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村長あいさつ
村長コラム(広報あち掲載)
情報提供

阿智村定例議会(令和5年6月6日)村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年6月6日更新

はじめに

 阿智村では田植えや野菜の植え付けもほとんどの皆さんが終えられ、一息ついたこの6月上旬だと思います。5月下旬から、日中は真夏のような暑い時もあり、朝夕の寒暖差があり、農作物や体調面でも不調がないよう注意したいものです。
 6月2日には台風2号の影響で阿智村にも大雨警報や土砂災害警戒情報が出され、浪合では総雨量247ミリを記録し、村内では道路の路肩や農地の土手が崩れたり、湧水など被害が80か所近くありました。避難指示も行い、自主避難と併せ5か所の避難所に45名の方が避難されました。幸い人命に係る大きな被害はなく安心したところですが、南信州の他地区では大きな被害があり、お見舞い申し上げ、一日も早い復旧を望みます。
 4月9日には県議会議員選挙が行われ、この飯田下伊那地区では現役2名の方が引退し、新しい顔ぶれの皆さんがこの地域の代表として県政の運営を担うこととなりました。投票率が58.5%であり前回より7.9%低い結果となりましたが、当村の課題解決、道路等のインフラ整備等にもご理解頂き、大きく力を発揮頂きたくお願いしたいと思っています。
 新型コロナ関係では、連休明け5月8日から法律上の位置付けが5類に移行された事に伴い、マスクは個人の判断、体温感知計の取り外し、公共施設の使用の基準もコロナ前に戻させて頂き徐々に普段の生活に戻って参りました。しかし、まだ心配な部分もあり、村では感染検査費用の補助を引き続き受けられようにしていますし、国の方針により令和5年度のワクチン春開始接種の案内を65歳以上の方や基礎疾患のある方、医療従事者に出させて頂きました。
 今年度は村の行事や地区の様子を聞くと、様々な行事も徐々に再開していく予定で、夏の風物詩である阿智の夏まつりを4年ぶりに行いますし、その他の事業も以前のように行い、各地域の運動会や文化祭などの行事、イベントなど行われ、地域のコミュニティが復活し地域の活性化につながると感じています。

村の状況

 今年度がスタートし、コロナ禍での昨年や一昨年と比べ、5類になる直前のゴールデンウィークということもあり、昼神温泉を中心に多くの観光客で賑わいました。桜や花桃の開花が、4月上旬の気温の上昇により一気に花が咲き、ここ近年では最も早い4月11日から花桃まつりを開催しました。
 22、23日の土日には天気もよく、昼神から園原までの大渋滞が発生する位の多くの人出で賑わい、花桃や駒つなぎの桜、星空や新緑の美しい風景を楽しんで頂けました。途中気温が下がった事もあり月末までのロングランで開催できた事で、駐車台数は約1万7,000台、おおよそ26万人の方に来て頂きました。もちろん花桃の素晴らしさはありますが、コロナ規制明けの観光地として、運営方法やしくみなど、多くの方からおおむね好評との評価を頂けました。
 他の観光資源も、キャンプ場や山登り、釣り等のアウトドアブームは引き続き盛況でした。

昼神温泉郷の50周年の行事

 実行委員会を組織し会議を重ねる中で、具体的に計画が固まって参りました。住民の方に感謝の意を込めて記念のタオルを作成し、全家庭に配布させて頂きましたし、記念ロゴの街頭タペストリーを村内に掲げました。出湯50年を振り返り次の100年をめざすムービー撮影にも取り掛かっており、6月4日には50の人文字の撮影を行い、スタッフ合わせ650名の方に御参加頂きました。
 各メディアへのセールスプロモーションや、記念誌の編集、11月23日には記念式典、26日には駅伝大会と併せ村民の方に一日温泉を楽しんで頂く日にしたいと計画しています。

リニア中央新幹線

 この3月に清内路萩の平地区の「クララ沢」を発生土置き場として受け入れる決定をいたしました。
 この決定には今まで多くの時間を費やしてきました。直近では、岐阜大学の先生による講演会及び懇談会、さらに村主催の住民説明会を開催し、それらの様子を考慮してリニア対策委員会から提出された提言書を参考に、議会リニア特別委員会にて受け入れの方向を導いていただいたことから、村として、JRに対し設計に対する安全性の担保と、管理体制への条件を付ける中で、受け入れの表明をすることとなりました。
 今後は、他の発生土置き場の検討や、村道1-20号線の工事などについて、いままでどおり住民の皆さまの声を丁寧に聞き、JR東海に要望すべき点をしっかり伝えながら判断していきます。

