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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和5年12月5日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年12月5日更新

はじめに                      

 今年もあと1ヶ月となり、師走の大変寒く忙しい時期となりました。
 この1年間を振り返りますと、5月に新型コロナウィルスの5類への移行により、長い制約された時期が終わり徐々に行事やイベントが復活し、実に4年ぶりという事業が多く村では商工祭が一緒になった阿智祭で、屋台での販売、展示や芸能発表など多くの村民の皆様に楽しんでいただき、各地域では文化祭や敬老会など役員の皆さんも久々の開催でしたのでご苦労された事と思いますが、多くの人が出会い、話をする事の尊さを感じることができました。他にも村政功労者表彰式、熊谷元一写真賞コンクール表彰式、村民星空観賞DAY、中学生新人大会の活躍など、皆さんがそれぞれの会場でお会いすると、元気で活躍する姿は大変うれしく感じました。
 さて、9月の内閣改造に於いて、長野県5区、私共の選挙区の宮下一郎衆議院議員が農林水産大臣に就任されました。この事は阿智村にとって、南信州、長野県にとって大変ありがたい事であり、林業や農業を基盤産業とする当村の状況を直にお伝えする事ができました。日本の農林業の発展のため、特に中山間地の実情を受け止めて頂き、本当に心強い就任です。10月早々に議会の皆様と連名で「中山間地域農業への継続的支援について」等の要望書を農林水産省の大臣室へ提出させて頂き、親身になって話を聞いて頂きました。

村の状況

 村では11月に8か所で地区懇談会を開催し、今年度の事業推進と来年度の事業計画予算を中心に意見を頂きました。近年の少子化時代を反映し、どう人口を維持していくか、定住対策や保育園や小学校のあり方などが意見の中心となりました。
 又、どの地区においても共通に出た問題が、地域の集落維持をどうしていくか、農業施策や、山の手入れの事、里山整備など意見がでました。現実に草刈りができない、地区の役が多すぎて受けられないといった、切実な問題が出ています。
 村としても、地域と共に解決方法をさぐり一緒になって対応して参りたいと思っています。又、物価高騰対策についても国県、村の政策に期待するとの声が多くあり、各団体からの意見もまとめ、計画の素案を持って、2月には再度各地域での懇談会を行う予定になっています。

11月23日 昼神温泉出湯50周年記念式典、26日 村民感謝DAY

 11月23日には昼神温泉出湯50周年記念式典、26日には村民感謝DAYを行い、実行委員会を作り約1年間かけ準備してきた事で、旅館等経営者や商工業者の皆さん、地区住民等の代表の方の意見により、多くの立場から、村民が昼神温泉を誇りに思い、愛し、これからの発展に向けて考える機会となる行事等が出来たと思います。式典には多くの来賓の方をお招きし、長野県や南信州の中での昼神温泉への期待のお言葉を頂き、子供たちによる昼神の将来像の作文は、とても感心させられる内容でした。
 リニア時代を見据える将来の昼神構想の発表では、長い期間をかけ多くの方の意見を聞き策定したものであり、現段階では大きな考え方を示したものとなっています。温泉街を歩き星や川、里山などの自然を感じ、朝市、産直、お土産、飲食店を散策できるような、併せて地元の皆さんも楽しめる、わくわくするような構想に仕上がりました。今後関係者の合意形成をすすめ、実現に向けて努力していきたいと考えています。
 26日の村民感謝DAYでは、初の企画、第54回駅伝大会を昼神で開催し、36チームが参加し昼神の景色を感じながら走ることができ、多くの皆さんが今まで入浴した事のない温泉に入り、楽しんで頂けたと思います。
 清内路手作り花火も圧巻で、これからの100年に向けて未来永劫続く素晴らしい温泉郷へと新たなスタートが切れました。

リニア関係

 リニア整備対策室に、10月1日から対策室長に副村長を兼務で配置し、係長1名増員させ、清内路地区と七久里開発の担当の2名体制で対応しています。
 清内路地区では国道から斜坑までの村道1―20号線の工事が始まっています。発生土置き場については坊主沢を候補地から外し、清内路自治会から地区内での活用の要望が9月に出されましたので、村として議会の皆様と協議し、JR東海にその旨を要望致しました。今後、地元の要望を重く受け止め、対応して参ります。今後JR東海主催で、クララ沢発生土置き場の工事説明が地元を中心に行われていく予定です。
 又、七久里地区、山本インター近くの洞を発生土で埋めて活用する要望を以前から地元地権者から頂いていましたが、上中関地区、周辺の皆さんのご理解をおおむね頂き、将来の阿智村の地域振興に有効ではないかと村で判断し、工業用地等の可能性を含め検討していく事としました。今後、様々な角度から調査分析し、安全安心を第一に前向きに検討を進めたいと考えます。

