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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
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阿智村定例議会(令和6年3月5日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年3月5日更新

はじめに                      

 今年の冬は不安定な気温の日が続き、季節外れの雨の日や寒い日もありましたが、3月になり、駒場や昼神温泉を中心にひなまつり街道事業も始まり、卒業のシーズン、春の足音が一歩ずつ近づく季節となりました。
 元日には能登半島での地震により、多くの方が被害に遭われました。一日も早い復興を祈念し、亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。国内では政治資金収支報告書の不記載による政治不信が続き、物価高騰や少子高齢化の問題、そして世界では依然として続くロシアのウクライナへの侵攻など不安な状況も続いています。
 3月議会では、第6次総合計画後期計画2年目となり、地区懇談会、各団体の懇談会、計画審議会等を昨秋から開催させて頂き、令和6年度の予算の骨格がまとまりましたので上程させて頂きたいと思います。

令和6年度重点施策について 

 令和6年度は特に日本中で、そして当村でも大変深刻な状況になっている少子化対策として、子育て新時代の子供を中心とした政策、人口増のために、さらなる戦略で定住に力を入れることを中心に展開して参ります。
 そして、これからリニア中央新幹線や三遠南信自動車道が開通する数年後を見据え、まちづくり計画に力をいれることを中心に進めて参ります。

4月から「こども家庭センター」開設

 保健師等も配置し、妊娠期から18歳までのこどもに関する相談やサービスを、ワンストップで対応したいと考えています。又、少子化に伴う将来の学校の望ましい姿を検討する「学校あり方検討委員会」を立ち上げます。そして子供達にグローバルな視野を広げ、語学を学ぶオーストラリア海外研修事業を実施します。

1年間に生まれてくる子供が約20人

 長期戦略として数年前から取り組んでいる交流人口増による展開、住宅の補助金、プロモーション映像でPRをしてきましたが、残念ながら年平均70~80人の減少傾向にあり、1年間に生まれてくる子供が約20人と待ったなしの状況となりました。

定住促進支援金 補助金拡充

 若者が住宅を建った時には、今までの100万円から倍増の200万円に、地元業者などの利用により最大で300万円の支援金が受けられます。そして、空き家を解体する際に事業費の2分の1、最大で100万円の補助金を新設します。これは特に空き家の管理に力を入れて頂いている清内路地区からの提案で予算に反映させて頂きました。持ち主が空き家を解体するきっかけとなるでしょうし、更地になれば新たな展開に期待できます。

地元に就職した子供にふるさと奨学金返還支援事業

 昨年から続く事業として好評で、村でその返済分を半額負担する政策をしっかりPRしていきます。子育て支援、定住政策を前面にさらに専用ホームページなどで広告をしていくつもりです。これらの政策と併せ、住民の方と共に人口増または維持につながるよう一丸となって取り組んでいきたいと考えます。

阿智村の発展

 12月議会で表明させて頂いた将来の阿智村の発展のため、リニア発生土を活用した七久里地区開発事業には、発生土の道路運搬などこれからクリアしなければならない点もございますが、希望を持って取り組み、リニア中央新幹線開業後の昼神温泉の姿を描く「昼神温泉リニア新時代構想」や「わいwai公園周辺整備構想」では、以前にパブリックコメントや説明会を実施した経緯から、さらに議論を深め、スケジュール感をもって計画して参りたいと思っています。

リニア整備対策室を「リニア・まちづくり課」に変更

 リニア中央新幹線工事が安全に完了するため対応する事と、発生土を利用しながらリニアの走る将来のまちづくりの仕事をする「リニア・まちづくり課」に名称変更する条例改正を提出し、体制を強化して仕事を進めて参りたいと考えています。

「くらし・いきがい・協働」

 住民の方が幸せに暮らす事ができるように、主要計画の住宅施策と地域力を高めるために、力を入れて参ります。村営住宅建設事業では、旧清内路振興室を解体し、跡地に村営集合住宅を建てる実施設計に入り、中関地区では宅地造成を進めます。又清中プラザには子供広場の改修工事も行います。高齢化や人口減少により集落維持が困難の声を聞き、草刈り機の貸し出し制度を実施しています。
 又、会議のペーパーレス化やコンビニ交付対応キオスク端末の増設や、書かない窓口サービスの導入等のDx推進により住民の方の利便性をはかります。

  主な事業と予算

 定住促進のための住宅新増改築等支援金 3,300万円
 分譲住宅造成事業           5,171万円
 空き家等解体事業補助           300万円
 旧清内路振興室解体          4,510万円
 ふるさと納税による寄付金増額事業   3,505万円
 Dx推進事業               4,613万円