はたちの集い 

 5月3日には、コロナ感染対策を徹底したうえでの、はたちの集いを開催しました。
 今年から名称を変え、多くの人が安心して集まれる式にするにはどうしたらよいか、実行委員会で早くから検討し、抗原検査や数日前からの体調管理チェックを徹底し、式典のみでしたが67人中55人の出席と、例年に比べ高い出席率でした。
 久々に会う仲間や恩師との出会いや、高校を卒業してからほとんどコロナで制約されてきた生活のせいもあってか、いつまでも懐かしい話に花を咲かせていました。
 記念品として、阿智村で捕獲した鹿の皮を使った名刺入れをプレゼントさせて頂き、新成人達に鳥獣駆除のしくみも感じて頂けたのではと思っています。

農業

 引き続き不安定な国際情勢の影響で畜産農家は飼料が高く、厳しいようです。
 気候は4月末一時気温が下がり霜など心配されましたが、全般的に安定した気候で水稲、野菜など順調に育っているようです。6月2日には産業振興公社の定期総会を開催し、社員466名の皆さんの協力の元、売り上げは1億円を維持でき、令和5年度の大きな事業として4月中旬に生食用、ワイン用のぶどう500本を植え、観光業と連携した新たな農産物の展開に3年後が楽しみです。
 農業委員会の改選時期であり今議会で、農業委員の候補者について説明し、ご同意頂く予定です。新しい体制のもと、農業の発展のためご尽力賜りたくお願いしたいと思います。肥料や飼料等の高騰対策については今回の補正で予算をお願いすることになります。

今年度の新たな制度

 「ふるさと奨学金返還支援金」は、受付期間の5月に29名の方から申請がありました。若者の地元定着、地域産業の担い手確保に向けた定住施策です。奨学金の返還を行う若者が、阿智村に住み、自宅から通勤できる範囲の事業所に就職すれば、返還額のおおよそ半額を31歳まで、村で支援するという制度です。既に阿智村に在住している若者をはじめ、新規の就職、また一旦村を離れた若者やIターン者が阿智村の定住に繋がればと思っています。

NPO法人チャレンジゆうAchi

 平成16年に総合型地域文化・スポーツクラブとして発足して以来、実に今年度で20年の節目を迎えました。阿智村民でつくるみんなのクラブとして、他地区に先駆けてこのしくみが20年前に出来上がったわけですが、現在はスポーツや文化、中学の部活動とも連携し42の講座のプログラムがあり、いきいきとした村民の皆さんの生涯学習の場として、内外から評価されています。当時から体育協会やスポーツ推進員の皆さんが中心となり運営されており、改めて感謝申し上げ、さらなる発展を願いたいと思います。

民生関係

 この5月より75歳以上の方に限り、村内医療機関に通院される場合、タクシー料金を距離に関係なく共通で片道300円で行ける制度を始めました。地区によって利用できる曜日が違いますが、今まで不便だった点を解消し、玄関から病院までの移動ができるようになり、大変好評との声を聞いております。
 今後も、公共バスや乗り合いタクシーなどもうまく併用しながら是非多くの皆さんにご利用頂きたいと思っています。

ごみゼロ運動

 5月28日には、全村民あげて実施して頂きました。各地域単位での作業は、コロナ禍でも住民が集まり、自分達が住んでいる地域をきれいにする事と、地域のコミュニケーションをはかる上で大変重要な行事です。地域の皆さんにはこれから道路の草刈作業や支障木の伐採、花の植え付けなど、環境の素晴らしい美しい村のために、ご尽力下さり大変感謝する次第です。

消防団操法技術大会

 6月18日には、実に4年ぶりにされます。この時期、消防団の皆さんは大会めざして、ポンプによる水の出し方の基礎的な訓練、1秒でも早く火が消せるように動きや伝達の仕方など習得します。そこで生まれる仲間との調和や地域愛が後に大きな財産となります。消防団のあり方が叫ばれる今、訓練の仕方や大会の運営を工夫しながら頑張ってくれています。

 

(村内の景気動向)