宿泊税の検討

 当村では新たな観光の財源となり得る宿泊税について検討する委員会を11月16日に立ち上げました。
 まず宿泊税がどんなものか、メリットやデメリットは何か、全国の事例など、勉強し理解する事から始めています。検討に際しては事業者の方の理解や意見をまず聞かなくてはなりませんし、村の将来を考え住民の方の意見も聞く機会も作りたいと考えています。観光のための目的税となりますので昼神温泉の将来構想の財源としても可能性がある宿泊税となります。委員長には長野県立大学の田村教授が就任され、定期的に委員会を開催する予定です。

11月1日 夢未来キャリアメッセ

 今回で3回目となりますが、中学1年生対象に夢未来キャリアメッセを開催。商工会や地元企業の協力の元、体育館にブースを設け、12の企業団体が、それぞれに仕事の内容や働くことの意味を説明しました。生徒達は自分の希望するブースを回り、阿智村にどんな企業があるか、大人になった時どんな仕事に就きたいかなど、勉強になったと思います。中学生のうちから地元の企業を学び、将来地域を支える人材になってくれる事を期待するキャリア教育には、今後もさらに力を入れていきたいと考えています。

11月18、19日 県と共催で「ベジチェック」

 11月18、19日と県と共催で野菜をどれだけ摂っているかという企画「ベジチェック」を開催。ピアさんの一角をお借りし、大変好評で102名の方に参加頂きました。野菜の摂取具合など気軽に自分の健康状態を確認する事ができ、生活習慣をどのように送ったらよいかの目安ができました。野菜を摂る事でがんなどの予防ができる冊子やレシピも配布させて頂きました。又知り合いの方と健康について話をする機会もできた事で、来年もお願いしたいとの多くの声を頂きました。

農業関係

 昨年から始まった農業機械購入補助金の申請が今年も好評で、この10月までの半年間で15件と当初予算をオーバーする申し込みがありました。利用された方によると、農業機械もなかなか高額で躊躇していましたが、この補助制度により、機械を導入する事で新しい分野の農業作物を展開する事ができ、意欲も高まってありがたかったとお礼を頂きました。機械の修繕や残った農薬の処分費も高騰している状況と併せ、今回の補正予算で追加をお願いする予定になっています。

第26回熊谷元一写真賞コンクール表彰式

 今年は第26回の熊谷元一写真賞コンクールの表彰式を熊谷元一写真童画館で開催。テーマは「まつり・行事」で、今年も全国から197人742点の応募がありました。全国規模の大きなコンクールとなり、年々レベルが上がり、力作が揃い、大賞に福島県の佐山さんの作品が選ばれました。元一先生の写真は懐かしくもあり、歴史を振り返るうえで大変参考にもなります。これからの私たちの生き方、日本の進むべき道を考えさせられる記録写真を残していく事の重要性を改めて感じました。
 来年のテーマは「笑顔」に決まりました。是非とも多くの方に応募頂きたいと思っています。

阿智村ふるさと大使の委嘱

 この秋に阿智村のふるさと大使の委嘱を新たにさせて頂きました。
 永倉隆幸さん、園原健弘さんなど9名の方に加え、歌手として活躍され、浪合の歌を歌ってくれている小沢あきこさん、熊谷元一先生のご長男でブックデザイナーの熊谷博人さん、熊谷元一さんの教え子で元日本大学芸術学部講師の下原敏彦さん、元バレーボールプレミアリーグ選手で現在は全国の子供達の指導をされている濱島哲也さん、小説家でシナリオライターの阿智太郎(今井貴広)さんの5名です。
 各分野でご活躍の皆様に、ふるさと阿智村の発展のためにお力添えをお願い致しました。

