ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

第4回「家族」

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月1日更新

熊谷元一 写真童画館熊谷元一写真賞受賞作品

第4回(平成13年): 「家族」

元一写真大賞
喜びの日
五十嵐邦彦(秋田県雄物川町)
「喜びの日」
撮影場所: 秋田県雄物川町

阿智村賞
高橋文雄(長野県上田市)
「絆(きずな)」
絆(きずな)
撮影場所: 長野県上田市
信毎賞
香山勝美(長野県飯田市)
「嫁ぐ日」
嫁ぐ日
撮影場所: 長野県飯田市
JAみなみ信州賞
玉井千佳子(愛知県名古屋市)
「母と子」
母と子
撮影場所: 愛知県名古屋市
市町村名は、受賞当時のもの

講評

第4回 家族 審査員長 後藤総一郎(明治大学教授)

 昨年とほぼ同数の応募をいただき、このコンクールも定着したのかなと審査委員一同喜びました。

 さて、今年のテーマ「家族」へのカメラアイは広角レンズさながらのように、さまざまな角度から覗かれていました。子どもから老人にいたる、それぞれの世代の「絆」をキーワードに映像化されていました。その「家族」への眼は、すべて平和な幸福に満ちた、そして現代の「家族団欒」あるいは「家族の絆」を示す「愛」として表現されたものでした。

 素晴らしい一コマ一コマに私達一同感動しました。と同時に、21世紀を迎えた今日という「時代の家族」の「絆」のありようを知らされた思いでした。なによりもそこには、それぞれの「対話」があり、その「会話」が聞こえてくるような写真になっていることが、私達を喜ばせてくれました。だが、少し淋しい、あるいは物足りなさを感じたのも事実です。それは熊谷元一記録写真のモティーフとなっていた「家族」の日常における多面性、たとえば貧しさの中の愛とか、悲しみの中の家族愛とか、家族の中の汗とか、泥だらけの中の絆とかいう、明るさの中の家族だけでなく、平凡で日常的でそして哀しさ淋しさに耐えながら、だからこそ家族で支えあっていくという姿がまったく「不在」でした。幸せな時代とはいえ、楽しいことばかりがある日常ではない、今一歩多面性の中に示される「家族の真実」をカメラに収めて欲しかったというのが審査委員一同の感想でした。