 村内の景気動向について少し触れてみたいと思います。
 商工会によりますと、コロナや原油高騰により、製造業は業種によって差はありますが、元請の業績が厳しく、その影響で値段の交渉が厳しいとの事です。
 設備業、建設業は仕事はあるが、資材が値上がりしており、納期が見込めずお客様に迷惑をかけている状態です。
   食品製造関係は新規出店される所もあり新しい事業展開に期待したいとの事です。飲食店は人の動きはよくなったが、光熱費など固定費がさらに上がり、以前値上げしたが、更に値上げできず利益率が下がり厳しいとの事です。
  衣料小売業は、以前よりもネット販売に頼る方も多いとの報告です。どの業種もこれから発売予定のプレミアム商品券に期待しつつ、客層のターゲットを明確にした戦略を行うとの事です。

【上程議案】
 今議会でご審議いただく村提出の案件は、承認案件2件、人事案件14件、条例案件1件、契約案件2件、予算案件1件、報告案件2件、その他の案件1件であります。
 ▽承認案件      専決処分を行った阿智村税条例の一部を改正する条例と最終的な交付税等の確定による令和4年度一般会計補正予算(第7号)についてです。
 ▽人事案件      農業委員会委員の任命に関する同意をお願いするものです。
 ▽条例    税制改正による国保税に係る課税限度額の見直しなどをするものであります。
 ▽契約案件  第7分団の消防ポンプ付積載車購入の売買契約や、除雪トラック購入について契約締結をお願いするものです。

【予算案件】
 令和5年度阿智村一般会計補正予算第1号は、既定の歳入歳出予算総額に歳入歳出それぞれ155,685千円を追加し、歳入歳出予算総額を6,034,685千円とするものであります。
 ▽歳出の主なもの
 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金に20,475千円、新型コロナウイルスワクチン個別予防接種事業に32,211千円、肥料農薬価格高騰緊急支援事業に10,000千円や、畜産経営緊急対策事業に4,100千円、プレミアム商品券事業委託料に37,500千円、村道維持修繕工事に17,800千円などをお願いするものであります。
 新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、コロナ禍における原油価格、物価高騰対応分として、農業者への肥料や農薬代の一部を支援する制度と家畜飼料の価格高騰に対し補助する制度、そして昨年も行った商工業者や消費者への支援として、5,000円のプレミアが付く、村内で使える販売価格10,000円の商品券を7,000冊発行させて頂くものです。
 物価高騰による家計への影響への対応として、住民非課税世帯に一世帯あたり3万円を支給するものです。
 報告案件につきましては、令和4年度より令和5年度へ繰り越した事業に係る予算の報告や、事故繰越の報告をするものです。

以上本議会においてご審議いただく案件について説明いたしましたが、詳細は上程のつど詳しくご説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

【おわりに】    

 ここで、職員の不祥事についてお詫び申し上げます。村民の皆様、議員の皆様に対し、村の信頼を裏切ってしまった点についてご報告させて頂きます。
 3月末の出来事でありましたが、職員が食事会の席で飲酒をし、同僚の家族に送ってもらい一旦家には帰ったのですが、その後何らかの事情で、運転をしてしまったという出来事がありました。直接警察に対応されたわけではなく、複雑な状況の案件でしたので、捜査等に長く時間がかかってしまいました。この度、捜査が終了し、酒気帯運転として本人の処分が確定しましたので、この場を借りて今後の対応をご報告いたします。
 いかなる理由があろうとも、酒気帯運転は罪であり、本人は勿論、我々の組織、役場全体の責任として、深く反省させて頂きます。特に職員を管理する私の他、理事者の責任であり、改めて申し訳なく、お詫びさせて頂きます。本人には2か月の停職とし、理事者である私共は減給の責任を取らせて頂く条例改正案の提出を今議会中にさせて頂きます。
 本人は勿論法的な処罰は受けなくてはなりませんし、全体として今後、職場内での職員の行動の仕方、二度とこのような事が起こらないようなチェック体制を徹底させて頂きます。
 尚、事前の報道等で本人のプライバシーの件につき、こちらの配慮が足りなかった事についてお詫び申し上げます。
 今後、連帯責任として、各々が胸に手を当て反省し、公務員としての行動を今一度考え、村民の方からの信頼を取り戻すよう精進していくつもりです。
 改めて申し訳ございませんでした。


 以上申し上げまして、6月議会定例会開会にあたってのあいさつとさせて頂きます。どうぞよろしくお願い申し上げます。