緊急経済対策会議​

 物価高騰による、景気状況等をお聞きするために11月27日に緊急経済対策会議を開かせて頂きました。
 併せて商工会のヒアリングによりますと、製造業者の皆さんからは、コロナ禍が終了し海外にシフトしつつあり、国内での仕事も回復し好調で忙しいが、まだ人手が足りず大変困っているようです。小売業、飲食業はプレミアム商品券の効果もあり、3ヶ月前よりは売上げ微増との事。年末は忘年会の予約が大変多く入っており忙しいとのお聞きしています。ただ、依然としてエネルギー高騰により、重油等で機械を動かす製造業や建設業をはじめとした各種事業者について、厳しい状態が続いているとのことです。
 観光業は、紅葉のトップシーズンという事もあり、昨年に比べ10月までは好調の声を頂きました。しかし、11月以降は昨年の支援の影響が大きく、多少昨年よりは売上減との事であります。
 農業は、生産量、売上げは横ばいとの報告ですが、原油の高騰により、ガソリン軽油等使う農機具の燃料代は高く、国の政策発表を受けて当村も対応したいと考えています。又、この秋、県、村、商工会の合同による事業承継調査を行いました。回答された165事業所のうち、後継者がいると答えた方41.7%、いないと答えた方58.3%でした。いないと答えた方のうち、事業承継を希望する方は、27.1%であり、支援策やマッチングやのれん分け等の紹介を希望する方がいました。全国平均は、後継者がいない率は57.2%であり、ほぼ当村も全国平均並みです。3年程前は65%でしたので、コロナの影響で自社事業の将来性に改めて向き合った結果との分析が出ています。
 このような状況をふまえ、国の政策方針を受けて、現在の原油等エネルギー高騰対策のため、検討しておりますので詳細については本議会中に提案させて頂きたいと考えています。

【上程議案】

案件は、人事案件1件、条例案件3件、予算案件3件、その他案件5件

▽人事案件 1件
 固定資産評価審査委員の内1名が任期満了に伴う選任に関する同意

▽条例案件 3件
「阿智村国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の制定については、全世代対応型の社会保障制度を構築するため改正する法律の施行に伴う、関係条例を整備するもの
 他、条例については2件

▽その他案件
 阿智村もみじ平森林総合利用施設の指定管理者の指定について 他4件

▽予算案件
 令和5年度阿智村一般会計補正予算第3号は、既定の歳入歳出予算総額に、それぞれ10,8861千円を追加し、歳入歳出予算総額、6,506,284千円

▽歳出の主なもの
・ふるさと納税の諸費
・デイサービスセンター修繕費
・有機活用農業振興費
・村道道路維持補修工事
・住宅建設費
・第一小バリアフリー化工事
 このうち有機活用農業振興費については、農業用機械購入の補助金を利用される方が多くその補正と、農業用ハウス等の修繕や農業機械の修繕費用も高額であり、又、残農薬の処分費用も高額な事から、それぞれ一部補助することで、農業者の支援を行う補正をお願いしたいと思います。

 以上がご審議いただく案件であります。上程の都度詳しく説明致しますのでよろしくご審議を頂きますようお願い致します。

おわりに 

 8月議会だより臨時号や9月定例会の私のあいさつの中で、白山工業団地の件で相手企業に対し、損害賠償を違約金に変更の旨を述べましたが、言葉の意味の認識不足から訂正させて頂き、解決金とさせて頂きます。
 又臨時号の中で覚書と工事の施工について、色々な事情がありましたが事務手続きが不備であり、この事は公が実施する事務としては反省すべき点であり、今後はこの様な事がないようにしていきたいと思っています。契約議決の必要性については、弁護士に相談し、必要ないとの見解を頂いております。擁壁等の造成工事については、誘致にあわせて進めたものであり、工場用地としての整備は問題なかったと考えています。
 又、交渉時には公にはできない裏の話があるといった私の発言について、全くそのような事実はありませんでしたので、取り消しをし誤解を与えてしまった事についてお詫びいたします。以上を含めて、この件については弁護士にお願いし、交渉中でありますのでよろしくお願い致します。
 さて、9月24日、29、30日には源氏物語、帚木プロジェクトによるイベントが開催されました。来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は紫式部が主人公です。源氏物語に園原が登場する事から、これを機に多くの人に阿智村園原の歴史を知ってもらおうと源氏物語、帚木プロジェクトが立ち上がり企画されました。24日の源氏物語「帚木」演劇の上演では、光源氏と空蝉の切ない物語を書道パフォーマンスも取り入れ、演出の工夫により多くの観客を魅了しました。29、30日にはそのはらの月見祭りとして、信濃比叡やははき木館、中央公民館で書家の実演、講演会などが実演され、どちらも大盛況でした。この企画後には、ははき木を訪れる方が増えており、改めて阿智村の奥深い歴史を感じとって頂いていると思います。
 令和5年もあと4週間程です。世界ではロシア、ウクライナ情勢、イスラエルやガザ地区など各地で紛争が起き、平和の尊さが叫ばれ、物価の高騰などで、世界も日本も安定しない日々だったような気がします。活気を取り戻そうと当村では、ははき木や昼神温泉50周年のイベントを企画しながら、各地域でも行事が復活し人と人との出会い、ふれあいが大事だと改めて感じ、来年にきっと繋がっていくと思っています。
 以上本会議に上程いたします議案等について申し上げました。安心で夢のある地域に向かって一緒になっていい村作りにまい進していきますようご協力をお願いしてあいさつとさせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。