第18回「親子」
第18回(平成27年):[親子]
石川 賢一
(高知県高知市)
「どろんこ缶」
撮影場所: 高知県南国市
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講評
第18回 審査員長 増田今雄(長野県写真連盟)
身近なテーマだけに応募者が前回より約100人増え、北海道から九州まで全国から前回より約300点多い1000点近くの応募がありました。
行楽や行事、結婚式、サルやカバなどの動物…。日々の生活の中、身の回りで捉えたさまざまな親子の明るい表情が寄せられましたが、ほぼ横並びの印象でした。記念写真的な作品が目立ち、中には親子の関係に結び付かない個人の独りよがりと思われる作品も散見されました。しかし、新鮮な素材の発見とともに作者の「親子」に対する考え方や思いがストレートに見る人に伝わってくる作品が残り、言うまでもありませんがレンズ選択、構図、シャッターチャンス、光線などのカメラワークが付加された作品が上位に選ばれました。
「阿智村内撮影部門」は色彩豊かで被写体になりやすいハナモモを中心に、村内の暮らしを伝える作品、村が近年《売り》に力を入れている「星」の作品などこれまでにない多彩な作品が寄せられました。中でも、全国的に珍しい下清内路地区に伝わる「出作り」を題材にした作品が上位に選ばれ、今に生きる伝統にレンズを向けた意欲が伝わってきました。村内にはまだまだ多くの行事や祭りが残っています。同時に、時代を越えて連綿と人々が暮らしています。次回テーマは「祝う」と同時に「阿智村」もテーマです。元一先生の偉業から発した「農村記録写真の村」にふさわしい、今の時代を切り取った傑作を期待します。