「教育・文化・地域愛」

 子供達が阿智村を愛し、進学や就職で離れることがあっても、いつかはふるさとに帰って来てくれる為、教育は大切であります。「こども家庭センター」の開設により子育て施策の充実した体制となり、保健師や心理士、こども家庭相談員の配置による、一体的できめ細やかな相談支援を行います。
 学校では空調設備や洋式トイレ、IT機器の教育環境の整備、又保育園システムの整備により、保護者からの問い合わせや情報共有に取り組みます。英語、算数数学検定補助も高校生まで拡大します。公民館では、施設の予約がどこからでもできるようにネットでのシステムを導入します。

主な事業と予算

   地域子育て支援拠点事業         5,918万円
   学校教育施設整備事業          7,343万円
   海外語学研修事業              706万円
   保育システム推進事業            247万円
   中央公民館等予約システム導入事業       82万円
   わたしたちの阿智村自然編刊行        286万円

「福祉・健康・医療」

 今後見込まれる高齢者の増加と、少子化による生産年齢層の減少により、介護保険や医療保険への負担が大きくなることが見込まれます。健康で過ごせる期間をできる限り長くするため、健康事業と介護保険事業を保健センターへ統一し、相談事業を一本化するとともに、健康づくりと介護予防を一体的に行います。
  トリプルAサポート事業の継続、特定健診等の受診勧奨の強化、フレイル予防のため、おおむね60歳代からを対象にした「いきいきシニア健康大学」や認知症対策に認知機能維持のための教室を新たに開催します。又「介護に関する入門的研修」を開催し、福祉事業への理解や人材確保につなげたいと考えています。

   母子保健事業では不妊不育専門相談員による相談事業や、感染症対策事業では帯状疱疹や肺炎球菌ワクチン予防接種補助を行います。

主な事業と予算

 診療所の運営              4,980万円
   地域包括支援センター事業        6,147万円
 介護に関する入門的研修            30万円
   福祉施設等の整備            6,840万円
   各種健診事業等の実施          2,081万円
 母子保健事業              1,334万円
 感染症対策事業             2,529万円

「産業振興・雇用創出」

 昨年の昼神温泉郷50周年を機会に、観光を基軸とした商工業や農林業と産業連携が具体的に進みつつある中、経済が活性化しこの村が潤い、定住人口につなげていきたいと思っています。阿智昼神観光局や産業振興公社、商工会やJA、それぞれがうまくかみ合い相乗効果で村の発展につなげていきたいと考えます。その中で共通の課題は、人材不足、雇用の確保であり、新規事業として「求人マッチングサイト」事業を始めます。これはすぐに企業と働きたい人を結びつけることができるシステムです。商工業のみでなく農業も福祉分野にも対応でき、少しでも人材不足の解消に繋がればと期待します。

  農業関係では、各地区で地域計画の策定を行います。将来の阿智村の特色を生かした農業形態の研究、そして農業用ハウスや機械の修繕等の農業経営持続化支援事業や様々な補助金で、安定した農業経営を望みます。森林整備事業にも積極的に、森林税等を有効に活用し、森林経営管理制度による森林整備や路網整備、支障木伐採を進めます。そして観光では、宿泊税について、検討頂いている委員会から答申が今後出される予定ですので、それを受けて今後検討して参ります。商工会との連携では、住宅リフォームやプレミアム商品券などの消費活性化事業を実施して参ります。

主な事業と予算

 観光事業の補助金            11,751万円
 スタービレッジ事業            2,500万円
 昼神温泉将来構想推進事業           620万円
   昼神温泉史編纂発行事業            301万円
   運動公園周辺整備計画             926万円
   産業振興公社事業             4,176万円
   農業経営持続化支援事業            300万円
 森林整備事業               3,067万円
   公式求人マッチングサイト事業         700万円

「環境・防災・安心」

 私達が安心して暮らすために、大変重要な位置づけであり、近年頻繁に起こっている災害に対する自助共助の防災の意識を高めます。村のハザードマップ等で、各地域での学習を含め自主防災の意識付け、又消防団のなり手不足から組織の見直し検討を行います。又環境面では美しい景観の保全の創出として、西部3村で構成する南信州フォレストパークの事業を推進していきます。又Ev車用の充電インフラ整備や、雨水貯留の補助制度の新設、燃やすごみの削減や観光地にふさわしい美しい村づくりの意識付けをして参りたいと思います。地域猫の件も課題となっており去勢、避妊手術の助成事業も新たに行って参ります。

