第6回「生きる」
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月1日更新
平山弘(和歌山県田辺市)
「おはなし」
撮影場所: 和歌山県南部川村
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講評
第6回 生きる 審査員長 伊東征彦(長野県写真連盟)
二次審査まであがってきた作品はどれも素晴らしく、審査も例年より時間がかかり激戦でした。
元一写真大賞に輝いた「おはなし」に代表されるように、明るい生き方を写した写真や、のびのびとした楽しい作品が多かった反面、不況による就職難など、厳しさの中で生き抜こうとする姿を表現したものが少なく、テーマの主旨の一つに、「生きることの辛さを抱えているリアルな姿をとらえて…」とある、その辺の踏み込みが足りなかったのは残念です。
審査の前日、東京新宿で一つの村を何年も追いかけた個展に出会いました。撮影したカメラマンが、「村人から『こんなに通ってよく飽きないねえ』『まだ撮るところがあるの?』とあきれられた。ついには『一層のことここに移り住んだら?』と声をかけられた」と述懐していました。
徹底して被写体を追い続けただけに深みのある写真展でしたが、徹しきることで周りから認められ、更により深いものを求める思考が身についていく…ということを改めて知らされました。これは熊谷元一先生が徹底的に現場主義を貫いた精神と重ね合わせることができます。皆さんもこの精神で頑張って下さい。