘子さん。

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「地区内にはIターンして来られたご家族もいるけれど、普通にコミュニティーに入ってきてくれていますよ」と知文さん。

小さいときから育ってきた 園原の地は、 やっぱり気持ちが安らぎます

 「距離や関係が近すぎて疎ましいとか面倒だということはないんです。息子たちの世代も自分たちと同じように、みんな同じぐらいの子どもを育てながらこの土地で生きています。親から子へ、子からさらに孫へと支え合いながら、これからもこんなつながりが続いていってほしいと思っています。もともとここ園原を含む智里西地区は、本家があって兄弟がそれぞれ別家して増えていった土地柄でもあります。外から新しく来る方を待っているだけではなく、地区として繰り返されてきた伝統がこれからもうまく続けばいいなぁと思っています。小さいときから育ってきた園原の地は、やっぱり気持ちが安らぎます。心のよりどころというのかな。きっと子どもや孫たちもそれぞれに何かを感じているんじゃないかなぁ」
 

 仲良く遊ぶ孫たちに目を細めながら語る知文さんの言葉は、とてもあたたかい。

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四男の翼くんは大の獅子好き。
この日も獅子頭を手に4歳とは思えない舞を披露してくれた。
智里西地区に受け継がれてきた木賊獅子で、数年前の獅子フェスに長男の碧くんが出演して以来、翼くんはすっかり獅子の世界にはまってしまったのだそう。

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取材当日は雪模様。
でも子どもたちは降りしきる雪の中でも元気に遊ぶ、遊ぶ!