  道路等の整備では、緊急を要するものや、各地域から要望の出ているものから整備して参りたいと思っています。又公共交通では巡回バスを70歳以上の高齢者の方には無料で乗って頂くように考えています。

主な事業と予算

 家庭ごみ等収集処理           12,813万円
 充電インフラ整備             1,102万円
 猫の繁殖制限手術費補助             15万円
 村道林道の整備              7,100万円
 消防団員への自動車運転免許取得補助       52万円
 雨水貯留槽設置費補助金             15万円
 村内巡回、乗り合いタクシーの運行               3,587万円  

 以上、令和6年度の主な事業です。新たな夢に向かった新規事業も多く組み入れさせて頂いている中で、繰り返しになりますが、こどもの事、定住に向けた事業、まちづくり事業等に、重きを置いた予算となっています。「阿智家族」の精神で、住民が助け合い協力し合って乗り越え、阿智村の新たな輝きを刻んでいきたいと願っています。

【議会審議】

 本議会でご審議いただく案件は、条例案件14件、予算案件6件、その他案件4件であります。
条例案件他につきましては、阿智村課設置条例の一部を改正する条例の制定について他、上程の都度説明させて頂きます。

▽予算案件
 令和6年度阿智村一般会計及び各特別会計予算の議決をいただくものです。一般会計予算は、歳入歳出予算総額61億円と過去最大規模であり、昨年度当初予算58億7千9百万円と比較し、2億2千1百万円の増であります。
 歳入については、村税で前年度より10,372千円増の714,675千円、地方交付税は前年度と同じく2,660,000千円となります。
 基金繰り入れは、中関下の分譲造成にに土地開発基金から48,216千円、あふち保育園LED工事に、ふるさとづくり基金から、8,000千円、阿智中空調設備に、公共施設整備基金から19,000千円など、前年度より197,074千円の増となり、繰り入れ総額は900,788千円となります。歳出については、先ほど主な事業について申し上げましたので、内容については「事業等計画書」を参考にしていただきたいと思います。

▽特別会計
 阿智村国民健康保険事業特別会計は、事業勘定で歳入歳出総額520,500千円、直営診療所勘定で歳入歳出総額49,800千円、阿智村介護保険特別会計予算は、歳入歳出総額895,300千円、阿智村後期高齢者医療特別会計は、歳入歳出総額92,800千円、阿智村水道事業会計は、歳入総額313,694千円、阿智村下水道事業会計は、歳入総額589,136千円。
 阿智村介護保険特別会計予算の件でお話させて頂きますが、3年ごと見直す令和6年度からの第9期介護保険計画において、介護保険料を現行の料金から基準額で13%値上げをお願いする計画を立てさせて頂きました。阿智村では、特養や老健、グループホームなどの入所系施設も、住宅医療・介護の連携が重要な訪問看護や、デイサービスなどの住宅系のサービスもあり、他市町村と比較しても充実したサービスを受けられる状況であり、多くの方が望まれる「できるだけ住宅で」を叶えられる環境が整っているといえます。ご自身やご家族に介護が必要になった場合でも生活が維持できるよう、又そうならないように村では介護予防の取り組みも力を入れて行っています。少子高齢化社会の影響で、値上げせざるを得ない状況を是非、ご理解頂きたいと思います。
 この他、令和5年度各会計の補正予算等について追加日程でご審議いただくことになります。

 以上、それぞれの議案について申し上げました。上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願いいたします。

おわりに

 3月2日に阿智高校の卒業式に出席させて頂きました。76名の卒業生が新たな道へと旅立ちました。学校長の式辞の中で「みさか学習塾」の事が触れられました。西部3ヵ村で構成される阿智高校協力会が支援する「みさか学習塾」は昨年7月で丸10年が経過し、毎年各学年20名前後の入塾者があり、希望する進学等に大きな成果を上げています。11年目を迎えた学習塾と共に、観光、農業、福祉の地域政策コースもあり、生徒たちの充実した学校生活や進路に大きな成果がある事を報告させて頂きます。
 そしてこれから3月には、小中学校の卒業式、卒園式など別れと出会いの季節となります。高校入試や、進学就職など新たな旅立ちで、一旦は阿智村を離れる若い皆さんもいることと思います。どんな形でもいいので、いつかはこの村を支える人に成長してもらいたいと願うばかりです。
 そんな中で、リニアや三遠南自動車道開通の明るい未来に期待を込めつつ、我が村が、輝く自治体として一人ひとりが元気と知恵を出して、素晴らしい阿智村をめざすために、多くの村民の方のご意見を頂きながら、令和6年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 以上3月定例議会の開会にあたり、ごあいさつ申し上げました。よろしくお願いいたします。